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アイズナー賞2024ノミネート作品が発表されました

漫画界のアカデミー賞と言われるアイズナー賞2024のノミネート作品が発表されました。2023年1月1日から12月31日に発表された作品を対象に、32カテゴリーにわたってさまざまな作品、クリエイターが選ばれています。受賞者・作品は2024年7月26日の夜(現地時間)、サンディエゴ・コミコンで発表されます。

(ちなみにアイズナー賞のサイトがリニューアルされたらしく、日本語を含め7言語に対応するようになりました。ただ日本のマンガのタイトルはオリジナルと異なってるしAI翻訳っぽいので注意が必要です。参考程度にはありがたいですね…)

Youtubeライブでもノミネート作品について前後編の2回にわたって詳しくお話しています。
よかったらこちらもご覧ください!

以下では作品を中心にノミネート作品を見ていきます。筆者の備忘録代わりなのでスーパーヒーローものは弱いです。ご了承ください。


BEST SHORT STORY

  • “Friendship Is Forever,” by Sam Maggs and Keisha Okafor, in My Little Pony 40th Celebration (IDW)
    『マイ・リトル・ポニー』は1983年におもちゃのシリーズとしてスタートして40周年だそうです。その40周年記念号の1作。

  • “The Kelpie,” by Becky Cloonan, in Four Gathered on Christmas Eve (Dark Horse)
    クリスマスイブの伝統的な怪談を4人(Eric Powell, Mike Mignola, Becky Cloonan and James Harren)の漫画家が描くアンソロジーの1作。

  • “The Lady of the Lake,” by Joe S. Farrar and Guilherme Grandizolli, in BUMP: A Horror Anthology #3 (BUMP)

  • “Talking to a Hill,” by Larry Hancock and Michael Cherkas, in Comics for Ukraine (Zoop)
    収益はウクライナからの難民支援に使用されるアンソロジーの1作。ちなみに表紙カバーはアレックス・ロス、ビル・シンケビッチ、デイブ・ジョンソン、アーサー・アダムスの4バージョンがあり、それぞれサイン本も販売されています。

  • “World’s Finest, Part 1,” by Tom King and Belen Ortega, in Wonder Woman #3 (DC)

BEST SINGLE ISSUE/ONE-SHOT

BEST CONTINUING SERIES

  • Birds of Prey, by Kelly Thompson and Leonardo Basto Romero (DC)

  • Nightwing, by Tom Taylor and Bruno Redondo (DC Comics)
    『ナイトウィング』強いですね。アイズナー賞2023BEST CONTINUING SERIESも受賞しています。

  • Shazam! by Mark Waid and Dan Mora (DC)

  • Transformers, by Daniel Warren Johnson (Image Skybound)

  • Wonder Woman, by Tom King and Daniel Sampere (DC)

『トランスフォーマー』はIMAGEですが、ほかは全部DCですね。DC強いですね。

BEST LIMITED SERIES

  • The Cull, by Kelly Thompson and Mattia De Iulis (Image)
    学校卒業後それぞれ別の道を進むことになる5人が最後の思い出に海沿いの町の夏の真夜中、自宅近くの立ち入り禁止の岩の上で短編映画を撮影する。しかし5人のなかで嘘をついている人がいて…。

  • Godzilla: Here There Be Dragons, by Frank Tieri and Inaki Miranda (IDW)
    16世紀、大航海時代のゴジラもの。地図にも載っていない島にいた怪獣はゴジラだった…!

  • Kill Your Darlings, by Ethan S. Parker, Griffin Sheridan, and Robert Quinn (Image)
    空想好きなローズは自分が想像した魔法の国でごっこ遊びをするのが大好きだった。その世界はローズにとってはリアル。しかし…。ナルニア国物語とヘレディタリーが合体したような恐ろしいダークファンタジー。

  • PeePee PooPoo, by Caroline Cash (Silver Sprocket)
    60年代の古典的なアンダーグラウンドコミックを題材にした作品。陽気な『アートスクールコンフィデンシャル』(ダニエル・クロウズ作。テリー・ツワイゴフ監督によって映画化もされた)らしいです。2022年のイグナッツ・アワード優秀ミニコミック賞受賞。

  • Superman: Lost, by Christopher Priest and Carlo Pagulayan (DC)

BEST NEW SERIES

  • Beneath the Trees Where Nobody Sees, by Patrick Horvath (IDW)
    フレンドリーな動物仲間に囲まれ、暖かく居心地の良い小さな町。そんな町の平和を守るために、善良で愛らしいヒグマのサマンサは連続殺人犯となる…?! 表紙をパッと見ると子ども向け部門の作品が紛れ込んだのかなと思いきや、よく見るとなかなかに血なまぐさい動物マンガ。

  • Black Cloak, by Kelly Thompson and Meredith McClaren (Image)
    世界がカオスに陥る前に存在した最後の都市キロスで皆に愛された王子が殺された。その殺人事件を捜査するふたりのブラック・クローク(黒マント)エセックスとパックス。SF、ファンタジー、探偵ものの完全な融合!

