文学の旗を掲げ、独りほらを吹く
■三連休初日
今日は短編の執筆はお休みさせていただいて、長編の方にとりかかっていました。ただ、子どもが途中からアマプラでドラえもんを見だしてしまったので、進まなくなり、ぶん投げた次第です。10枚分も進んでないんじゃなかろうかと思われます。
で、今日は諦めて、エッセイ的なものをnoteの方にアップしようと思って今書いています。
午前中は図書館でリサイクル本の配布を行っていたので、雪の中突撃してきました。古井由吉や星野智幸、連城三紀彦、皆川博子など掘り出し物が見向きもされずに残っていたので、ありがたくさらって参りました。
まだ三連休初日なので、残り二日、がっつり長編の執筆にとりかかって、二月中には第一稿を書き上げてしまいたいところです……!
なので、短編の方は多分二日間お休みすると思います。読書記録も間に合わないかな、というところで。
こうしたエッセイもどきでお茶を濁させてもらうかもしれません。
■純文学ってなんなんだ
心の叫びです。
辞書的な意味は分かりますよ? でもそうではなくて、純文学を書きなさいと考えたときに、どういうものを書けばいいのか。
ヒントになるかなと賞を受賞した純文学の作品を読んではいるものの、朧げにこういうものかな、という感覚はあるんですが、いざそれを自分の文章に降ろすということが、どうにもできなく。
とりかかっている長編は純文学系の賞に出すつもりなので、少なくともそれらしいものを書けないと門前払いですから、なんとかしたいところではある今日この頃。
今書いているものが果たしていいのかどうなのか、暗中模索の状態で、どちらかというと正解じゃない気がしてきているのに書き続けなければならないのは、一種の苦行のようです。
考えても分からないのだから、とりあえず書き上げようという気概ではおります。書きあげてから、もう一度頭を抱えてうーん、うーんと悶えればいいやと。前向きなのか後ろ向きなのか。
それにしても分からない(結局考えている)。純文学ってなんなんだ。
きっと誰かに明快な答えで説明されても、自分の中にすとんと落ちるものがなければ、理解はできないのでしょうね。
私は一生書き続けながら、純文学ってなんなんだ、と叫び続けているような気がします。
それでいいのかもしれません。今の世の中、簡単に分かるもの、分かりやすいものに重きが置かれています。残念ながら私はそれがあまり好きではないようで。
分からない分からないと唸りながら考えている。
結局はそんな状態が好きなのかもしれません。
■だから私は物語る
純文学は分からないので、私にできることといったら、物語を紡ぐだけで。
ただ、ストーリーを語るというよりは、出てくる主人公にフォーカスを合わせた物語り方をしたいなと思っています。
人を語る。私が私を語るように。
それが一旦私が弱弱しく掲げた純文学の看板なのですが、その看板通りに作品を書くことの難しいこと。
ただnoteで短編を書いていることは練習になっていて、無駄じゃないのかなと(noteでは純文学を書いていませんが)。
スポーツ選手だって練習を繰り返して試合に臨むように、小説家も日ごろから練習しておかなければ、いざというときに実力を発揮できませんものね。
■やっぱりほらを吹く
言い方は悪いですが、嘘をつくこと、人を騙すことに昔から興味がありました。
かと言って詐欺やら犯罪やらに興味があるわけではないです。
たとえば、マジックとか。
あれも視覚的な錯覚や心理の隙をついて本来起こりえない現象を起こしてみせるものですよね。特にカードを使ったクロースアップマジックが好きです。学生の頃は結構練習して、パームやらダブルリフトやら、フォースなどの聞く人が聞けば分かる技術の練習に明け暮れました。
小説家じゃなかったら、マジシャンになりたいなあ、なんて思ってた時期もあったり。常にカードは持ち歩いてましたし、仕掛けのあるペンやステッキを腕に忍ばせて学校に通ってたこともあります。授業中も常にカードに触れていた、不真面目学生でした。今ではもう子供だましのものしかできないですけど。
小説も事実でないことを書くという点ではほらを吹いているわけです。
小説を書き、マジックを嗜むというところから、学生時代友人から「ペテン師」とあだ名されていました。全員からではないです。ごく親しい友人からだけ。
小説もマジックも、共通するのは、提供者と受容者の間に、これは「虚構」であるという暗黙の了解があることです。この了解を一方的に取っ払ってしまったとき、小説もマジックも「ペテン」に堕すわけです。
だから私は、文学というくたびれた旗を振りながら、「ほらを吹くぞ!」と声を上げながらほらを吹きます。
そのほらで、人を楽しませたり、あるいは誰かの人生の灯火になれるように。
と、言っていることが既に、ほらかもしれませんね。
さて、夜も更けてまいりました。ほら吹きも今日は店じまいすることといたしましょう。
それでは、夜空を見上げて、雲の向こうの星々にほらを吹きつつ。
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