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ハーベイ賞2024ノミネート作品が発表されました!

アイズナー賞と並ぶアメリカの漫画賞ハーベイ賞(Harvey Awards)2024のノミネート作品が発表されました。

今年から子ども向けとヤングアダルト向けのカテゴリが分かれて、全7つのカテゴリでノミネート作品が選ばれており、10月に開催されるニューヨーク・コミコンで受賞作品が発表されます。

ではノミネート作品をみていきましょう!
YouTubeライブでも詳しくご紹介していますのでこちらもどうぞご覧ください!(画像からリンクしています)


Book of the Year

  • Monica(『モニカ』) by Daniel Clowes(ダニエル・クロウズ) (Fantagraphics)
    アメリカで発売されるや否やすぐさま日本語訳も刊行されたダニエル・クロウズ約7年ぶりの新作。『ゴーストワールド』以来の女性主人公モニカ。彼女の出生の秘密、彼女を置いて失踪した母親。ロマンスから超自然的なものまで多彩なテーマを入れ込み、9つの短編マンガの連作という形式で綴られるモニカの人生。
    フランスのアングレーム国際漫画祭2024で最優秀作品賞(FAUVE D’OR PRIX DU MEILLEUR ALBUM)受賞。

  • Roaming, by Jillian Tamaki(ジリアン・タマキ) and Mariko Tamaki(マリコ・タマキ) (Drawn & Quarterly)
    2009年3月。高校時代の親友ダニエルとゾーイは、大学1年の春休みにニューヨークで再会することに。ダニエルの大学のクラスメイト、フィオナも一緒にさまざまな観光スポットをめぐる3人。お互いの大学生活、家族や将来のこと、セクシャリティについて対話を重ねるうち、長年の友情がゆらぎ始め——。大都市ニューヨークを舞台に繰り広げられる、繊細でみずみずしいクィア・ロマンス。
    アイズナー賞2024でBEST GRAPHIC ALBUM—NEW、BEST WRITER、BEST PENCILLER /INKER OR PENCILLER/INKER TEAMと3冠に輝いた作品。
    日本語版も2024年9月にトゥーヴァージンズさんから刊行。

  • A Guest in the House, by EM Carroll (Macmillan Publishers)
    新たなスタートを求めて幼い娘と町にやってきたアビーは、最近妻を亡くしたばかりの歯科医に出会い、恋に落ちる。再婚したアビーは良き妻、良き母になれるよう最善を尽くすが、前妻の死に不審を募らせる。前妻は本当に自然死だったか? カラーリングがとても幻想的で印象的。
    アイズナー賞2024ノミネート

  • My Favorite Thing is Monsters Vol. 2 by Emil Ferris (Fantagraphics)
    2017年のイグナッツ賞優秀グラフィックノベル部門、2018年アイズナー賞2冠、フランスの2019年のACBD批評グランプリ、アングレーム国際漫画祭の最優秀作品賞と数多くの賞を受賞した『My Favorite Thing is Monsters』の続編にして完結編。1960年代後半のシカゴの激動の政治的背景を背景にB級映画のホラーとパルプモンスター雑誌のオマージュに満ちた、10歳のカレン・レイエスの架空の日記。

  • Shubeik Lubeik by Deena Mohamed (Penguin Random House)
    原書はشبيك لبيك(エジプト、El-Mahrousa(مركز المحروسة للنشر والخدمات الصحفية والمعلومات))
    エジプト出身のDeena Mohamedさんのアラビア語の作品。
    Shubeik Lubeikは、アラビア語で「あなたの願いは私の命令です」という意味のおとぎ話の韻。カイロの気取らないキオスクで販売されている3つの願いが、アジザ、ヌール、ショクリを結びつけ、彼らの視点と人生を変える。アジザは夫を亡くし、官僚主義や不平等と戦う。ヌールは恵まれた大学生だが密かにうつ病に苦しんでいる。ショクリは友人を救うために宗教的信念と戦う。しゃべるロバやドラゴン、魔法のように混雑を避ける車などが登場するが、3人は抱えている願いを実現するという現実的な課題に立ち向かっている。
    アイズナー賞2024ノミネート