  • Local Man, by Tim Seeley and Tony Fleecs (Image)
    かつてメディアでセンセーションを巻き起こしたスーパーチームTHIRD GENのスター、ジャック・クセイバーはあらゆるものを手に入れていた。しかしある論争がもとで田舎の実家に帰省し、溶け込もうと奮闘する。スーパーヒーロー・アクションと犯罪ノワールの魅力があふれる作品。

  • Phantom Road, by Jeff Lemire and Gabriel Hernández Walta (Image)
    長距離トラックの運転手ドムは、悲劇的な過去を忘れようとしていた。ある夜、大きな自動車事故に遭ったバーディを助けたドムは、残骸からとあるものを手に入れる…。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ミーツ『サンドマン』のダークファンタジー。

  • Somna: A Bedtime Story, by Becky Cloonan and Tula Lotay (DSTLRY)
    1600年代のイギリスの静かな村、主人公のイングリットは魔女狩りに執念を燃やすローランドと結婚していた。村の名手が殺害され、犯人探しに躍起になっているとき、イングリットは謎の幽霊を見かけて自分がその人物に惹かれていることに気づく。超自然とエロスの混合。

BEST PUBLICATION FOR EARLY READERS

  • Bigfoot and Nessie: The Art of Getting Noticed, by Chelsea M. Campbell and Laura Knetzger (Penguin Workshop/Penguin Random House)
    誰にも写真に撮られず家族に失望されたビッグフットと、どこにいっても注目されるネッシー。ありそうでなかったUMA(未確認生物)ふたりが出会う陽気で心温まるグラフィックノベル。

  • Burt the Beetle Lives Here! by Ashley Spires (Kids Can Press)
    『Burt the Beetle』シリーズの第2巻。カブトムシとその生息場所について楽しく学べる。

  • Go-Go Guys, by Rowboat Watkins (Chronicle Books)
    ゴーゴーガイたちがビービーベッドから月まで行き、ビービービーと再び戻ってくる様子を描くアドベンチャー。

  • The Light Inside, by Dan Misdea (Penguin Workshop/Penguin Random House)
    臆病なジャック・オ・ランタンが風に飛んで行ってしまったお気に入りのオモチャを探して暗闇の中に飛び出す。言葉のない絵本コミック。

  • Milk and Mocha: Our Little Happiness, by Melani Sie (Andrews McMeel)
    正反対の性格を持つクマのミルクとモカ。ウェブコミックの単行本化。

  • Tacos Today: El Toro & Friends, by Raúl the Third (HarperCollins/Versify)
    メキシコ流プロレス、ルチャリブレのレスラー、ルチャドールたちがランチのために街に繰り出したがタコスを買うお金がない!さてどうする?スペイン語のフレーズもたくさん登場。

BEST PUBLICATION FOR KIDS

  • Buzzing, by Samuel Sattin and Rye Hickman (Little, Brown Ink)
    強迫性障害 (OCD) を抱える孤独な12歳の少年アイザック。母親が勧める治療法は効果がなかったが、友達が放課後に誘ってくれたロールプレイングゲームによって頭の中の騒音が静まり世界が少し明るく感じられるようになる。しかしアイザックのセラピストはゲームは悪影響を与える可能性があると言って…。
    シナリオのサミュエル・サッティンさんは、グリヒルさんと一緒に手塚治虫のユニコのコミカライズUnico Awakeningや、カートゥーン・サルーンのアニメショーンWolfWalkers: The Graphic Novel』『Song of the Sea: The Graphic Novelのコミカライズも手掛けている漫画家。

  • Mabuhay!, by Zachary Sterling (Scholastic Graphix)
    フィリピンからやってきた兄弟JJとアルテアは学校で居場所を見つけるのに苦労している。しかも両親が営むフードトラックの手伝いで、踊るブタの格好をして試食を配らないといけない。フィリピンの食、民間伝承、家族を題材とした心温まるグラフィックノベル。

  • Mexikid: A Graphic Memoir, by Pedro Martín (Dial Books for Young Readers/Penguin Young Readers)
    ペドロは彼のAbuelito(スペイン語でおじいちゃん)の話を聞いて育った。彼のおじいちゃんはメキシコ革命に参加した伝説的な人物。おじいちゃんが家族と一緒に暮らすことになったが、家はすでに8人の兄弟で大混雑。それほど喜んでいたわけではなかったが、おじいちゃんを家に連れて帰るためにメキシコへと向かうロードトリップで大切な体験をする。

  • Missing You, by Phellip Willian and Melissa Garabeli. translation by Fabio Ramos (Oni Press)
    原書はSaudade(スペイン、Dibbuks)
    母親を亡くしたトーマスとララは道端でケガをした鹿を見つける。鹿を家に連れて帰ったふたりは「ライオン」と名前をつけてすぐに親友になり、「ライオン」の存在は彼らの悲しみを和らげてくれる。しかし「ライオン」が家の向こうの森を恋しがり…。ブラジル在住のアーティストコンビによる作品。

  • Saving Sunshine, by Saadia Faruqi and Shazleen Khan (First Second/Macmillan)
    ザラとジーシャンはムスリムの双子の兄弟。しかし学校では名前をからかわれたり、ヒジャブをかぶったりしないといけない。兄弟喧嘩の絶えないふたりだったが、病気のカメを見つけて…。

BEST PUBLICATION FOR TEENS

  • Blackward, by Lawrence Lindell (Drawn & Quarterly)
    黒人でクィアで本好きの4人の親友は、自分たちの居場所としてクラブに入り、自分自身でいられるスペースを作る。それぞれに不安を抱える彼らはBlackward Zine Festに間に合うように事態を好転させられるか。

  • Danger and Other Unknown Risks, by Ryan North and Erica Henderson (Penguin Workshop/Penguin Random House)
    2000年1月1日の真夜中、世界は終わった。科学技術のためではなく、魔法が原因で。数年が経ち、世界は一変する。魔法が支配する世界で人々はある意味幸せを享受していたが、新しい世界は不安定で、主人公のマルグリットとその相棒で犬のデイジーは何かをしなければ世界は混乱に陥ってしまう。ティリー・ウォルデン"Easily my favorite book of the year.”

