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【本100】『星になったチロ』

著者:藤井旭 出版社:ポプラ社

みなさんは、自分の人生に影響を与えた本がありますか?私は何冊かあって、その1冊がこの『星になったチロ』です。この本は1985年の読書感想文の課題本になっていたので、もう40年近く前のことになりますが、読んだことがある人もいるかと思います。

チロは、著者藤井さんの愛犬で、白河天体観測所の天文台長です。藤井さんは天体写真家であり、天文関係の本を多く執筆している方です。星好きな私も小さい頃は、藤井さんの本をたくさん読んでいました。

チロは、藤井さんをはじめ白河天体観測所の仲間や天文ファンとともに多くの活動をしていきます。「星空への招待」という星まつりイベントの開催、隕石捜査団による隕石の発見、チロ望遠鏡の製作などなど。チロの周りには常に仲間がいて、笑顔がたえませんでした。

この本を読んだとき、星とチロを中心に多くの人たちが集い、つながり、温かな場ができていく光景に強い憧れと感動を覚えました。まさに、偉い天文学者から近所の子どもまで、みんなが「チロ」と「星」のもとに平等につながっていくのです。しかし、そこには、チロの温かさだけでなく、藤井さんのお人柄もあったことでしょう。

その藤井さんが2022年12月28日にお亡くなりになったと先日知りました。多くの天文ファンは藤井さんの本を読み大きくなったと思います。ご冥福をお祈りするとともに、100冊目の本を『星になったチロ』にしようと思います。

今頃、藤井さんは、40年ぶりにチロに再会し、天の川をゆっくりと散歩していることでしょう。


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