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備忘録~雪風の中のパンどろぼう~


■木枯らしに襟を立てて

私の住んでいるところはそれほどでもなかったのですが、用事があって西の街に向かいましたところ、木の葉など毟り取らんばかりに雪混じりの風が吹いておりました。

妻と寒い寒いと言い合いながらも、街中の散策を楽しんだわけです。途中観光地ですから、茶屋などもあり、団子を片手に熱いお茶をふうふうと冷ましながら暖を取りつつ喉の渇きを潤したいところでしたが、パン屋に行くという目的がありましたので、ぐっとここは堪えたわけです。

余談ですが、私の住んでいる辺りは夜とても静かです。集合住宅ですので、車の出入りや人の気配などは感じますが、ふと気づくとひっそりと静まり返っております。
風の強い夜がここのところ続いておりましたので、よく風の音は響きました。私は建物に打ち付けるような風の猛襲の音を聞くたび、猛禽類が声を上げて飛び回っている様を想像します。

今宵は静かです。
静かな夜には、不思議な音が聴こえます。ごうーという低くもなく、高くもない、揺らぎのない真っ直ぐな音です。飛行機が飛ぶ音なのか、遠くで走る車の音なのか、はたまた、部屋の中にある電化製品の駆動音なのか、分かりませんが、私はこれを夜が鳴いている、と呼んでいます。

■パンどろぼうはパンじゃない!?

今日は持ち帰り用にあんバターフランスパンと、紅茶とバナナのマフィン、オレンジピールとチョコチップのパンを購入し、店内で暖まるため、ホットサンド二種とコーヒーを注文。ホットサンドは妻とシェアして食べました。出来立て熱々で胃の腑に沁みました。

画像は持ち帰ったパンを妻と半分ずつシェアしまして(あんバターは夜の楽しみに取っておきました)、パンどろぼうの皿に載せたのですが。

このパンどろぼう。私はずっとパンだと思っていました(そう思っていた方がいたらネタバレでごめんなさい)。でも違うんですね。まじまじとパンどろぼうのことを見たことがなかったので気づかなかったのですが、言われてみればそりゃあパンじゃないや、と自分の目の節穴さを恥じる始末。

パンどろぼうに限らず、パンが題材になっている絵本とかって多いのかなとふと思いました。子どもが幼稚園から持ち帰ってくる絵本でも、パンがキャラクター化されたものがいくつかあったような。それだけ日本人にとって身近な食べ物になったということでしょうか。

食べ物、小説。と考えると真っ先に出てくるのがプルーストの「失われた時を求めて」のマドレーヌでしょうか。個人的には池波正太郎の小説に出てきたねぶか汁も美味しそうだなと思った記憶があります。多分大学生の頃ですね。それで一時期色々な味噌汁を作るのに凝っていた時期がありました。

後は食べ物、と言っていいか。夫を冷凍した肉で撲殺して、焼いて刑事に振舞ったというアメリカの話もありましたね。その内冷凍したフランスパンで撲殺するミステリが出てくるかも(ないでしょうね)。

日本の食べ物でミステリにそぐうものって何があるでしょうか。必殺仕事人なら団子の串で殺せそうですが、普通の人には無理ですよね。何であれ、食べ物で遊んではいけませんね、反省反省。

■執筆と読書と

今日は少し進みました。
本当は長編の方を進めたかったのですが、アイデアと骨組みだけスマホのメモにまとめておいた短編が気になって仕方なくて、そちらを書きました。とりあえず形にはなったので、推敲してどこかのタイミングで公開できればと考えています。

読書の方は、「首里の馬」を読了しました。
後でXに読了ポストを流して、noteの方に読書記録をあげたいと思います。
次は本谷有希子さんの「異類婚姻譚」辺りを読もうかなと。芥川賞受賞作に偏っているのは、エンタメ志向で純文学から離れていたのですが、次書いている長編は純文学寄りの内容にしたいので、頭を純文学に無理矢理切り替える、スクラップ・アンド・ビルドする感じですね。果たしてできるのやら。

寒月は空気の研ぎ澄まされた緊張感もあって美しいですが、ずっと見ていると魅入られてしまいそうです。
私もカーテンを閉じて、眠ることにいたします。

みなさまもあまり夜更かしをされて、月に魅入られぬよう。

それでは、月を見て、明日の朝日を思いつつ。

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