  • Frontera, by Julio Anta and Jacoby Salcedo (HarperAlley)
    マテオのメキシコから米国まで砂漠横断の旅。しかし真夜中にこっそり柵を越えた直後に国境警備隊に捕まってしまう。ギレルモという名の幽霊の助けを借りてマテオは無事に故郷まで戻れるのか。

  • Lights, by Brenna Thummler (Oni Press)
    マージョリー・グラットは、洗濯機の中に隠れていた孤独な幽霊ウェンデルに出会う。幽霊マニアのイライザが加わり、3人は友達になる。ウェンデルは自分がどのようになぜ死んだのかを知りたいと思うようになり…。Sheets』『Delicatesに続くシリーズ三部作の完結編。

  • Monstrous: A Transracial Adoption Story, by Sarah Myer (First Second/Macmillan)
    韓国で生まれ白人夫婦の養子となったサラは、アジア系がほとんどいない田舎の町で育った。近所の人からは陰口を叩かれ、同級生からはいじめられる。そんな彼女は絵を描くこととコスプレが逃避手段になっていた。人種差別的ないじめを克服するためにファンダムとアート制作を利用する韓国系アメリカ人の少女を描く劇画回想録。ジーン・ルエン・ヤン"A beautiful, courageous book.”

  • My Girlfriend’s Child, vol. 1, by Mamoru Aoi, translation by Hana Allen (Seven Seas)
    蒼井まもるあの子の子ども(講談社)
    女子高生の福(さち)には、幼馴染の恋人がいた。体に異変を感じて妊娠検査薬で調べると陽性を示していて…。高校生の妊娠を描く少女マンガ。日本では2024年6月からカンテレ・フジテレビ系で実写ドラマも放送。

BEST HUMOR PUBLICATION

  • How to Love: A Guide to Feelings & Relationships for Everyone, by Alex Norris (Candlewick/Walker Books)
    クィアでノンバイナリーの人気ウェブコミックアーティストによる10代の若者向けの恋愛ガイド。「Agony Aunt(未婚のおばちゃん:人生相談室)」形式で、あらゆる性別やセクシャリティを含む恋愛に関するさまざまな質問に答えるフルカラーコミック。

  • I Was a Teenage Michael Jackson Impersonator, and Other Musical Meanderings, by Keith Knight (Keith Knight Press)
    『10代のマイケル・ジャクソンのモノマネ芸人』は、成長物語であり、80年代へのオマージュであり、ホラーストーリー。カセット・テープ、口パク、肩パッド、コカイン(??)の陰惨な物語。

  • It’s Jeff: The Jeff-Verse #1, by Kelly Thompson and Gurihiru (Marvel)
    グリヒルさんの作画も可愛い、Marvel Unlimitedの人気コンテンツ、陸ザメのジェフの単行本第2巻。

  • Macanudo: Optimism Is for the Brave, by Liniers (Fantagraphics)
    アルゼンチンの人気漫画家リニエルスによる新聞マンガ『マカヌード』の英語版第2巻。『マカヌード』自体の日本語訳はないですが、登場キャラクターの女の子エンリケタとネコのフェリーニの絵本コミックエンリケタ、絵本をつくる(宇野和美訳、ほるぷ出版)は刊行されています。可愛いよ。

  • The Yakuza’s Bias, by Teki Yatsuda. translation by Max Greenway (Kodansha)
    八田てきヤクザの推しごと(一迅社)
    やくざの若頭がK-POPアイドルに一目ぼれして推し活を始める話。一迅社のマンガを講談社が英語版にして出してるって不思議だなって思ったら、一迅社は講談社の子会社化されてたんですね…。

BEST ANTHOLOGY

  • Comics for Ukraine, edited by Scott Dunbier (Zoop)
    BEST SHORT STORYでもノミネートされていた収益はウクライナからの難民支援に使用されるアンソロジー。

  • Deep Cuts, by Kyle Higgins, Joe Clark, Danilo Beyruth, and others (Image)
    ジャズの歴史を通して苦闘、喜び、そして希望の物語を紡ぐアンソロジー。作者のカイル・ヒギンズはマーベルのザ・ライズ・オブ・ウルトラマンシリーズのアーティストですね。

  • The Devil’s Cut, edited by Will Dennis (DSTLRY)
    熟成の過程で蒸発するウイスキーは「天使の分け前」と呼ばれる。しかし、最も強力な精霊は森の中に捕らえられている、それがデビル​​ズカットだ…。最も恐れを知らぬクリエイターたちのフィルタリングなしのストーリーが読めるアンソロジー。
    このDSTLRYという出版社、面白そうですね。BEST NEW SERIESでノミネートされた『Somna: A Bedtime Story』(by Becky Cloonan and Tula Lotay)を刊行しているところですね。

  • Marvel Age #1000, edited by Tom Brevoort (Marvel)