  • Watership Down Graphic Novel by James Sturm and Joe Sutphin, based on the novel by RIchard Adams (Penguin Random House)
    50年以上にわたって世界中の人に愛されたリチャード・アダムスの児童文学『ウォーターシップダウンのうさぎたち』のコミカライズ。
    アイズナー賞2024BEST ADAPTATION FROM ANOTHER MEDIUM受賞。

  • Tender by Beth Hetland (Fantagraphics)
    友人や彼女、妻、母として自分の役割を完璧にこなし、すべてを制御したいと願うキャロラインの欲望は、制御できると思っていた自分の肉体に裏切られることで破滅に向かう。ひどい喪失を感じたキャロラインは、すべてを飲み込む妄想に陥り、自らの肉を食べた結果、妊娠する。伝統的な役割としてセクシャリティやエンパワーメントの自己犠牲を社会的に期待される女性を、恐ろしい比喩を用いて描き出す心理スリラー。

  • Lunar New Year Love Story by Gene Luen Yang and LeUyen Pham (Macmillan Publishers)
    アメリカン・ボーン・チャイニーズのジーン・ルエン・ヤンが原作を、ルーエン・ファムが作画を手掛けた、運命、家族、恋愛を描いた心温まるロマンティック・コメディ。何世代にもわたって恋愛運のない家庭に育ったヴァル。恋愛を諦めかけていた彼女は、偶然、二人の獅子舞の舞手に出会う。これは本当の愛なのか、家族の呪いを解くチャンスなのか、それとも彼女は永遠に失恋を抱えたまま生きる運命なのか?

  • Love Everlasting by Tom King and Elsa Charretier (Image)
    ジョーンは終わりなき、恐ろしいサイクルである「ロマンス」ー結婚すべき男性という解決すべき問題ーに囚われている。恋に落ちるたびに引き裂かれ、新たな涙の物語に突入する。自由と啓示にむけたブラッディな旅。
    アイズナー賞2023ノミネート。

  • Where the Body Was, by Ed Brubaker and Sean Philips (Image)
    『PULP』『RECKLESS』『CRIMINAL』のエド・ブルベイカー&ショーン・フィリップス新作。麻薬常習者だらけの下宿。無視された主婦。自分をスーパーヒーローだと思っている少女。一人になりたがる警官。家出少女を探している私立探偵…郊外で起きる殺人事件を12の異なる視点から語る。真実を語っているのは誰なのか?犯罪ポッドキャストと長い間失われていた日記を組み合わせたような、愛と暴力の物語。

  • Radiant Black Vol. 5 by Kyle Higgins, Joe Clark, Eduardo Ferigato, and Marcelo Costa (Image)
    マーベルウルトラマンシリーズのカイル・ヒギンスによる新世代のスーパーヒーローコミック。30歳になったばかりのネイサンは仕事に失敗して借金を抱え、実家に帰ろうかと思っていた。そんなとき神秘的な存在RADIANTに出会い力を与えられたことで運命が一変する。Radiant Blackシリーズ5巻。
    アイズナー賞2022ノミネート。

Digital Book of the Year

  • Lore Olympus by Rachel Smythe (Webtoon)
    何も言う必要もなさそうな絶大な人気を誇るギリシャ神話ラブロマンス・ウェブトゥーン、レイチェル・スマイスの『ロア・オリンポス』。ハーベイ賞は2021年から、アイズナー賞は2022年からそれぞれ3年連続受賞の快挙。ただし2024年で完結してしまったので、この作品に次ぐ作品が現れるかが今後の楽しみともいえます。

  • Unordinary by uru-chan (Webtoon)
    スーパーパワーを持った生徒たちが通う学校で、平凡で目立たないように生きてきた普通のティーンエイジャー、ジョン。しかし彼には誰にも言えない秘密があり…。

