威風堂々惡女/「女王になる」強い瞳を宿す妃の物語
こんばんは。Book Conseillerの都築です。
今回ご紹介する作品は、非業の死を遂げた少女が、転生し運命を変えようとする物語です。
ジャンル: ファンタジー 戦記
著者: 白洲 梓
出版社: 集英社
瑞燕国(ずいえんこく)の奴隷の少女、玉瑛は主人たちに虐げられながらも、勉学をささやかな楽しみとして暮らしていました。
しかし、突然理不尽な出来事により殺されてしまいます。
目が覚めた彼女は気がつくと、自分の不幸な境遇の元凶である柳雪媛(りゅうせつえん)として過去に生まれ変わったのでした。
架空の国を舞台にした転生歴史小説です。
一章は玉瑛の境遇から、死に至るまでが書かれており、酷い境遇に胸を塞がれます。
二章以降は生まれ変わりの柳雪媛へ仕える王青嘉(おうせいか)の目線で物語が進みます。
一章は玉瑛の境遇が気の毒すぎて、同情してしまいました。
ですが、読み進めていくうちに、「この土台があるから物語に深く入り込める。」と感じるようになりました。
なぜ成り上がっていくか、とする理由が腑に落ちるといったところでしょうか?
妖しい美しさのところどころに見え隠れする純真さとのギャップをもつ生まれ変わりの主人公も、
そんなヒロインに反発しながらも引かれていく王青嘉も、物語の中心に立つ二人はとても魅力的です。
逆境や運命に逆らい、未来を切り開く主人公に励まされたり勇気をもらえると思います。
どのように二人が登り詰めていくのか、先の展開が楽しみになる作品です。
後宮が舞台の作品を読んだことがあると、物語に入りやすいと思います。
☆5点満点中
読みやすさ ☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆
恋愛 ☆☆☆
世界観 ☆☆☆
13巻で完結の作品です。
皆様と本との素敵な出会いがありますように。
都築都でした。
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