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【杜のラボ】オンラインで使える話の聴き方・進め方講座②
こんにちは。4月22日(金)16:24です。今回は昨日(4月21日)公開分の続きをお届けします。
昨日は①として
1)立案した経緯
2)「話す」ことよりも「聴く」こと
について書いてみました。リンクは以下となりますので、合わせてお読みくださいますと幸いです。
今回の予定は「目次」の通りです。どうぞ最後までおつき合いください。これらの資料を元に、ご質問や意見などをお寄せいただいたものへの対応を含めた「Twitterスペース」を、4月27日(水)20時から開く予定です。Twitterでのリマインダーは、別途設定の上でお知らせします。どうぞ遊びにいらしてください。お待ちしております。それでは、今回の内容を検討してまいりましょう。
3)「聴く」ポイント~相槌を打つ
今回は、「聴く」と「話す」について、数点についてポイントを絞ってお話しを進めます。ぼくとしては、既述のように、「まず」聴くこと、耳をそばだて、心を傾けて「聴く」ことが重要だと思っていますので、こちらを先に書こうと思います。心に留めておいてほしいのは、「聴く」ことは、思っている以上に「創造的」な行為であるということです。
参考になるだろうと思われるぼくの中での経験の蓄積は、①コールセンターでの実務経験と、②産業カウンセラー養成講座で学んだ「傾聴」技法です。この2つの共通していることを取り出すと、「発話を促す」ということになるでしょうか。そこで今回は、適切な相槌を積極的に多用する点について述べていきます。
相槌を打つことは、実は「私はあなたの話をキチンと聞いていますよ、あなたの話に関心があるんですよ」というメッセージなんです。
これは、特にclubhouseやTwitterスペースのように、参加者同士が顔を突き合わせていない時に効力を発揮します。そう、コールセンターでの応答がそうですよね。
相槌の具体的な「セリフ」は人それぞれでよいと思っています。ご自身がどんな相槌を打っているのか、少し意識されるとよいでしょう。その上で、時々言い換えるんです。「うん」「ええ」「はい」等を、適宜織り交ぜましょう。バリエーションが豊富であるのが好ましいです。
バリエーションは、「語彙」の点でもそうなんですが、例えば「抑揚」の付け方もポイントになります。
相槌を打つ「タイミング」や「狙い目」は、例えば文節の切れ目や、話題の切れ目、息継ぎをしている時などがよいでしょう。あまり発話中にかぶせてしまうと、話の妨げになりかねません。参加人数も勘案して、「積極的」な相槌を心がけてください。
そしてもう一つ。やや高等テクニックとなりますが、それを書いて「相槌」の項を終えたいと思います。それはいわゆる「オウム返し」です。これはつまり、聴き手であるあなたの理解度を、話者に伝える効果と意味合いがあります。細かく分けると、①言葉をそのまま返すのと、②ある程度内容をまとめるパターンとがあります。個々に見てみます。
①言葉をそのまま返す、復唱する
A:宮本輝さんは実父がモデルとされている『流転の海』シリーズを完結させました。それがこのほど、全9巻で文庫化されたんですよね。
B:『流転の海』シリーズ、ですね。
これだけなんですが、Aさんは、自分の話がBさんに「伝わった」という安心感と同時に、関心が持たれたと思えるようになります。より高等な手法としては、「共感」している気持ちを乗せて伝えるのも可能ですが、今回は割愛することにいたします。
②ある程度内容をまとめる
A:マックス・ウェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、キリスト教の新教、特にカルヴァン派の職業倫理が、資本主義の形成期にあっては一種の駆動力となっていたことを指摘しています。この研究は多大な影響を持っています。
B:ウェーバーはカルヴァン派の職業倫理が、資本主義の形成期にあっては重要な役割を果たしていたという重要な研究を遺したんですね。
これはやや高等なテクニックなのだと思います。「私はあなたの話を、このように理解したが、それでよろしいでしょうか」という意味合いが込められます。場合によっては、「ああ、そんな風に聴いてもらえていたんだ。もっと掘り下げて話してみようかな」という気持ちを誘発させる効果もあります。
いずれにせよ、相槌を打つということは、自分が話者と、その話している内容に関心がありますよ、きちんと聴いていますよというメッセージとなり、発話を促すこととなります。積極的に使ってみることをオススメします。ファシリテーターとして参加している場合には、「自分は話をしっかり聴いているというメッセージが伝わりますので、積極的に相槌を打ってみてくださいね」とひと言添えることが効果的かもしれませんね。
その他としては、
③効果的な質問をする
のも相槌の一種としてよいと思いますが、それはまた機会を改めてご説明したいと思っています。
4)「話す」ポイント~いい人を演じてみよう
