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#02 ブックダムの出版プロデュースとは?

いつもありがとうございます!
ブックダム菊池です。

前回の記事では、出版プロデュースにおいて私たちが大切にしている考え方をお伝えしましたが、ここからは具体的に「何をしているのか?」に焦点を当ててまいります。

言い換えると、「著者様に対して実務部分でどのようなサービスを提供しているのか?」を端的にわかりやすくお伝えしてまいります。
今回は、いちばんはじめに踏む工程であり、出版における命運を左右すると言っても過言でもない出版企画についてがテーマです。

これまでにない5W1Hを

いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、だれが(WHO)、なにを(WHAT)、なぜ(WHY)、どのように(HOW)。
みなさんもこれまで1度は耳にされたことがあるであろう、5W1H。

ブックダムは出版企画をつくるにあたり、この5W1Hに要素を当てはめていくような考え方で企画を組み立てていきます。ただし誤解のないように申し上げると、テンプレートに流し込むようなものでなく、あくまで結果的に当てはめることができるという意味です。

その中でも、特に重要視するのは「なぜ」「どのように」の部分です。

本も人生も同じ。なぜ、どのように生きるのか。


まず、「なぜ」その本の持つ「存在意義」を指します。
これが不明瞭で曖昧であると、「つくる・届ける」それぞれの過程で、本が行き場をなくし彷徨ってしまいます。

著者様にとって出版する目的を果たすためには、1人でも多くの読者に本を手に取っていただくことが必要条件です。読む動機が生まれる本を生み出すために、本そのものの存在意義(理由)が明確であることが求められます。これは出版企画でいう企画意図といえます。

つぎの「どのように」は、本としての表現手法を指します。
既視感がある。わかりにくい。求めている情報や感情が得られにくそう。読者にそう感じられた瞬間に、手に取っていただく可能性は落ちてしまいます。ゆえに、その本特有の切り口や表現手法を、企画段階でハッキリさせておく必要があります。

コンセプトは?章構成は?各章ごとの項目は?
タイトルは?テキスト主体?マンガ主体?
表紙デザインは?帯コピーは?レイアウトは?スペックはどうする?
細部までこだわったらキリがありませんが、どこまでこだわれるかで企画そのものに強い色が帯びると考えています。

俗に言うベストセラーをつくるための代表的要素としてよく用いられる

  • 普遍性 (本質的なものか)

  • 再現性 (読者が再現できるものか)

  • 新規性 (これまでになかったものか)

  • 独自性 (その本にしかないものか)

などを実際にアウトプットできるか否かは、「どのように」にかかっているところが大きいのです。

本はコンテンツ。より濃い原液を抽出せよ。

本の形態として主に紙と電子がありますが、ともにコンテンツがあってこその話です。コンテンツとは、いわば情報として中身の部分です。

出版企画において、「だれが」は著者、「何を」は著者が有するメッセージ、哲学、体系的な理論、ノウハウ、具体的実例などを指します。

上記をコンテンツに昇華させる前に、どれだけ原液の部分を濃く抽出できるかが鍵となります。
そのために、著者様と私たちの二者間で、企画を練り上げるまでに従来3~4回×約2時間の取材を重ねます。著者様に対する理解を深め、何が強みで何が特別たらしめるかを分析し、何よりその本に対する想いと目的を双方共有する大切なプロセスです。

ブックダムが客観的な立ち位置からそれを行うことで、コンテンツの原液に対する確信が生まれてきます。このプロセスが「なぜ=存在意義」をより強いものにし、「どのように=表現手法」に関するより良い着想にも結び付いてくるのです。

「今」だからこそ 世に放つ

どれほど良いと思える企画でも、読者に求められる本になるのか否かは別問題です。現実的に確度の高い根拠をもって企画を組み立てていく必要があります。

したがって、数字やデータなどを用いて客観的・論理的に、その本を取り巻く時代背景や潜在市場を、企画の中に明示していきます。
「いつ」
企画背景にあたり、その企画背景があってこそ前述した企画意図(=なぜ)も成立するという意味で、すべてはリンクしています。

本が並ぶ書店は時代を映す鏡とも言われています。書店に足を運ぶと、現在どのような事象やテーマに世間の興味・関心が集まっているか肌感覚でつかむことができます。時代やその時代を生きる人々の心を映し出した本が、おのずと多く生み出されるからなのでしょう。

企画背景をできる限り深く拡い視点で可視化することで、今だからこそその企画が求められる理由を明示できます。これは企画に対する曇りを取っていく作業と捉えています。

届け方まで描いてこそ「本が売れる仕組み」


もちろん売れる・売れないだけが本の価値ではなく、この議論をどの文脈で行うかで論点は変わりますし、絶対的な正しい答えは出ないでしょう。

ここではあくまでブックダムの出版プロデュースという文脈です。そのうえで、前回お伝えしたプロデュースをするにあたっての大切な考え方にあるように、著者様にとってのビジョン実現が必須であることを忘れてはなりません。

その点に基づくと、やはり1人でも多くの読者に手に取って(購入して)いただく必要がありますし、そこに至るまでの「届け方」までを企画段階から描く必要があります。
これがわたしたちの解釈する「どこで」を指します。

本を読者に届けるプロセスは「販売促進」「プロモーション」という言葉を真っ先にイメージしますが、それらは「本が売れる仕組み」の一環であり、実際は企画段階から勝負が始まっています。

さらに、人的・金銭的なリソースは有限です。ゆえに、戦術から入るのではなく、目的に基づいた精度の高い戦略を、著者様・出版社様・ブックダムの3者で協議しながら、設計していきます。

本を認知して興味を持っていただくチャネルは想像以上に多い時代ですから、一度机の上に選択肢を出し切ることも大切です。目的と有限のリソースを踏まえた戦略をつくり、因数分解するように戦術を決めていくことで、その本固有の「売れる仕組み」が見えてきます。

いまやコンテンツの形も、紙と電子のメリット・デメリットを考慮に入れながら最適な選択をしていくことが必須です。オフライン・オンラインを含めて、コンテンツをいかに有効活用していくかを追求する世界になっていく意味では、今後が非常に楽しみです。

読者の未来をめくるために

わたしたちの出版プロデュースはビジョン達成のための手段のひとつと考えています。

ブックダムのビジョン:読者の未来をめくる会社

その手段において最も大切な要素こそ出版企画です。
「本の卵」である企画に対して、ブックダムだからこそ加えられる価値があると信じていますし、そう胸を張れる実績を示し続けられるよう、今日も動いています。

本日お伝えした出版企画における考え方に対して、わたしたちは自信を持っている一方で、それは決して完璧なものではありませんし、現在の指針に過ぎません。時代や出版そのものの在り方も変化していきます。

常に「より良い」を追求していく以上、進化を続けてまいります。その進化をシェアしたく、今後また同じテーマでお届けする機会があるかもしれませんので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。

次回は出版プロデュースにおいて担う役割のひとつ。「出版社との連携」についてお伝えいたしますね。
お読みいただきありがとうございました!本日も素敵な1日を。


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