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私のブックマーカー#06『52ヘルツのクジラたち/町田そのこ』編~あなたの声を聴かせて~

新年を迎えました

喪中の関係でお祝いの言葉は言えませんが、今年もよろしくお願いします。ユノです。
 2022年は新しいことへの取り組みの多い一年でした。2023年も初めての社会人として色々な初めてを体験すると思いますが、来年の元旦にはまた笑顔で新しい年を迎えられるような2023年を過ごしたいと思います。
そんでもって、もっと本をいっぱい読んで皆さんと本の感想を共有したいなと思っています。
 実は私は個人的に読書ノートを作っているんです。『麦本三歩の好きなもの』の読書ノートを作るために久しぶりに読書ノートを開いたのですが、2022年の記録はありませんでした…多分書き忘れの2冊は思い出せるので読んでいないというわけではありませんが、にしても今までにない少なさです。
 ちょっと寂しかったのでたくさん読書して、記録していきたいと思います。
 1年で10冊読めたらいいな!
 


町田そのこ作 『52ヘルツのクジラたち』を読んで

2022年はすっとこの本を読もうとそばに置いていました。読んでも、途中で長い期間が開いてしまったりで読み直したりしながらやっと読むことが出来ました。この本にはずいぶんお待たせしてしまって、ありがとうの気持ちしかありません笑


『52ヘルツのクジラたち』のあらすじ

 他人と深い関わりを持つことに疲れてしまった主人公キナコは、誰も自分のことを知らない場所でできるだけ人と関わらずに生きていこうと亡くなった祖母のいた島に移住してきました。
 自転車で通える範囲内にはたった一軒のスーパーしかない周りを海で見渡せるようなそんな田舎な島だったので、島民からは「よそ者が移りこんできた」「きっと夜逃げか何かをしてきたんだ」というように噂され、侮蔑の目で見られていました。
 しかし、そんなある日一人の女の子のような顔の整った少年に出会いました。少年は幼いころから声を出すことが出来ず周りからも「声を出せない手を付けられない子」というような扱いを受けていた少年ですが、実は少年は母親から育児放棄や虐待を受けていました。
 そんな少年とキナコは自分たちの過去に向き合いながら、前を向いて歩いていく・・・感動ストーリーです。


『52ヘルツのクジラたち/町田そのこ』の感想

 この本を読むことで、人と人との繋がりはなかなか切ることが出来ないということを感じました。主人公のキナコは様々な理由で、恋人・親友・家族との関係を断とうとしていました。
 しかし、例え関わることを避けたとしても遺伝であったり思い出であったりでキナコの中で大きく響いています。
 それは本の中だけでなく、現実世界でも同じようなことが起きるのだろうなと私は考えています。たとえどんなに嫌いな人・憎い人でも直接会話をしなくても私の過去の記憶として登場します。
 逆に、会いたくてももう会うことが出来ない人達でも思い出の中で会うことが出来る。
 良いことも悪いこともあるけれど、だからこそ繋がっていたいと思う人たちは大切にしたいと思うし、たくさん思い出を作りたいと改めてこの本を通じて感じました。
 この本を読むと今まで繋がってきた大好きな人たちをもっとこれからも大切にしたいと思いましたし、これから出会う人たちのことも大切にしたいと感じました。

こんな人に『52ヘルツのクジラたち/町田そのこ』をオススメしたい!

勧める前に注意してほしいのが、こちらの作品は私がここで紹介している内容以外に様々な暴力的シーンというか鬱シーンというかマイナスシーンがとても多いです。そういったシーンが苦手な方にはオススメできかねます。

・自分は孤独で、誰にも助けを求めれなくて苦しんでいる人
・友達や恋人のことを大切にしている人
・静かな雰囲気を感じたい人

 今作品のタイトルである『52ヘルツのクジラ』についてネタバレにならない程度に説明しますと、本来のクジラの鳴き声よりも高い周波数で鳴いているため他のクジラにはこの鳴き声は届かない。そんなクジラが『52ヘルツのクジラ』です。52ヘルツで鳴くクジラは世界中に1頭しかいないので「孤独のクジラ」と呼ばれています。

 52ヘルツのクジラのように助けてほしい。苦しい。と思っていても誰にも届かない人はたくさんいると思います。この本を読めば、きっと励みになると思っています。

 静かな雰囲気というのはこの本は時折、海中にいるような気持ちになれる描写があります。そのたびに静かな雰囲気を感じることが出来ると思います。
 もし可能であれば、YouTubeなどでクジラの鳴き声を聞きながら読むとより雰囲気を感じられるかもしれません。

いかがでしたでしょうか。私もいつか私の声を聴いてくれる人に出会いたいし、いつか助けを求める人の声を見つけ出せる人になりたいと考えています。
最後まで閲覧ありがとうございます。それでは次の記事でお会いしましょう!

 

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