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読者の未来をめくる日々 vol.8

9月8日は新刊のゲラや表紙周りのデザインチェック。
そしてプロデュースしている著者さんとの打ち合わせ。

読者の未来をめくるエネルギーがある本とは。
この日も意識的にその問いに向き合う1日でした。


妥協できない

ブックダムの1作目『踏み出す一歩』の製作が佳境に。
今回の編集作業は編集者と私の二人三脚。(原稿チェックにはブックダムメンバーの目もダブル、トリプルで行き届かせています)
しかしながら、何度目を行き届かせても赤字が発生する・・・

原稿執筆や校正作業は、じきにAIにとって替わられると言われています。
すでにAIを編集作業に日常的に活用している出版社もあると聞いていますし、AIが書いた本もチラホラ出ています。
人間だからこそ生み出せる創造性がより問われてくるでしょうし、出版人としても出版社としても、それが何たるかを明確に言語化できなければ未来がないと思っています。

いわば、妥協せず人間の手で追求する目的と基準と対象をどこに置くか、ですね。

情熱の強いほうへ

企画を何度もブラッシュアップして、出版社さんに提案をして、何度かそのプロセスを繰り返している著者さんがいらっしゃいます。

出版をする上で、ひとつの指標として販売部数があります。ゴールではありませんが、当然部数が多ければ多いほど、著者さんの得られるベネフィット(利益・便益)も多くを見込めます。だからこそ、今回もベストセラーを狙いたいですねという共通認識があり、その方向性で企画を練り直していました。

ところが先日、出版社さんとの打ち合わせを終えてから数日後、「企画について気づいたことがあったので話せませんか?」と相談があり、今日そのご相談を伺いました。

伝えていただいたのは、
「私がいま本当に伝えたいことに改めて気づけた気がする。今の企画の方向性はベストセラーを狙うという前提に立った企画だけれど、本当に書きたいことではないかもしれません。自分の言葉で、熱量高い言葉が溢れてくるのは●●●に関してのテーマだと感じています」
という、率直なありのままの心境でした。

本を作るうえで大切な要素はたくさんありますが、著者さんの情熱や思いは、特に特に(あえて2回)大切です。だからこそ著者さんのお気持ちを汲み取り、もう1度企画をブラッシュアップすることに決断しました。

作り手側の熱量は読者に間違いなく伝わる。バレる。怖いくらいに。
だからこそ、プラスのエネルギーはまずわたしたちから生みだす。このことを都度立ちどまり、再確認しながら歩んでいます。