  • Encore by Miles Burks (Webtoon)
    中学で仲たがいした幼馴染が高校の最終学年で再会するハイスクール・ロマンス。

  • Heir’s Game by suspu (Webtoon)
    ベルーナ公爵領の新しい後継者が成人すると、後継者の護衛を決めるための残酷な決闘である「後継者のゲーム」が開催される。新しい後継者であるテウデンが、謎めいた過去を持つ寡黙な決闘者イスランと出会ったとき、彼らの愛がすべてを変える。

  • Jamie by LD Lapinski (Yellow Jacket)
    ジェイミー・ランボーは、2人の親友デイジーとアッシュと一緒に過ごすことが何よりも好きな、幸せな11歳のノンバイナリーの子供。しかし3人が7年生で男子校と女子校に分かれることを知ったとき、彼らの友情は突然危険にさらされる。

  • A Witch’s Guide to Burning by Aminder Dhaliwal (Drawn & Quarterly)
    魔女が人々のためになすべきことに終わりはない。町の存続は魔女の魔法に依存しているとき、魔女はやけどを負って魔法の力と記憶を失い、普通の人間と変わりなくなってしまう。『燃え尽き症候群への魔女ガイド』は、セルフケアが切実に必要とされている社会における燃え尽き症候群についての、風変わりでユーモラスな寓話。
    アイズナー賞2024ノミネート。

  • Rose Wolves by Natalie Warner (Penguin Random House)
    ある日、小さな少女は森の中で珍しい花を摘んだ。一夜にして花が咲き、魔法の生き物に変身した。腕と足が1本ない、バラ色のオオカミに。少女は新しい友達と、自分たちの居場所を見つける旅に出る。カナダの漫画家ナタリー・ワーナーは、言葉を一切使わずに、障害、友情、変化についての美しく優しい寓話を生み出した。

  • Of Swamp and Sea by Mia Jay Boulton & Laurel Boulton (Webtoon)
    父親をモンスターに殺された少女は、片目の男に討伐を依頼する。しかしモンスター狩りは失敗し、思いも寄らない危険な世界に足を踏み入れることになった二人の関係は、単なる仕事以上のものとなっていく…。

  • Boyfriends by Refrainbow (Webtoon)
    彼氏が欲しい4人の男子大学生(いいとこの坊ちゃん、ゴス、オタク、スポーツマン)がポリアモリーな関係を始めていくスライス・オブ・ライフもの。めちゃ可愛い。インドネシアの漫画家。

  • Friday by Ed Brubaker and Marcos Martin (Panel Syndicate)
    クリスマス休暇に実家に戻った大学生フライデーに降りかかる不穏な出来事…。
    アイズナー賞20212024のBEST DIGITAL COMICを2度受賞。

Best Children's Book

  • Lightfall: The Dark Times by Tim Probert (HarperAlley)
    惑星イルパの奥地で薬屋をしている魔法使いとその養子の孫娘ビー。ある日、ビーは森の中で絶滅したと言われる古代の種族ガルドリア人のキャドと出会う。ビーとキャドの冒険物語『Lightfall』シリーズの第3巻。
    この作品もアメリカ、フランスで評価されている作品です。

  • Lunar Boy by Jes & Cin Wibowo (HarperAlley)
    月の少年インドゥは、養母と宇宙船から降りて地球で新しい家族と暮らし始めてから、孤独感を深めていた。学校では変人扱いされて、密かに片思いをしている文通相手も彼を好きじゃないかもしれない。地球の家族も彼の扱いに困っていて、養母は忙しすぎて話をする時間もない。インドゥは月に帰りたいと願い、月は彼の願いを聞き入れるが、約束の日が近づくにつれて思いも寄らない友情に気づき、家とは単なる出身地とは異なることを知る。インドネシアの作家の作品。

  • Dungeons & Dragons Club: Time to Party by Molly Ostertag and Xanthe Bouma (HarperAlley)
    オリビアは放課後のダンジョン&ドラゴンのクラブでダンジョンマスターをつとめるのが好きな女の子。しかし、新しいメンバーが入ってきたことで少しうまくいかなくなり、大学生の姉からは現実を見ろと言われる。人気の『Dungeons & Dragons Club』シリーズの第2巻。

