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12.おにぎり

おにぎり。ただご飯を握っただけなのに、お茶碗で食べるのとは違った美味しさがある。
梅や鮭、こんぶ、かつおなどの定番から、
唐揚げやカレー、チーズなど
コンビニに行くと変わり種おにぎりも並んでいる。

個人的には、やはり定番の梅や鮭、たまに焼きたらこなんかも好んで手に取る。

母のおにぎり。
お弁当、運動会、体育祭、受験などたくさんの場面で私のお腹と心の緊張をほぐしてくれた。
ラップでくるみ、アルミホイルでぐるぐる巻きにされたおにぎり。冷めていてもとても美味しかった。

初めて一人暮らしをした時、
おにぎりを温めようとレンジに入れたら、
火が出てあわや大惨事になるところだった。
そう、アルミホイルぐるぐる巻きのまま入れてしまったのだった。危ない危ない。

おにぎりがこんなにも美味しいのは、ぎゅっと詰まった旨みと食感が、噛むたびに口の中でほどけていく感覚があるからかもしれない。

愛情を込めて、なんてよく言うけれど、そんなのは関係ないと思っていた。
でも、自分で朝に急いで握ったおにぎりはイマイチなのに、誰かが私のために握ってくれたおにぎりはいつも決まって美味しいのだった。

おにぎりに限らず、誰かに作ってもらったご飯は美味しいし嬉しい。
毎日過ごしていると忘れてしまいそうになるけれど。

大切な人にご飯をつくる時、その人のことを考えて献立を決めたり、スーパーで材料を選んで、時間をかけて料理をする。
それってとても素敵なことだと思う。
つくる側になって初めて、結構楽しくて幸せな時間だと気づいた。

忙しくて面倒な時もあるけれど、誰かを想ってつくることや、誰かが私を想ってつくってくれるご飯を、もっと大切にしていきたいと思う日々である。




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