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小池百合子を嫌う人たち

半生を描いたノンフィクションが話題

7月5日に行われる都知事選を前に「女帝 小池百合子」(石井妙子著)が話題になっている。

同時に、SNS上では、拉致被害者でもある蓮池薫氏が、帰国時の記者会見会場に出席していた小池百合子が、会場にハンドバッグを忘れて取りに戻ってきたときに「私のバッグ、拉致されたのかと思ったー」と言ったため、その後彼女のことを信頼していない、と述べた投稿が多くシェアされている。

選挙の前のタイミングで、話題を仕掛けている人がいるのだろう、と思う。

Amazonで書籍を買おうとしたが、売り切れなのでkindleで読んでいる。

桐野夏生「グロテスク」を想起した、という人もいた。私は有吉佐和子の「悪女について」も思い出した。

東電OL殺人事件の被害者は、慶応女子の付属からきた同級生たちとの溝を埋められなかった。小池百合子は、甲南女子の芦屋令嬢たちとの中で、一人異質な人生を築いていく。カイロ大学留学は小池百合子のキャリアの原点だ。そのカイロ大学を実は卒業していないのではないか、虚飾に塗られた(という)波乱万丈な半生が平成30年の政治史に重ねて描かれた、読み応えのあるノンフィクションだ。

私が小池百合子ファンになった訳

私は政治に詳しいわけではないし、特定の政党を支持してきたわけではない。だけど、小池百合子は好きだった。小泉政権が郵政民営化選挙で圧勝した時の小池発言は説得力があった。都知事選に打って出たときも、この人なら変えてくれる、と思って迷わず投票した。

小池ファンは女性が多い。女性活躍と言いながら、世界レベルに追いつかない日本で、なかなか叶えられない女性の成功を堂々と見せてもらうと、溜飲が下がる、ということもあるのかもしれない。私もその一人だ。

もう一つは大人の物言いができる、ということだ。キャスター出身だからなのか、言葉の選び方にはいつも感心する。噛み付いてくる相手にも感情的にならずにうまく交わす。なるほど、そういう言い方をすればよいのか、と勉強になる。

本の中ではそのことも、口八丁だと否定的に書かれている。

実をいうと、小池百合子が主宰した政治塾「希望の塾」にも参加し、ほとんどオンラインでの受講だったが、彼女の講演は生で聞いた。
都議に立候補するつもりなどなかったが、ゲストで登壇する方達の講演も含め、良い刺激になったし勉強にもなった。
本では受講料ばかり高くてぼったくりのように書かれていたのが残念だ。

特に印象的だったのは、マーケティング発想、「鳥の目、虫の目、魚の目」の3つの目を持って行動することが大切だ、というものだった。小池百合子の場合は、中でも「魚の目」つまり、潮目を読むことに長けている、というのは世の一致した意見だと思う。

コロナ、という過去に経験のない特殊な事態の中で、リーダーの資質はより厳しく問われている。結果のごまかしができないからだ。東京都知事の働きはどうだったのか、あまり評判はよろしくないようだが、まだ現在進行形のなかで、評価をすることはできない。

緊急事態宣言を急がせた功績

ただ、ひとつだけ、「緊急事態宣言」は小池百合子の働きかけがなければ、もっと遅れていたに違いない、と思う。医師会からも要請があったにも関わらず、政府はまだ2週間の猶予などと言っていた。小池百合子が「それは酷だ」といって決断のきっかけを作ったといってもいい。

私はあのとき、東京都のために、ふるさと納税を減らして、都民として東京都に税金を納めようと思った。

緊急事態宣言を行ったことで経済的な悪影響はあったので、それが正しい選択だったのかどうかは今はまだわからないが、現状では、そのおかげで、感染者数は減っている。もし宣言が2週間遅れていたら、どうなっていただろう?

私の会社もそれまでは、はっきりした方針が打ち出されていなかったが、宣言後、リモートワークが全社員に正式に認められるようになった。ひやひやしながら電車通勤しなくてよくなった。撮影ができず、発行できなくなった雑誌もあったから、広告の掲載もお断りしなくてはならず、売上は減少した。世の中にはそれどころではない、損害を受けた方も大勢いらっしゃることと思う。それでも、小池都知事の自粛要請からの緊急事態宣言は、あの時できた最善の判断だったと思う。少なくとも医療崩壊を回避することができた。

コロナ時代に必要なリーダーの資質とは

政府の男たちは(というと性差別的だが)、もたもたしていた。いろんなしがらみもあるし、いい意味でいえば慎重ともいえる。ただ、そんな悠長な時間がないとき、決断を先延ばしすることが命取りになることもある。

男性が小池百合子を嫌うのはわかる気がする。
政治信条が違うとか、風見鶏で節操がないとか、英語混じりが鼻につくなどの理由はあるかもしれないが、出すぎる女、立ててくれない女は嫌いなのだ。
森喜朗、石原慎太郎はかなりわかりやすい。安倍総理も同様だ。

女性の中にも小池百合子嫌いの人はかなりいる。

この本を読んで小池百合子は友達のいない人なのだろうと思った。
テレビを前に演じたり、社交は得意でも、本当のコミュニケーションは苦手なのかもしれない。

この本に書いてあることが全て真実だとしても、
著者や証言者の悪意が見え隠れしている、と感じた。
小池百合子の仕事の功罪両方あったと思うが、全てが否定されているからだ。

小池百合子の強すぎる自己顕示欲、上昇志向、損得勘定、その場しのぎの嘘やごまかし、どれも嫌われて当然のことだ。しかし。そんな彼女を心底思って告発したという証言者も、人生の最後に誰かに認めて欲しかったのではないか、そもそも、自己承認欲求は誰にでもある、認めて欲しいと思うことはそんなに悪いことなのか。
赤いあざや、貧乏な実家にコンプレックスがあるのはいけないことなのか。みんな何かそういうものを抱えているのではないのか。
若い頃の傲慢さや、変わり身の早さ、そんなの誰だって多少はある。今はむしろ変わることができないほうが危険なのではないか。

今回の本の影響が選挙にどう響くのか気になるところである。
今日もカイロ大学が小池百合子の卒業が認められていると発表した。
金の力で黙らせている。という人もいる。

自粛要請、緊急事態宣言
小池は潮目を読んで適切な対応をしたと思う。

これからのアフターコロナ、WITHコロナの世界をどう生き残るか。指針を示して実行できるのか。

誰も経験したことのない、この大きな変革期には
今まで以上に、冷静かつ現実的な視点でリーダーを選びたい。

私たち自身が3つの目で分析し、決める必要がある。

カイロ大学の発表があった以上学歴詐称を立証するのは難しいだろう。

摩擦を恐れずに言わせていただくなら彼女の人生に嘘や裏切りがあったとしても、私はやっぱり小池百合子に投票するだろう。
友達を選ぶわけではない、アフターコロナを泳いでいける都知事を選ぶのだから。









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