  • The Out Side: Trans & Nonbinary Comics, edited by The Kao, Min Christensen, and David Daneman (Andrews McMeel)
    29人のトランスジェンダーおよびノンバイナリーの漫画家によるアンソロジー。

  • Swan Songs by W. Maxwell Prince and others (Image)
    世界の終わり。結婚の終わり。エデンの終わり。文の終わり。アンヘドニアの終焉。 …歩道の端まで! 物事の終わりを描くアンソロジー。

BEST REALITY-BASED WORK

  • Are You Willing to Die for the Cause? by Chris Oliveros (Drawn & Quarterly)
    カナダの歴史でも物議をかもした、フランス系カナダ人によるケベックの独立運動を主張する左翼テロリスト集団、ケベック解放戦線(FLQ)をテーマにした作品。1963年、モントリオールの裕福な地域で数十個の郵便ポストが手作り爆弾で爆破された事件を発端に、1970年までに死傷者が出るテロリスト活動をおこなった。ケベック出身の作家クリス・オリヴェロスがその歴史を描き一般的な誤解を払拭しようとする試み。

  • Last on His Feet: Jack Johnson and the Battle of the Century, by Adrian Matejka and Youssef Daoudi (Liveright)
    1910年7月4日の朝、数千人のボクシングファンが壮大な対決を目撃するためにネバダ州リノに新設されたスタジアムに押し寄せた。世界初の黒人ヘビー級チャンピオンであり、その人種ゆえに世界で最も悪名高いアスリートであるジャック・ジョンソンが、元ヘビー級チャンピオンで当時「偉大な白人の希望」と謳われたジム・ジェフリーズとの対戦。かつて奴隷だった両親の元で独学で育ったジョンソンが、人種差別的な司法制度に立ち向かいながら、いかにしてスポーツ界の頂点に達したかをフラッシュバックで明らかにする。 『Last on His Feet』は、息を呑むようなイラストと印象的な詩の組み合わせを通じて、1 世紀以上にわたり正当な権利を拒否されてきた物議を醸す公民権運動家に敬意を表します。

  • Messenger: The Legend of Muhammad Ali, by Marc Bernardin and Ron Salas (First Second/Macmillan)
    「蝶のように舞い、蜂のように刺す」という名言で有名な、20世紀で最も尊敬され、物議を醸した人物の1人であるボクサー、モハメド・アリの伝記。

  • Thing: Inside the Struggle for Animal Personhood, by Samuel Machado and Cynthia Sousa Machado with Steven M. Wise (Island Press)
    動物に「人権」はあるのか。ブロンクス動物園に約50年にわたって暮らす象のハッピー。象は複雑な感情や知性、社会性を持っているが人権が持っていない。弁護士スティーブン・M・ワイズが率い、動物行動学・認知学の科学者たちの支援を受けた動物権利団体ノンヒューマン・ライツ・プロジェクト(NhRP)は、ハッピーのような非人間動物のために訴訟を起こしてきた。動物の権利について法律、社会の歴史、科学的な視点からイラストによるストーリーテリングを組み合わせて提示する。

  • Three Rocks: The Story of Ernie Bushmiller: The Man Who Created Nancy, by Bill Griffith (Abrams ComicArts)
    日本語では6代目の著者オリヴィア・ジェイムスのナンシー いいね!が欲しくてたまらない私たちの日々が翻訳されているが、ナンシーの生みの親であるアーニー・ブッシュミラーの生涯と『ナンシー』の誕生を通じてマンガの歴史を紹介。
    Bill GriffithはBEST WRITER/ARTIST、BEST LETTERINGにもノミネート。

BEST GRAPHIC MEMOIR

  • Family Style: Memories of an American from Vietnam, by Thien Pham (First Second/Macmillan)
    ベトナム移民ティエンの少年がアメリカに定住するまでの自伝。特に、最初の記憶である西瓜の甘味と魚の塩味、ベトナムから逃亡する際に海を漂流中に食べた食べ物の味、タイの難民キャンプで食べたイチゴやポテトチップス、アメリカにやってきてから食べたステーキ、クロワッサンといった、食にまつわる記憶を中心にたどる。ジーン・ルエン・ヤンアメリカン・ボーン・チャイニーズ、ティー・ブイ私たちにできたことのファンにオススメ。

  • A First Time for Everything, by Dan Santat (First Second/Macmillan)
    優等生で親にも先生にもいい顔をしていたが、クラスでいじめられたり揶揄われたりする中学時代。期待していなかったヨーロッパへの修学旅行での体験が彼の人生を変えた。

  • In Limbo, by Deb JJ Lee (First Second/Macmillan)
    韓国系アメリカ人の成長を描くグラフィック・メモワール。韓国から渡米したデボラ(ジョンジン)は、不得意な英語、名前を発音できない教師に疎外感を感じる。高校に入ると友情は破綻し、母親との喧嘩がエスカレートして精神的に追い詰められ自殺未遂を図るが、アートに救済を求める。
    ハーベイ賞2023Best Children’s or Young Adult Bookノミネート。

  • Memento Mori, by Tiitu Takalo, translation by Maria Schroderus (Oni Press)
    原書はMemento Mori(フィンランド、WSOY)。
    38歳で突然予期せぬ脳出血に見舞われ、生還したものの回復までの長い道のりと、その後の人生、芸術、幸福の探求について描く哲学的で感動的な回想録。

