7.キャベツ太郎を追って
小学校の頃、運動会とは別に「地区運動会」なるものがあった。
小学校のグランドを使い、自宅のエリア(自治会?)ごとにチーム分けされる。
私の記憶にあるのは、パン食い競争とお菓子取り競争である。
私は運動神経が決して良いとは言えなかったので、
下から数えた方が早かったのではないだろうか。
だから、残りもののパンと、残りもののお菓子へとたどり着くしかなかった。
その時出会ったのが、「キャベツ太郎」というスナック菓子だ。
青のりがたっぷりの球体スナック。
こぶりで飽きのこない、人気商品である。
駄菓子屋さんなんかでよく見かけるお菓子。
お菓子取り競争なるものに駆り出されたおちびな私は、
皆がお菓子を奪い合う中、ポツンと砂の上に落ちた小さな袋を手に取った。
なにやら帽子をかぶったカエルのキャラクターがプリントされており、(カエルのおまわりさんらしい)
緑のド派手なパッケージだった。
全く活躍の場がなかった私は、手に入れたその小さなお菓子を抱え、にこにこ小走りで母の元へ帰った。
生まれて初めて自分でゲットした戦利品である。
ひと口食べるとやみつきになり、その後私はスーパーや駄菓子屋で見つけるたびにキャベツ太郎を購入するファンと化していた。
ちなみにこちらのキャベツ太郎、1981年から販売されている。トウモロコシのスナックに青のりとソース。
なぜかキャベツは一切入っていない。
ネーミングについて、販売会社が紹介している説がある。
1.芽キャベツに似ているから
2.発売当時はキャベツの千切りを食べる際にソースをかけることが主流だったことから
とのことで、あとは消費者の想像に任せるスタイル。
謎は謎のままだからこそ、魅力的なのかもしれない。
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