  • Ant Story by Jay Hosler (HarperAlley)
    昆虫をメインとする生物学者であるジェイ・ホスラーによるアリのマンガ。地球上で最も小さな生き物であるアリの目を通して、私たちが自分自身と周囲の世界をどのように理解しているのかを探る。アリの世界の、思いがけない友情、壮大な冒険、命がけの脱出劇。世界で最も小さく、最も強い昆虫のひとつであるアリの謎と驚異を解き明かす。

  • Mexikid by Pedro Martin (Penguin Random House)
    ペドロは彼のAbuelito(スペイン語でおじいちゃん)の話を聞いて育った。彼のおじいちゃんはメキシコ革命に参加した伝説的な人物。おじいちゃんが家族と一緒に暮らすことになったが、家はすでに8人の兄弟で大混雑。それほど喜んでいたわけではなかったが、おじいちゃんを家に連れて帰るためにメキシコへと向かうロードトリップで大切な体験をする。
    アイズナー賞2024BEST PUBLICATION FOR KIDS受賞。

  • Dog Man and the Scarlett Shredder by Dav Pilkey (Scholastic)
    日本語訳も3巻まで出ているデイブ・ピルキー『ドッグマン』シリーズの第12巻。犬の頭と人間の体を持つ警察官ドッグマンの活躍を描くシリーズ。スカンクにスプレーをかけられたドッグマン。トマトジュースまみれになることで匂いは消えたが、真っ赤になってしまった。元気いっぱいのスーパーヒーローは市民を救うために奮闘しないといけない!

  • Saving Sunshine by Saadia Faruqi and Shazleen Khan (First Second)
    ザラとジーシャンはムスリムの双子の兄弟。しかし学校では名前をからかわれたり、ヒジャブをかぶったりしないといけない。兄弟喧嘩の絶えないふたりだったが、病気のカメを見つけて…。
    アイズナー賞2024ノミネート。

  • Timid by Jonathon Todd (Scholastic)
    セシル・ホールはフロリダからボストン近郊のマサチューセッツに引っ越してきたばかり。姉のリアは、セシルが新しい学校の他の黒人の子どもと友達になるべきだと思っているが、セシルは学校に馴染めずにいた。マンガを描くのが好きなセシルは、マンガの才能でクラスに馴染みたいと考えるが。半自伝的な中学生向けの作品。

  • Amulet Vol. 9 by Kazu Kibuishi (Graphix)
    日系アメリカ人のカズ・キブイシによるニューヨークタイムズベストセラーのファンタジーシリーズ『Amulet』の第9巻。
    父親の悲劇的な死後、母親とともに亡き曾祖父の家に引っ越したエミリーとナビンは、その奇妙な家が危険だと気づく。地下室のドアから邪悪な生き物がやってきて、ふたりは地下世界へと旅立ち恐ろしいモンスターと対峙することになる。

Best Young Adult Book

  • Bunt! Striking Out on Financial Aid by Ngozi Ukazu & Mad Rupert (First Second)
    大学1年生のモリー・バウアーの奨学金が全部消えてしまった。モリーとほかの9人の芸術家の学生がソフトボールで1試合勝てば、巨額のスポーツ奨学金がもらえるという。果たしてモリーは寄せ集めの芸術家たちとソフトボールの試合に勝てるのか。原作は、大人気ホッケーマンガ『Check, Please!』のンゴジ・ウカズ。

  • Sunhead by Alex Assan (HarperAlley)
    ロテムは世界的に本や映画が大ヒットした『サンライズ』シリーズの「サンヘッド」と呼ばれるファン。物語のなかのエドマンドに夢中だが、誰もわかってくれない。しかしシャイなクラスメイトで熱心な読書家のアヤラと友だちになってすべてが変わる。アヤラもロテムと同じようにロマンスに夢中。真摯な成長物語。