  • Sunshine: How One Camp Taught Me About Life, Death, and Hope, by Jarrett J. Krosoczka (Scholastic Graphix)
    母は麻薬中毒、父は失踪し祖父母に育てられたジャレットを描くHey, Kiddo: A Graphic Novelの続編。高校生のジャレットは重病の子どもとその家族のためのキャンプ「サンシャイン」にカウンセラーとして参加したときの回想録。

  • The Talk, by Darrin Bell (Henry Holt)
    ダリン・ベルは6歳のとき、母親から安全のためにリアルな水鉄砲は持てないと言われた。なぜなら警察は黒人を実際より年上に、悪意を持っているとみなす傾向があるから。ロサンゼルスで成人したベルは、身の危険を感じた周囲の白人の視線や、アフリカ系アメリカ人の事件の顛末などを紐解きながら、自身の6歳の息子に「トーク」する準備ができているかどうかを判断しないといけなかった。

BEST GRAPHIC ALBUM—NEW

  • Ashes, by Álvaro Ortiz, translation by Eva Ibarzabal (Top Shelf/IDW)
    原書はCenizas(スペイン、Astiberri)。
    長年会っていなかった古い友人ポリー、モホ、ピーターの3人が地図に示された謎の十字架をめざして旅に出るロードトリップ。彼らを待ち受けるのは、カーチェイス、アルコール、道端のモーテル、バンジョーを演奏する凶悪犯、船の墓地……。
    BEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIALにもノミネート。ハーベイ賞2023Best International Bookノミネート。

  • Eden II, by K. Wroten (Fantagraphics)
    滅びゆく地球と、しびれるほど役に立たない仕事に直面した主人公のエリスとオーティス・ヘック博士は、没入型の仮想現実ゲーム、エデン II を発明する。しかし、ヘック博士がエリスを裏切り、謎の企業にゲームを売却すると、ファンタジーと現実の境界線が曖昧になり始める。各章でアンサンブルの新しいキャラクターが登場し、世界がファンタジーに染まるにつれ、ゲームの影響力は増大する。

  • A Guest in the House, by Emily Carroll (First Second/Macmillan)
    新たなスタートを求めて幼い娘と町にやってきたアビーは、最近妻を亡くしたばかりの歯科医に出会い、恋に落ちる。再婚したアビーは良き妻、良き母になれるよう最善を尽くすが、前妻の死に不審を募らせる。前妻は本当に自然死だったか? カラーリングがとても幻想的で印象的。
    Emili CarrollはBEST WRITER/ARTIST、BEST LETTERINGにもノミネート。

  • Parasocial, by Alex De Campi and Erica Henderson (Image)
    パンデミックの真っ只中、落ち目のテレビ俳優は熱狂的なファンと出会う。彼女から自宅に誘われたが、彼は朝まで生き残るために人生最高のパフォーマンスを披露しなければならない。サイコセクシャル・スリラー。

  • Roaming, by Mariko Tamaki and Jillian Tamaki (Drawn & Quarterly)
    2009年の春休み、5日間のニューヨーク旅行に出かけた友人3人。予期せぬ恋愛感情が芽生えて、長年の友情のバランスが崩れてしまう。GIRL』『THIS ONE SUMMERに続くマリコ・タマキ&ジリアン・タマキのコンビ3作目。
    マリコ・タマキはBEST WRITER、ジリアン・タマキはBEST PENCILLER /INKER OR PENCILLER/INKER TEAMにもノミネートされています。

BEST GRAPHIC ALBUM—REPRINT

  • Doctor Strange: Fall Sunrise Treasury Edition, by Tradd Moore (Marvel)

  • The Good Asian, by Pornsak Pichetshote and Alexandre Tefenkgi (Image)
    1930年代、中国人排斥令下のアメリカで成人し、自己嫌悪に取り憑かれている中国系アメリカ人の刑事を主人公とするチャイニーズ・ノワール。ボーナスコンテンツも収録された完全版。
    アイズナー賞2022Best Limited Seriesを受賞。

  • Hip Hop Family Tree: The Omnibus, by Ed Piskor (Fantagraphics)
    2024年に死去したエド・ピスコー。『ヒップホップ家系図』は2013年に全4巻中の1巻が出版されて以来、複数の版が発行され、14冊の単行本が出ていた。このオムニバス・コレクションには、140ページを超える追加資料とオリジナルの360ページを1冊にまとめたもの。2023年には日本独自編集版のヒップホップ家系図(1970s~1985)2色版も刊行された。

  • Orange Complete Series Box Set, by Ichigo Takano, translation by Amber Tamosaitis (Seven Seas)
    高野苺Orange(双葉社)全7巻のボックスセット。

  • Wonder Woman Historia: The Amazons, by Kelly Sue DeConnick, Phil Jimenez, Gene Ha, and Nicola Scott (DC)

BEST ADAPTATION FROM ANOTHER MEDIUM

  • Bea Wolf, adapted by Zach Weinersmith and Boulet (First Second/Macmillan)
    北欧のゲルマン世界に題材に、8世紀頃、イングランドで古英語で書かれた英雄叙事詩『ベオウルフ(Beowulf)』を子ども向けにグラフィックノベル化。若き英雄ベアウルフは悪鬼グレンデルと対峙する。

