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エアコンの掃除は草むしりから。
エアコンの掃除は草むしりから
梅雨に入って、ジメジメする日が続いている。
暑いのか寒いのか微妙な気候には腹の底に鉛が沈んでいるような、ネバネバしたものが体にまとわりついているような、どんよりとした気分になりがちだ。
かといって、心機一転ハツラツに体を動かしてリフレッシュしようという機にもならず、そんなことを考えている内にソファーに張り付いて、ますます動けなくなってしまう。筆を取る手も軽くない。
そこで、日々どうしても避けては通れない掃除、洗濯、料理などの家事に徹することにする。張り付いた皮膚をミシミシと引き剥がして立ち上がる。
窓の向こうに、雑草にすっかり包囲されてしまった水栓がみえている。マッチョなオオバコやモジャモジャのリュウノヒゲに押しやられているその様は、なんとも肩身が狭そうで同情の念が湧いてくる。
なんとなく、自分の心持ちも軽やかになるかもという期待をもちつつ、水栓の居心地をよくしてやろうと、厚い雲が塞ぐ空の下へと向かった。
作業に取り憑かれて
はじめは素手でやってたものの、繊維が指にガンガン食い込んでくる。放置したのはこちらなので、ミミズ腫れを作られても文句を言う筋合いもないのだが、いちいち気にしてしまうのも少々腹立たしい。
軍手にスコップで装備を整えると、たちまちひれ伏す雑草たち。人間の技術を思い知れ!と言う感じでいい気になれば、先のジメジメした気分も次第に薄らいでいく。
抜いた雑草は、そばの田んぼにスローイン。抜いては投げ、抜いては投げ。次第に、水栓の蛇口が顔を見せはじめる。
こちらの罪悪感を気にすることもなく銀色に光り、蛇口をひねれば水を噴き上げるその姿はなんとも健気で情が湧く。
よしよし、お父さんが今きれいにしてやるぞ!というふうにやる気スイッチもON。サビも採り、小石も取り除き、汗をカキカキ、果ては付近のホースの整理まで。
ついでに庭の花に水を撒き、ついでに窓を磨いて、ついでにエアコンの掃除を、模様替えを……我に返ると5時間が過ぎていた。
ふしぶしの痛みが時間の経過を思い知らせてくる。明日は間違いなく筋肉痛だろう。
お掃除探検隊
それからというもの料理に読書、旅に加えて趣味に「掃除」が仲間入り。
使わなくなった学習机をリメイクして、ワークデスクにしたり。浴室の換気扇を解体して油をさしたり、こんな地味な作業の楽しさに気づいてしまったのである。
はじめてから気づいたのだが、「掃除」と「探検」は妙に似ている気がする。
掃除のために長年動かしてなかった家具を動かしたり、メンテナンスのために品を分解したりするとその都度小さな驚きがある。
その驚きは、こうしたら良いのでは?と次のアクションを巻き起こしていき、気づいたら数時間が経ってしまったと言うような具合だ。
古都の路地裏を散策しているときや、RPGのゲームでするアハ体験に近く、実に中毒性がある。文章を書いている今も、次はどこを掃除しようなんて考えてしまっているほどなのだ。
というわけで、梅雨のこの時期にはお家で探検するなんていかがだろう。
今日は風呂場の排水口アタックでもしようかな。
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