  • Brownstone by Samuel Teer and Mar Julia (Versify)
    アルムデナは白人の母親が旅行に出かけている夏の間、グアテマラ人の父親ザビエルの元に預けられた。父は古いブラウンストーンの家に住み、修繕を手伝ってほしいと頼まれる。父親は、アルムデナが話せないスペイン語を早口でしゃべる。彼女が新しい生活に慣れようとするなか、ラテンアメリカ人地区の住民と知り合うようになる。家族との関係、自己アイデンティティに迫る、10代の若者の成長物語。

  • The Fox Maidens by Robin Ha (HarperAlley)
    16世紀の韓国を舞台に、「狐娘」の伝承をクィアでフェミニスト的に再解釈した物語。国王の将軍をしている父の跡を継ぐため戦士になることを夢見る少女カイ・ソン。武術の訓練を重ねるが、女性は受け入れられず、何年も前に父が殺した悪名高い九尾の狐の孫娘であるという噂まで流れている。果たしてカイの正体とは。彼女は自分の運命を自らの手で切り開いていけるのか。

  • Homebody by Theo Parish (HarperAlley)
    ひとりのノンバイナリーとして居場所を見つけるまでの回想録。マンガと日記を組み合わせて、ジェンダー二元論に悩んだ高校時代、最終的に「ノンバイナリー」という言葉を見つけるまでのささやかな日常の瞬間を描く。

  • Ghost Roast by Shawneé Gibbs, Shawnelle Gibbs, and Emily Cannon (Versify)
    チェルシー グラントの父親は、超常現象を祓い除くプロ。チェルシーの悩みはゴースト・ガールと呼ばれること。だが彼女は本当に幽霊が見えるのだ。友好的な幽霊オリバーに出会ったとき、彼女の運命が動き始める。

  • Deep Dark by Molly Ostertag (Graphix)
    高校卒業を間近に控えたマグダレナ・ヘレラは、病気の祖母の世話、アルバイト、恋人がいる女の子との密かなキスと、さまざまな悩みを抱えていた。彼女には秘密があり、そのせいで毎晩地下室に引きずり込まれ、血を流していた。その秘密が漏れれば、誰かを傷つけ、死に至らしめてしまうかもしれない。そんなとき幼馴染のネッサが町に戻ってきて…。
    個人的にちょっと気になっていた『The Girl from the Sea』のモリー・オスタータグさんの新作。

  • Infinity Particle by Wendy Xu (Quill Tree)
    クレメンタイン・チャンは地球から火星に移住し、人工知能のパイオニアであるマルセラ・リン博士の元で夢であった仕事をすることになった。仕事の初日、クレムはリン博士のアシスタントであるカイという名のヒューマノイドAIに出会う。しかしリン博士はカイに自由を与えない。カイを助けたいと思うクレムが取った行動は?
    Mooncakes』の作画を担当したウェンディー・シューの新作。
    Mooncakes』については以下の記事に詳しく紹介されています。

  • Roaming, by Jillian Tamaki(ジリアン・タマキ) and Mariko Tamaki(マリコ・タマキ) (Drawn & Quarterly)
    Book of the Yearにもノミネートされていた、マリコ・タマキ&ジリアン・タマキの『Roaming ローミング』がYoung Adult Bookにもノミネートされています。

  • Clementine Book 2 by Tille Walden (Image)
    スピン』『アー・ユー・リスニング』のティリー・ウォルデンが、『ウォーキング・デッド』のTellTale版ゲームの主人公クレメンタインのゲーム後日譚を描くコミカライズ第2巻。

  • Prez: Setting a Dangerous President by Mark Russell and Ben Caldwell (DC Comics)
    2046年、企業が選挙に立候補するため大統領の年齢制限は撤廃され、選挙はソーシャルメディアで行われる時代。アメリカンドッグの事故で話題になった10代のベス・ロスが新たなアメリカの大統領の選ばれた。世界中の目がベスに注がれるなか、悪政に慣れ切った国を立ち直らせることはできるのか。
    1970年代に登場し短命に終わった「Prez」シリーズを現代によみがえらせた作品。