  • #DRCL midnight children, vol. 1, based on Bram Stoker’s Dracula, by Shin’ichi Sakamoto, translation by Caleb Cook (VIZ Media)
    坂本眞一#DRCL(集英社)
    ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』をベースにしたゴシックホラー。
    BEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIAL—ASIAにもノミネート。

  • H.P. Lovecraft’s The Shadow over Innsmouth, adapted by Gou Tanabe, translation by Zack Davisson (Dark Horse Manga)
    田辺剛インスマスの影(KADOKAWA)
    世界中から大人気の田辺剛さんのラヴクラフト・コミカライズ。

  • The Monkey King: The Complete Odyssey, adapted by Chaiko, translation by Dan Christensen (Magnetic)
    世界的に活躍されている中国の作家Chaikoによる作品。原書は不明だがフランス語版Le Roi Singe(PAQUET)は一番早い?
    『西遊記』の孫悟空の物語。
    ChaikoはBEST PAINTER/MULTIMEDIA ARTIST (INTERIOR ART)にもノミネート。

  • Watership Down, by Richard Adams, adapted by James Sturm and Joe Sutphin (Ten Speed Graphic)
    50年以上にわたって世界中の人に愛されたリチャード・アダムスの児童文学『ウォーターシップダウンのうさぎたち』のコミカライズ。

BEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIAL

  • Ashes, by Álvaro Ortiz, translation by Eva Ibarzabal (Top Shelf/IDW)
    原書はCenizas(スペイン、Astiberri)。
    長年会っていなかった古い友人ポリー、モホ、ピーターの3人が地図に示された謎の十字架をめざして旅に出るロードトリップ。彼らを待ち受けるのは、カーチェイス、アルコール、道端のモーテル、バンジョーを演奏する凶悪犯、船の墓地……。
    前述BEST GRAPHIC ALBUM—NEWにもノミネート。ハーベイ賞2023Best International Bookノミネート。

  • Blacksad, Vol 7: They All Fall Down, Part 2, by Juan Díaz Canales and Juanjo Guarnido, translation by Diana Schutz and Brandon Kander (Europe Comics)
    原書は『Blacksad Tome 7, Alors, tout tombe. Seconde partie』(フランス、Dargaud)
    日本語版ブラックサッドそして、すべて堕ちる[後編](大西愛子訳、ユーロマンガ)も刊行済み。50年代のアメリカを舞台にした黒猫探偵ブラックサッドの大人気ノワールシリーズ最新作。
    BEST DIGITAL COMICにもノミネート。フアンホ・ガルニドはBEST PAINTER/MULTIMEDIA ARTIST (INTERIOR ART)にもノミネート。

  • A Boy Named Rose, by Gaëlle Geniller, translation by Fabrice Sapolsky (Fairsquare Comics)
    原書はLe Jardin, Paris(フランス、Delcourt)
    1920年代のパリ。母親が経営するキャバレー「ル・ジャルダン」で生まれた時から一緒に育った他の女の子と一緒に踊りたいと思っていた少年ローズ。やがて彼は青年として開花し、ある男性と恋に落ちるが、同性間の恋愛を好ましく思わない社会の中で居場所を探そうとする。

  • The Great Beyond, by Léa Murawiec, translation by Aleshia Jensen (Drawn & Quarterly)
    原書Le Grand Vide(フランス、2024)
    名前が忘れられると死んでしまう世界。人々は自分の名前を看板に掲げ、必死にサバイブしようとしている。恋人なし、無職、友人少ない、親にも見放されているマネルは、同姓同名の人気シンガーの登場で、自分の存在の危機に立たされていた。SNSでの売名行為を揶揄するディストピアSF。

  • Shubeik Lubeik, by Deena Mohamed (Pantheon Books/Penguin Random House)
    原書はشبيك لبيك(エジプト、El-Mahrousa(مركز المحروسة للنشر والخدمات الصحفية والمعلومات))
    エジプト出身のDeena Mohamedさんのアラビア語の作品。
    Shubeik Lubeikは、アラビア語で「あなたの願いは私の命令です」という意味のおとぎ話の韻。カイロの気取らないキオスクで販売されている3つの願いが、アジザ、ヌール、ショクリを結びつけ、彼らの視点と人生を変える。アジザは夫を亡くし、官僚主義や不平等と戦う。ヌールは恵まれた大学生だが密かにうつ病に苦しんでいる。ショクリは友人を救うために宗教的信念と戦う。しゃべるロバやドラゴン、魔法のように混雑を避ける車などが登場するが、3人は抱えている願いを実現するという現実的な課題に立ち向かっている。

  • Spa, by Erik Svetoft, translation by Melissa Bowers (Fantagraphics)
    原書はSpa(スウェーデン、Sanatorium förlag)
    北欧のどこかにある贅沢な5つ星のスパとカンファレンス ホテルを舞台にしたグロテスクで風変わりなユーモアを特徴とするホラー。

BEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIAL—ASIA

  • #DRCL midnight children, vol. 1, based on Bram Stoker’s Dracula, by Shin’ichi Sakamoto, translation by Caleb Cook (VIZ Media)
    坂本眞一#DRCL(集英社)
    ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』をベースにしたゴシックホラー。
    前述BEST ADAPTATION FROM ANOTHER MEDIUMにもノミネート。

  • Goodbye, Eri, by Tatsuki Fujimoto, translation by Amanda Haley (VIZ Media)
    藤本タツキさよなら絵梨(集英社)

