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妄想対談「新日本プロレス vs 週刊少年ジャンプ妄想対抗戦③ザック・セイバーJr. vs 空条承太郎」

Y:おお! 夢のカード来ましたね! ぜひ見たいです。でもこれ、承太郎が「スタープラチナ」を使うのはOKなんですか? 

O:いや、難しいだろう。新日本プロレスの関係者やファンの中にスタンド使いがいないとは限らないし、いなければいないで別の問題が浮上する。レフェリーにも視聴者にもスタンドが見えないから、ザックが透明な敵に殴られてひとりで勝手にボコボコになるというシュールな前衛アートができあがってしまう。これではファンは何も面白くない。「カネ返せ」レベルだし、ザックもただの殴られ損だよ。

Y:確かにそうですね。昔、DDTのリングで男色ディーノが透明人間と試合しましたけど、それ以来の非常事態ですよね。でも承太郎は格闘技を学んだ形跡がないし、スタンドなしで闘うのは厳しくないですか? 

O:いや、そもそも承太郎自身がかなり強いから大丈夫だろう。ヌンチャクとナイフを所持し、しかも元ボクサーまで含めた四人組を素手でぶちのめして病院送りにした男だ。前田日明と同じく、ナチュラルに強いタイプだな。

Y:ああ、第三部の最初のエピソードですね。確かにそのケンカの際はスタンドを使わなかった、むしろ必死に止めたと本人は証言しています。

O:スタンド能力と作中のふるまいから推測すると、承太郎のファイトスタイルはいわゆる「ストライカー」だな。シンプルにひたすら殴る。対するザックは組みついて関節を極めるタイプだ。正反対で非常にわかりやすい。大相撲でいうなら千代大海と若乃花の取組だな。

Y:たとえの古さが気になりますけど、まあ言いたいことはわかります。ただ意外なことに、身長こそ195センチの承太郎の方が大きいですけど、体重は公式発表によるとザックは85キロで承太郎は82キロ。ザックの方が重いという衝撃の事実が発覚しました!!!

O:いつも自分より重い相手と試合をしているザックからしたら、これはかなり有利な状況だよな。あとはオラオラで殴りに来たところをキャッチして寝技に持ち込むか、そのまま腕の関節を極めてしまえばいいんだ。

Y:丸め込みも有効ですよね。たとえばセコンドに海の中でも脱がなかった帽子を奪わせ、動揺した隙を突いてスモール・パッケージとか。

O:いや、3カウントは駄目だ。ザックが勝つなら関節技でギブアップを奪うかレフェリーストップしかない。

Y:え、どうしてですか?

O:忘れたのか? 承太郎の「スタープラチナ」は時間を止めることができる。全盛期ではない第六部「ストーンオーシャン」の時点でも2秒間は止められるんだ。せっかくフォールしてもカウント2の段階でスタンドを使われたら、あっさり脱出されてしまう。尤もDIOと対峙したときの承太郎みたいに、ザックがスタープラチナと同じタイプのスタンド能力を備えていれば話は別だけどな。

Y:え、でもスタンドを使うのは禁止じゃなかったんですか?

O:それはあくまでも物理攻撃に関してだ。スタープラチナが時間を止めたとしても新日本プロレスの関係者には気づく術がない。そもそもスタンド自体が見えないわけだし、時が止まったこともはっきりと認識できない。

Y:でも承太郎は時を止める際に「スタープラチナ・ザ・ワールド!」って言うから、それで発覚するのでは?

O:あれはただ作品として見栄えをよくするために言っているだけだろ。第四部で初めて仗助と会ったときも無言で0.5秒だけ時間を止めたしな。

Y:そっかあ。あ、じゃあザックは承太郎にフォールされても駄目ですね。カウント2ではね返した瞬間にスタープラチナを使われたら、時が止まっている間に再び押さえ込まれ、時が再び動き出した後で何も気づいていないレフェリーに3カウント目を叩かれてしまいます。

O:ややこしいけど、まあそういうことだ。つまりザックは自分の両肩がマットにつかないように注意しながら関節技を極めるしかない。たとえば卍固めなんかは有効だな。

Y:そうですね。ザックは手足が細くて長いから、一度組みつかれたらなかなか外せませんよね。リングの中央でがっちり極められてしまったら、さすがの承太郎でもギブアップするしかない。YES、YES、YES!!!

O:いや、実はひとつだけ逃げ道がある。

Y:え、何ですか?

O:セコンドに虹村億泰をつけるんだ。そしてギブアップしそうになったら、彼のスタンド「ザ・ハンド」で空間を削り取ってもらう。そうすれば総合格闘技の「ドント・ムーブ」みたいにそのまま瞬間移動して、承太郎はロープにエスケープできるわけだ。

Y:いや、さすがにそれはスタンドが見えなくてもセコンドのタイチとかが「おかしい!」って気づいて抗議しますよ!!! 

O:やっぱりそうか。ザックは打撃への対処もうまい方だから、この試合はザックの勝ちかな? あ、でもひとつ条件がある。ザックは絶対に承太郎を怒らせないこと。怒らせたらDIOの二の舞だ。パンチ一発で全身をバラバラにされてしまう。

Y:でも新日本参戦後のザックはどの試合でも対戦相手を馬鹿にしてますよね。本隊のベビーフェースとして闘っていたノア時代ならともかく、今の彼が相手を挑発しないというのは考えにくいです。

O:そうとも限らないぞ。承太郎のひいおじいさんが自分と同じ英国紳士だということを知ったら敬意を抱いてクリーンに闘うかもしれない。ツイッターを見ているとザックの英国愛はかなりのものだからな。

Y:なるほど。つまり相手を挑発したらザックの負け、クリーンに闘えば承太郎のJUST TAP OUT!!! そういうことですね。



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