ここからは、「話し方」にフォーカスをしていきたいと思います。いくつかの「心がけたい点」をご紹介いたします。
①「いい人」像を真似る、演じる
まず、基本となる「マインド」の部分ですが、いわゆる「いい人」を演じてみてはいかがですかと申し上げたいと思うのです。自分の思い描いている「いい人」像であって構いません。なぜならば、演じるというのは「偽る」ということではなくて、そうしている内に、実際にもその「いい人」像に近づいていくだろうと思っているからです。身の回りの実在のいい人を「真似る」こともいいかもしれません。これがまず一つです。
あと何点か、「技術的」とも言えることを述べておきたいと思います。
②声色に気をつける
録音を聴いてみるなどして、ご自身の声と話し方の特性を把握しておくとよいでしょう。よく言われることとして、特にオンラインにおいては、明るめの声色にするために、気持ち高めのトーン(声色)にするとよいと思います。
また、口の奥の喉元付近を広げるように話すこともよいでしょう。さらに、「パリっ」と話してみようとするのもいいと思います。
③抑揚・メリハリをつけて話す
話の内容のメリハリとは別に、話し方そのものに抑揚やメリハリをつけることが効果的です。特に、大事だ・伝えたいと思っている部分については、
・重要な単語や文節をゆっくり発声する、
・重要な単語や文節の前に、一瞬の間を置く、
等がよいでしょう。そうすることで、重要な部分・伝えたい部分が強調されて、「わかりやすさ」を生みます。
5)もっと学びたい方へ
ここまでで、既に2500文字を超えてしまいました。お読みいただきまして、本当にありがとうございます。この項で終えますので、もう少々おつき合いくださいますようお願いします。
①カウンセリングにおける「傾聴」ということ
実のところ、今回書き加えられなかったことが、何点もありました。例えば、カウンセリング講習で学んだ「傾聴」の基本について。これはカール・ロジャーズの学派の技法になりますが、
・受容
・共感
・自己一致(態度と発言内容の一致、と考えていただいて結構です)
という三つの側面について「表現する」ことが重要です。しかしこれらについては、力量と準備が足りずに書くことができませんでした。加えてあと3つ、知っておくと効果的と思われるキーワードを紹介して、2回に分けた全体を締めくくることとします。
②アンガー・マネジメント
話をするにせよ聴くにせよ、対人関係では「感情」の問題がついて回ります。このアンガー・マネジメントとは、怒りの感情のコントロールを差しますが、これは「怒らない」ことを否定したり目指したりするものではありません。「怒り」も含めてと言えると思いますが、負の感情が起きていることをまず認め、それに振り回されたり、飲み込まれたりしないようにするためのノウハウであるとお考えください。
1つだけ挙げるとすると、負の感情が表出しそうな時に「6秒」待つということが推奨されています。試してみてはいかがでしょうか。
③アサーション
アサーションとは、自分の感情を否定せず、素直かつ上手に表現することであり、また、相手に自分の感情を押しつけて、支配することがないようにするのがよいという考え方だと言えます。注目すべきは、「アサーション権」と言って、
・自分らしくあることと、
・それを表現すること
とは、自然で本来的に有している「権利」だとする考え方があることでしょう。ここにも充実した対話に向けてのヒントがあると考えます。日本では、平木典子さんの著作が有名です。参照なさってください。
④オープン・ダイアローグ
オープン・ダイアローグは、初め統合失調症の臨床の一方法として実践されていた心理療法です。複数の参加者の中で行われる、安全が確保された環境の中での「言いっ放し」の対話が、治療を促進するというものです。これについては、斎藤環さんや森川すいめいさんの著作が参考になるでしょう。
6)結び
①と②の2回に分けて、オンラインで行われる対話実践の場で活かせる事柄について述べてきました。この記述を元として、4月27日(水)を第1回として、「聴き方」と「話し方」についての語らいの場を設ける予定です。至らぬ点ばかりだと思いますが、不明に思った点や、説明が不足している点等についてのご指摘は、Twitterアカウント @Showji_S まで、DMないしリプライにてお寄せください。27日ではなくとも、何らかの形で補っていけるようでありたいと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、本稿は有償設定をしております。「本文」相当部分については全てお読みいただけるようになっていますが、ご支援をいただける場合については、購入のお手続きをしていただけますと幸いです。どうぞご検討ください。
2回にわたっておつき合いくださいましたこと、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。それではまた!
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