  • The Horizon, vol. 1, by JH, translation by ULTRAMEDIA Co. Ltd. (Yen/Ize Press)
    原書は『수평선(NAVER WEBTOON)
    日本語版水平線はLINEで掲載
    韓国のウェブトゥーン作品の単行本。ザ・ボクサーが人気のJH(チョン・ジフン)さんによる、ポストアポカリプス世界で少年少女がひたすらにまっすぐ歩くだけのマンガ。

  • My Picture Diary, by Fujiwara Maki, translation by Ryan Holmberg (Drawn & Quarterly)
    藤原マキ私の絵日記(筑摩書房)
    元女優で漫画家つげ義春の妻である藤原マキが、夫と息子との生活について描いた日記。

  • River’s Edge, by Kyoko Okazaki, translation by Alexa Frank (Kodansha)
    岡崎京子リバーズ・エッジ(宝島社)

  • The Summer Hikaru Died, vol. 1, by Mokumokuren, translation by Ajani Oloye (Yen Press)
    モクモクレン光が死んだ夏(KADOKAWA)
    モクモクレンはBEST WRITER/ARTISTにもノミネート。

BEST WEBCOMIC

BEST DIGITAL COMIC

  • Blacksad, Vol 7: They All Fall Down, Part 2, by Juan Díaz Canales and Juanjo Guarnido, translation by Diana Schutz and Brandon Kander (Europe Comics)
    原書は『Blacksad Tome 7, Alors, tout tombe. Seconde partie』(フランス、Dargaud)
    日本語版ブラックサッドそして、すべて堕ちる[後編](大西愛子訳、ユーロマンガ)も刊行済み。50年代のアメリカを舞台にした黒猫探偵ブラックサッドの大人気ノワールシリーズ最新作。
    前述BEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIALにもノミネート。

  • Friday, by Ed Brubaker and Marcos Martin, vols. 7–8 (Panel Syndicate)
    クリスマス休暇に実家に戻った大学生フライデーに降りかかる不穏な出来事…。
    2021年のアイズナー賞BEST DIGITAL COMIC受賞。

  • Parliament of Rooks, by Abigail Jill Harding (Comixology Originals)
    奇妙な夢から目覚めた後、建築家のダリウス・レイブンスカーは、依頼されたデザインを王女に見せるためにエボルヴィクの街へ向かう予定だった。しかし仮面舞踏会で何かがひどく間違っていることが明らかになる。

  • Practical Defense Against Piracy, by Tony Cliff (delilahdirk.com)
    1~3巻はFirst Secondから単行本が刊行されているDelilah Dirkシリーズの第4シリーズ。19世紀を舞台に世界中を旅するデリラ・ダークのアクションアドベンチャー。
    アイズナー賞2022BEST WEBCOMICノミネート。

  • A Witch’s Guide to Burning, by Aminder Dhaliwal (Instagram.com/aminder_d)
    魔女が人々のためになすべきことに終わりはない。町の存続は魔女の魔法に依存しているとき、魔女はやけどを負って魔法の力と記憶を失い、普通の人間と変わりなくなってしまう。『燃え尽き症候群への魔女ガイド』は、セルフケアが切実に必要とされている社会における燃え尽き症候群についての、風変わりでユーモラスな寓話。

アーティストに対する賞

アイズナー賞では漫画家に対する賞も設けられています。簡単にご紹介します。

BEST WRITER

BEST WRITER/ARTIST

  • Emily Carroll, A Guest in the House (First Second/Macmillan)

  • Bill Griffith, Three Rocks (Abrams ComicArts)

  • Daniel Warren Johnson, Transformers (Image Skybound)

  • Mokumokuren, The Summer Hikaru Died, vol. 1 (Yen Press)
    モクモクレン光が死んだ夏(KADOKAWA)

  • Zoe Thorogood, Hack/Slash: Back To School (Image)
    去年さんざん気になる作家といっていたゾイ・ソログッドさんの新作はスラッシャー・ハンターもの。これもなかなか面白そうです。

  • Tillie Walden, Clementine Book Two (Image Skybound)
    大好きなティリー・ウォルデンさんの「ウォーキング・デッド」スピンオフシリーズ。第2巻は未読なんですが、登場人物たちの関係が深まっていく巻だということで早く読まないとと思っています。全3巻予定。

BEST PENCILLER/INKER OR PENCILLER/INKER TEAM

BEST PAINTER/MULTIMEDIA ARTIST (INTERIOR ART)

BEST COVER ARTIST

  • Jen Bartel, DC Pride 2023, Fire & Ice: Welcome to Smallville #1 (DC); Captain Marvel: Dark Tempest #1, Demon Wars: Scarlet Sin #1, Scarlet Witch #9, Sensational She-Hulk (Marvel)

  • Evan Cagle, Detective Comics (DC)
    Evan Cagleさん、とても気になっている作家さんです!!!2024年からDawnrunnerという新シリーズをスタートしてるんですが、一部の界隈で話題になっていまして…(巨大ロボもの…)。11月にTPBが出るのでそのタイミングにでも読んでみたいと思っております…。

  • Jenny Frison, Alice Never After #1, BRZRKR: Fallen Empire #1, and other alternate covers (BOOM! Studios); Knight Terrors: Harley Quinn #1–2, Poison Ivy #8, #12 (DC)

