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一読の夢~短編小説集~

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ジャンル問わず、全短編をまとめたものです。 更新は不定期。小説を読みたい方はぜひ読んでみてください。
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菩提樹の下で

 胃潰瘍で数日間入院することになった。  胃の痛みなどはほとんどなく、自覚症状としては胃…

水瀬 文祐
2週間前
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夢の扉

 雨が降る。音もなく、漂うように。  タケルは傘を差すことも忘れ、駅前のロータリーに立ち…

水瀬 文祐
2週間前
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play dead

 もういやだ。おれは死ぬ。  三番目に目覚めた男は、何人目かの女が目覚めると、そう言って…

水瀬 文祐
3週間前
125

借物の外套

 私は本屋のアルバイトだった。しがない本屋のしがない学生アルバイト。  大学でも地味でぱ…

水瀬 文祐
1か月前
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ある殺人犯の告白

 やあ、あなたが私の話を聞きたいという酔狂な人だね。  誰もが知りたがっている?  ああ、…

水瀬 文祐
1か月前
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ポートレート

 笛が鳴る。  彼女の手が、足が躍動して、一迅のオレンジの風のように走り抜けていく。その…

水瀬 文祐
1か月前
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ある日の夢~海水浴~

■まえがき今回の短編はタイトルの通り、ある日見た私の夢を元にした小説です。 以前アップした『ぜい肉くん』に近い方式で作ったものです。 最近長めの気合が入った短編を続けて書いたので、ちょっとお疲れ気味です。気分転換に少し短めのものをご提供いたします。 暑い日が続いているとはいえ、まだ海水浴には早い時期ではありますが、夏を先取りして一足先に、夢まぼろしの中に夏の光景を覗いてみてはいかがですか。 ■本編 海へ行った。暑さにばてて少しパラソルの下でまどろんでいたら、子どもの姿が見え

麻薬読書者

 男は後ろをやけに気にしながら歩き、ある小路の入り口に立つと、殊更に警戒心を剝き出しにし…

水瀬 文祐
1か月前
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