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脱サラと親の介護

約20年ほど東京に住んでいたが、去年、脱サラを機に地元に帰省し、今は母親と二人暮らし。

地元に帰省した理由は、3つある。

一つ目は、母親の介護。
母親は現在74歳。
私は一人っ子で、父親はすでに他界していることもあって、母親の面倒を見れるのは、自分だけ。
最近は、母親は難聴になって補聴器をつけたり、足腰が弱ってきているし、一人で生活するのがより大変になってきている。

二つ目は、コロナによるリモートワークの普及。
サラリーマン時代、コロナになってからは、外資系の会社だったので、すぐにリモートワークに移行して、オフィスに行くこともなくなった。
だとすると、わざわざ東京にいなくても、ZOOM等を使って、どこにいても連絡を取ることができる。
今、個人事業を始めて、打ち合わせをすることがあるが、全てリモートでの打ち合わせ。
仕事をしていく上での場所の制約がなくなって、わざわざ東京にこだわる理由がなくなったこと。

三つは、家賃を含む物価の問題。
東京は、言馬でもなく、家賃が高い。
地元と比べると、同じ広さのマンションで2倍の家賃がする。
脱サラしてから、お金に余裕がなくなったので、家賃はできるだけ安い方が良い。
また、全般的に、外食の値段も東京の方がかかること。

以上の理由から今は、母親と二人暮らしだが、母親は自分と一緒に暮らすことを喜んでくれている。
一緒に住むまでは、自分も母親も一人暮らしで、やはり、一人暮らしだと話し相手や一緒に食事をする相手もいなくて寂しく感じる時がある。
母親は、ずっと一人暮らしで退屈していたから、話し相手や一緒に食事をす
る相手ができて、喜んでくれている。

他の変化としては、まずは運動。
自分と住むまでは、母親は家に引きこもっていて、月に数回、買物に出かけるだけで身体を動かすことがほとんどなかったが、今は、毎朝、散歩とラジオ体操をするようになった。
散歩は、自分一人だと続かないので、毎朝、自分が仕事に出かける時に、駅まで歩くので、母親も駅まで一緒に歩いていく。
往復で20分くらいだが、毎日、続けることで、足も以前より動くようになってきた。
そして、土日の朝は、近くの公園を一緒に一周、散歩する。
毎朝、散歩をする前は、少し歩いただけで疲れたり、バスに乗り込むときに段差につまづくこともあった。
今は、動くことが前より苦にならなくなっている。
そのおかげで、毎朝、自分から掃除をするようになった。
そして、ラジオ体操もこちらからわざわざ言わなくても、毎朝、自分から進んでするようになった。

高齢者になると、認知症になったりしやすいが、その根本にあるのが下半身を中心とする身体機能の低下にあると思う。
高齢になるにつれて、筋肉が落ちて身体が以前より動かなくなるから、身体を動かすことが億劫になり外に出かけて歩く機会が少なくなる。
運動が少なくなると、身体機能がさらに低下し、ますます身体が動かなくなる。
身体が動かなくなると、活動意欲もなくなって、何かをやることがますます億劫になる。
そして、家の中に引きこもり活動が減っていくことで、脳機能も低下し、認知症になりやすくなる。

だから、認知症を予防するためには、まずは、毎日、少しでも良いから歩くこと。
そして、ラジオ体操などを使って、身体を動かすことが大事だと思う。
それに、高齢者になると、高血圧になりやすいが、毎日、散歩とラジオ体操をするようになって、血圧も標準レベルの120-80で安定するようになった。
運動は、高血圧を抑えるのにも効果的だと思う。

80歳を過ぎて、歩けなくなるかどうかは、70代の時に、歩く運動をどれだけしているかだと思う。
最近は、街で歩いていると、高齢者の歩き方に目がいくが、やはり、健康的な高齢者ほど、80代とは思えないほど、足腰がしっかりしていて、足取りが軽い。
普段から散歩をしたり、歩く習慣があるからだと思う。
高齢者が自分自身で散歩をするのが理想だが、自分一人だと継続するのは難しいと思う。
だから、それをサポートする家族や近所の人の存在が重要になってくると思う。
最近は、地域コミニュティのつながりが弱くなっているが、それは高齢者の健康にも影響していると思う。

また、これはYouTubeで観たのだが、認知症になる高齢者の大半が、普段、水を飲まない人が多いらしい。
自分の母親も普段、お茶だけで、水を普段飲まない。
だから、一緒に住むようになって、ウォーターサーバーを買って毎日、水を飲むようにしてもらった。
これは、効果がどれほどあるか分からないが、新鮮な水を飲むことは身体に良いと思う。