  • E. M. Gist, Expanse Dragon Tooth #1, Something Is Killing the Children #28 & #34, Wild’s End, vol 2 #4 and other alternate covers (BOOM! Studios); Amazing Spider-Man #23, Doctor Aphra #36, Moon Knight #3, Nightcrawlers #1, Wolverine #38 (Marvel)

  • Peach Momoko, Demon Wars: Scarlet Sin, various alternate covers (Marvel)
    桃桃子さんはもちろんカバー・アーティストとして大活躍なんですが、日本語訳されたデーモン・デイズがサイコーだったのでマンガ作家としても今後ますますご活躍いただきたいです!続編Demon Wars: Scarlet Sinや2024年からの新シリーズUltimate X-Menも(たぶん出るとは思うのですが)日本語訳されるのを心待ちにしています。

  • Dan Mora, Coda #3, Damn Them All #4, MMPR 30th Anniversary Special #1, Rare Flavours #3 and other alternate covers (BOOM! Studios); Batman/Superman: World’s Finest, Outsiders #1, Poison Ivy #9, Shazam!, Titans #1 (DC)

BEST COLORING

  • Jordie Bellaire, Batman, Birds of Prey (DC); Dark Spaces: Hollywood Special (IDW)

  • Matt Hollingsworth, Captain America, Doctor Strange, Guardians of the Galaxy, Punisher (Marvel)

  • Lee Loughridge, Red Zone (AWA); Edgeworld, Grammaton Punch, Nostalgia (Comixology Originals); The Devil’s Cut, Gone, Somna (DSTLRY); Star Trek (IDW); Killadelphia (Image); Hunt. Kill. Repeat. (Mad Cave)

  • Dave McCaig, The Sacrificers (Image), The Walking Dead Deluxe (Image Skybound)

  • Dean White, Conan the Barbarian (Titan Comics)

BEST LETTERING

  • Emily Carroll, A Guest in the House (First Second/Macmillan)

  • Benoit Dehan and Lauren Bowes, Inside the Mind of Sherlock Holmes (Titan Comics)
    原書はDans la Tete de Sherlock Holmes(フランス、ANKAMA)。今回はレタリングでノミネートされていますが、独特なコマ割りでシャーロック・ホームズの思考内を視覚化しようとしていて、ビジュアル的にも面白い作品です。
    BEST PUBLICATION DESIGNにもノミネート。

  • Bill Griffith, Three Rocks (Abrams ComicArts)

  • Hassan Otsmane-Elhaou, The Unlikely Story of Felix and Macabber, The Witcher: Wild Animals, and others (Dark Horse); Batman: City of Madness, The Flash, Poison Ivy, and others (DC); Black Cat Social Club (Humanoids); Beneath the Trees Where Nobody Sees (IDW); The Cull, What’s the Furthest Place from Here? (Image); and others

  • Richard Starkings, Barnstormers: A Ballad of Love and Murder, Canary (Comixology Originals/Best Jackett); Parliament of Rooks (Comixology); Astro City, Battle Chasers (Image); Conan the Barbarian (Titan Comics)

BEST PUBLICATION DESIGN

  • Bram Stoker’s Dracula and Mary Shelley’s Frankenstein boxed set, designed by Mike Kennedy (Magnetic)
    マチュー・バブレの英語訳で大変お世話になったMagnetic Pressさんです。ここは装丁の凝った豪華なボックスセットをクラファンで出すので、好事家にはたまらないのです。

  • Gratuitous Ninja, by Ronald Wimberly, designed by Chloe Scheffe (Beehive Books)
    この作品もクラファンで出版されたものです。忍者ものだけに、というわけかどうかはわかりませんが、巻物のようなスクロール・アコーディオン形式のマンガに、地図とかカードとかバッジとかがセットになって豪華なボックスに入ってるという何とも贅沢な一品です! 内容もかなり遊び心満載のようで楽しそうです。Beehive Booksさんのサイト

  • Inside the Mind of Sherlock Holmes, designed by Benoit Dahan andDonna Askem (Titan Comics)
    BEST LETTERINGにもノミネート。

  • Iron Maiden: Piece of Mind, designed by Josh Bernstein and Rob Schwager (Z2)
    よくわからないのですが、このリンクを貼ったボックスセットのことでしょうかね? 牢獄(という名のボックス)に閉じ込められたゾンビ。その牢獄もクッション付きの豪華版。ヤバいですね。

  • Toilet-bound Hanako-kun First Stall Box Set, designed by Wendy Chan (Yen Press)
    あいだいろ地縛少年花子くん(スクウェア・エニックス)の10巻までが収められたボックスセットです。TikTokとかで紹介している動画もたくさんあるみたいですが、そりゃ動画も作りたくなるようなデザインです。

おまけのつもりで追加した装丁デザインの賞なんですが、これどれもヤバいですね。なんだかんだ言ってアメリカでは紙の文化で電子書籍がいまいちと言われていますが、こんな装丁の凝ったマンガを出されたら紙でほしくなるし、SNSで自慢したくなりますよね!!!

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さてアイズナー賞2024のノミネート作品いかがでしたでしょうか?
なかなか今回も興味深い作品がたくさんノミネートされていましたね。
私も気になる作品は読んでみたいと思います!
また最優秀賞が決定されたらご紹介しますね!

参考資料:過去の受賞作品


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