Best Manga

  • The Summer Hikaru Died by Mokumokuren, translated by Ajani Oloye (Yen Press)
    モクモクレン『光が死んだ夏』(KADOKAWA)

  • Witch Hat Atelier by Kamome Shirahama, translated by Stephen Kohler (Kodansha)
    白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ』(講談社)

  • Delicious in Dungeon by Ryoko Kui, translated by Taylor Engel (Yen Press)
    九井諒子『ダンジョン飯』(KADOKAWA)

  • Frieren: Beyond Journey’s End by Kanehito Yamada and Tsukasa Abe, (VIZ)
    山田鐘人、アベツカサ『葬送のフリーレン』(小学館)

  • Soichi: Junji Ito Story Collection by Junji Ito (VIZ)
    伊藤潤二『伊藤潤二傑作集(3)双一の勝手な呪い』(朝日新聞出版社)

  • H.P. Lovecraft’s The Shadow Over Innsmouth by Gou Tanabe, translated by Zack Davisson (Dark Horse)
    田辺剛『インスマスの影』(KADOKAWA)

  • Berserk Deluxe Edition Vol 14 by Kentaro Miura, translated by Duane Johnson (Dark Horse)
    三浦健太郎『ベルセルク』14巻(白泉社)

  • Second Hand Love by Yamada Murasaki, translated by Ryan Holmberg (Drawn & Quarterly)
    やまだ紫『ゆらりうす色』(小学館)

  • My Picture Diary by Fujiwara Maki, translated by Ryan Holmberg (Drawn & Quarterly)
    藤原マキ『私の絵日記』(筑摩書房)
    アイズナー賞2024のBEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIAL—ASIA受賞。

  • Okinawa by Susumu Higa, translated by Jocelyne Allen (Fantagraphics)
    比嘉慂『砂の剣』『マブイ

Best International Book

  • The Great Beyond by Léa Murawiec, translated by Aleshia Jensen (Drawn & Quarterly)
    原書はLe Grand Vide(フランス、2024)
    名前を忘れられると死んでしまう世界。無職、恋人なし、友人少ないマネル・ナヘルは、同姓同名のポップスターが現れて、存在の危機に立たされる。SNSでの炎上やデジタルタトゥなど現代のネット社会を風刺する快作。

  • Blacksad Vol. 7 by Juan Diaz Canales and Juanjo Guarnido, translated by Diana Schutz and Brandon Kander (Europe Comics)
    原書は『Blacksad Tome 7, Alors, tout tombe. Seconde partie』(フランス、Dargaud)
    日本語版ブラックサッドそして、すべて堕ちる[後編](大西愛子訳、ユーロマンガ)も刊行済み。50年代のアメリカを舞台にした黒猫探偵ブラックサッドの大人気ノワールシリーズ最新作。
    アイズナー賞2024のBEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIAL受賞。

  • Shubeik Lubeik by Deena Mohamed (Pantheon)
    原書はشبيك لبيك(エジプト、El-Mahrousa(مركز المحروسة للنشر والخدمات الصحفية والمعلومات))
    Book of the Yearにもノミネート。

  • Ashes by Álvaro Ortiz, translated by Eva Ibarzabal (Top Shelf Productions)
    原書はCenizas(スペイン、Astiberri)。
    長年会っていなかった古い友人ポリー、モホ、ピーターの3人が地図に示された謎の十字架をめざして旅に出るロードトリップ。彼らを待ち受けるのは、カーチェイス、アルコール、道端のモーテル、バンジョーを演奏する凶悪犯、船の墓地……。
    アイズナー賞2024ノミネート。ハーベイ賞2023ノミネート。

  • A Boy Named Rose by Gaëlle Geniller, translated by Fabrice Sapolsky (Fairsquare Graphics)
    原書はLe Jardin, Paris(フランス、Delcourt)
    1920年代のパリ。母親が経営するキャバレー「ル・ジャルダン」で生まれた時から一緒に育った他の女の子と一緒に踊りたいと思っていた少年ローズ。やがて彼は青年として開花し、ある男性と恋に落ちるが、同性間の恋愛を好ましく思わない社会の中で居場所を探そうとする。
    アイズナー賞2024ノミネート。