次は、食事の変化。
母親と一緒に住むようになってから、毎日、朝食を一緒に食べるようになった。
自分は、毎朝、サラダ、納豆、ヨーグルト、果物(りんごorバナナ)、パンを食べていたので、母親も同じものを食べるようにした。
それまでは、母親は、便秘で悩んでいたが、朝食を変えてから、お通じが良くなって、腸の調子も少しずつだが良くなっている。
納豆、ヨーグルトは、腸の働きを良くするので、便秘解消に効果が出ているのかもしれない。

また、高齢者になると、肉を食べなくなるので、肉も最低、週に1回は食べるようにしている。
肉を食べなくなると、やる気低下になって、何か活動をすることがより億劫になり、それが脳機能の低下にもつながっていく可能性があるので、意識的に、定期的に肉を食べさせるようにしている。
これも、自分からだと肉を食べようとしないので、外食する時などは、生姜焼き定食などの肉料理を食べるようにしている。

次の変化は、料理。
自分は料理をしないので、母親に自分の分も作ってもらっているが、料理は頭の運動にもなる。
母親は一人暮らしの時は、面倒くさくて、料理もほとんどしなくなったが、自分と住むようになって、料理をする機会が増えて、ボケ防止になっている。
自分だけのためよりも、誰かのために作ることで、やりがいも出てくるみたいだ。

最後の変化は、片付け。
7月に一緒に住むために引っ越したのだが、それまでは、部屋が沢山のモノで溢れていた。
要らないものがあっても、高齢者にとっては、それを一つ一つ捨てることが大変なので、結局、処分ができずに家にモノが溜まる一方になってしまう。
片付けをすることは、高齢者にとっては大変な作業。
だから、自分自身で片付けをすることができなくて、高齢者の家にモノが溢れてしまうと思う。
引っ越しを機に、多くのモノを処分して、かなり部屋はすっきりしたのだが、それでもまだモノが沢山ある。
少しずつでもモノを減らすために、今は毎日、3個不要物を捨ててもらうようにしている。
片付けは大変だが、1日3個捨てるだけだと負担にならないので、これだと無理せず毎日続けることができる。
1日3個捨てるのを続けてから2ヶ月で、これだとまだ大きな効果はないが、1年続ければ、1年で約1,000個のモノを捨てることができる。
1,000個モノを減らすことができれば、部屋の中のものは一気に片付くと思う。
高齢者の親の部屋の片付けで悩んでいる人は少なくないと思うが、高齢者にとって負担なく、長期的な視点で見守る工夫が大事だと思う。


最後に。
自分は、独身だから、親の面倒を身近で見ることができるが、結婚して、子供がいれば、育児に一杯一杯で、親の面倒まで注意深く見ることは難しいと思う。
ましてや、自分と同じアラフォーだと育児だけでなく、仕事の責任もますます大きくなるので、育児にすら充分に時間を割くことができなくて、親の面倒まで充分に見る余裕がある人は多くないと思う。
日本は、言わずと知れた高齢化社会なので、これから高齢者の介護はますます深刻な問題になってくると思う。

自分もサラリーマン時代、仕事で多忙な時期は、母親から電話がかかってきても、電話にすらまとも出れなくて、母親の健康のことを考える余裕がなかった。
自分にとって最も大切な存在である母親のことですら、考える余裕がなかった。
脱サラしてから、今は母親の近くにいて、母親の面倒を見ることができて、お金は無くなったがサラリーマン時代より幸せを感じることができる。


結局、何が幸せかは人それぞれ。
残業続きの忙しい毎日を送るサラリーマンの生活に幸せを感じる人もいれば、自分のように脱サラして、王道のレールから外れて、お金が無くなっても、より幸せを感じる人もいる。
自分はレールから外れた人生だが、充分に幸せを感じるし、そんな自分から周りのサラリーマンを見ると、レールから外れることを必要以上に恐れ過ぎてると思う。
周りの評価と自分の幸せは全くの無関係。
脱サラして良かったのは、周りの評価がより気にならなくなったこと。
サラリーマン時代は、自分が求めていなくても、常に周りから評価され、他人と比べられ、否が応でも、周囲の目を気にせざるを得ない。
それに嫌気を感じていたが、今は誰かと変に比べられることもない。
今のこの自分をサラリーマン時代の同僚がどのように見ようがしったこっちゃない。
なぜなら、今は自分が望むように生きることができて幸せだから。

まだまだ言いたいことはありますが、キリがないので、今日はこの辺で。











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