ハーベイ賞2023が発表されました!
2023年10月13日(現地時間)、アイズナー賞と並ぶアメリカの漫画賞「ハーベイ賞」2023がニューヨーク・コミコンで発表されました。
6つのカテゴリーでそれぞれ最優秀作品が選ばれました。
ノミネート作品については以下の記事をご覧ください。
では受賞作を見ていきましょう!
Book of the Year
Ducks: Two Years in the Oil Sands by Kate Beaton (Drawn and Quarterly)
アイズナー賞2023Best Graphic Memoir、Best Writer/Artist受賞。学生ローンを返済するためにカナダ・アルバータ州のオイルラッシュに便乗して西に向かう。オイルランドでの厳しい生活を描く。
なんとアイズナー賞2023と2冠ですね!!
しかも12月にはインターブックス社から邦訳の刊行も予定されています!
邦訳を読むのが楽しみです。
Digital Book of the Year
Lore Olympus (『ロア・オリンポス』)by Rachel Smythe(レイチェル・スマイス)
アイズナー賞2023、アイズナー賞2022Best Webcomic受賞。ハーベイ賞2022、ハーベイ賞2021Digital Book of the Year受賞。アメリカで不動の人気を誇るギリシャ神話ラブロマンスウェブトゥーン。
アメリカでは絶大なる人気を誇る他の追随を許さない不動のウェブトゥーン『ロア・オリンポス』。
アイズナー賞2023のBest Webcomicと2冠ですね。
英語版の単行本(UK版)も順調に刊行されていて現在5巻、来年には6巻が発売されるそうです。
Best Children’s or Young Adult Book
Hungry Ghost by Victoria Ying (First Second)
真面目で物静かな女の子ヴァレリー・チューは痩せている。過食と嘔吐を繰り返していることを親友のジョーダンでさえ知らない。有害な母親との関係、摂食障害、美しくも胸が張り裂けるようなグラフィック・ノベル。
今回のハーベイ賞2023ノミネート作品の中でも最も気になっていた作品です!
摂食障害というテーマも興味深いですね。
こういうグラフィック・ノベルが邦訳されてほしいなといつも思います。
Best Manga
Chainsaw Man by Tatsuki Fujimoto, translated by Amanda Haley (VIZ Media)
藤本タツキ『チェンソーマン』
ハーベイ賞2022、ハーベイ賞2021Best Manga受賞。
藤本タツキはアメリカで大人気ですね。
『チェンソーマン』はアニメも配信されたのでその影響もあるのでしょうか。
ハーベイ賞では3年連続受賞になりました。
Best International Book
Blacksad: They All Fall Down Part 1 by Juan Díaz Canales and Juanjo Guarnido, translated by Diana Schutz and Brandon Kander (Dark Horse Books)
原書は『Blacksad - Tome 6 - Alors, tout tombe』(フランス、Dargaud)。
アイズナー賞2023Best U.S. Edition of International Material受賞。
『ブラックサッド そして、すべて堕ちる[前編]』(大西愛子訳、ユーロマンガ)。
日本でも人気の高いブラックサッドシリーズの第6作にして最新刊。
1950年代の冷戦時代のアメリカを舞台に黒猫の私立探偵ブラックサッドを待ち受ける事件。
アイズナー賞と2冠ですね!!
アメリカでのブラックサッド人気をうかがえるし、きっとみんな待ちわびていたんですよね!!
ちなみに今回の「そして、すべて堕ちる」は前後編ですが、後編のフランス語版は11月3日発売予定です。日本語版はいつになるかな、楽しみです!!
(アイズナー賞のときと同じコメントしか出てきません…)
Best Adaptation from Comic Book/Graphic Novel
Spider-Man: Across the Spider-Verse『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』, directed by Joaquim Dos Santos, Kemp Powers, and Justin K. Thompson, based on Spider-Man (Marvel Comics)
『スパイダーマン:スパイダーバース』に続くアニメ第2弾。ピーター・パーカー亡き後スパイダーマンを継いだマイケル・モラレス。グウェンと再会した彼は様々なスパイダーマンたちが集うマルチバースの中心にたどり着く。
私もアニメ映画を観にいって本当に面白い作品でした!
さまざまなコミック表現を入れ込んだり、目まぐるしく展開するアクションシーンも素晴らしく、近年のアニメ作品としては抜群のクオリティです。
今月にはBlu-rayも発売されましたね!
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さて受賞作品はいかがでしたでしょうか?
正直、Book of the Year、Digital Book of the Year、Best International Bookと半分の部門でアイズナー賞との2冠。
それだけこれらの作品がアメリカで高く評価されているというべきなのか……目新しさがなかったのはちょっぴり残念ですね。
Best Children’s or Young Adult Bookを受賞した『Hungry Ghost』はいずれかのタイミングで読んでみたいと思います!
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