  • Transitions by Élodie Durand, translated by Evan McGorray (Top Shelf Productions)
    原書は『Transitions - Journal d'Anne Marbot』(フランス、Delcourt)
    生物学者のアン・マーボットは、自分が娘として育てた19歳の子どもがトランスジェンダー男性であることを知って、湧き上がる疑問に圧倒される。新しいジェンダーアイデンティティと古い偏見に満ちた思い込みに折り合いをつけようと奮闘する家族の物語。徹底的な調査と経験に基づいており、トランスジェンダー問題を乗り越えようとする支援者や家族にとって必読のガイド。

  • Layers by Pénélope Bagieu, translated by Montana Kane (First Second)
    原書は『Les Strates』(フランス、Gallimard Bd)
    ジョゼフィーヌ!』『エロイーズ』『キュロテ』『キュロテ・ドゥ』と4冊の邦訳がるペネロープ・バジューの自伝。特有のウィットとゆるぎない正直さで、幼少期と10代を振り返る。友情、愛、悲しみ、大人へのぎこちない第一歩を描いた15の短編マンガ集。

  • Inside the Mind of Sherlock Holmes by Cyril Lieron and Benoit Dahan (Titan)
    原書はDans la Tete de Sherlock Holmes(フランス、ANKAMA)。独特なコマ割りでシャーロック・ホームズの思考内を視覚化しようとしたビジュアル的にも面白い作品です。
    アイズナー賞2024ノミネート。

Best Adaptation from Comic Book/Graphic Novel

  • Justice League: Crisis on Infinite Earths by Warner Bros. Animation & DC Studios, based on Crisis on Infinite Earths (DC Comics)
    ヴィレッジブックスから邦訳も出ていた『クライシス・オン・インフィニット・アース』のアニメ版。

  • Deadpool & Wolverine directed by Shawn Levy, based on Wolverine and Deadpool (Marvel)
    現在(2024年8月時点)公開中の映画『デッドプール&ウルヴァリン

  • Multiverses by Warner Bros Games, based on Warner Bros properties (Warner Bros)
    DCコミックス、アドベンチャータイムやワーナー・ブラザーズの映画などのキャラクターが一堂に会したゲーム『Multiverses』。

  • Demon Slayer –Kimetsu no Yaiba- The Hinokami Chronicles by SEGA, based on Demon Slayer –Kimetsu no Yaiba- (VIZ Media)
    『鬼滅の刃』を原作とするゲーム『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』。

  • X-Men ‘97 by Marvel Animation & Disney+, based on X-Men (Marvel)
    マーベルアニメ『X-Men ’97

  • Invincible by Amazon Prime Video, based on Invincible (Image)
    アマゾンプライムアニメ『インビンシブル

  • The Marvels by Marvel Studios, based on Marvel Comics (Marvel)
    マーベル映画『マーベルズ

  • Loki by Marvel Studios, based on Loki (Marvel)
    マーベルドラマ『ロキ

  • Attack on Titan: The Musical, directed by Gou Ueki, based on Attack on Titan (Kodansha)
    『進撃の巨人』の2.5次元ミュージカル。どうやら2023年1月に東京・大阪で公演されたものが2024年10月にアメリカで国外初公演され、2024年12月と2025年1月に東京と大阪で凱旋公演として再演されるようです。

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さて今年のハーベイ賞ノミネート作品はいかがでしたでしょうか?
カテゴリ数も増えましたし、各カテゴリのノミネート作品も増えて、かなり盛りだくさんな内容でしたね。
子ども向け、ヤングアダルト向けは本当に良作がたくさん出ているという印象です。
あと日本語でもマイア・コベイブの『ジェンダー・クィア』が刊行されましたが、ノンバイナリーをテーマにした作品が注目されているようにも思いました。
また10月に受賞作品が発表されたら記事にしたいと思います。

参考資料:過去の受賞作品

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