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AIを使う側になるために抽象の軸をもつ|本の紹介

記事を見つけていただき、ありがとうございます。
私が読んだ、素敵な本を紹介します。

「AIに使われる人」にならないためには

AIの発展は驚異的なスピードで進化しています。そして、私たちの生活に多大な影響を与えています。

この進化の中で、私たちがAIに取って代わられないためには、具体と抽象の概念を理解し、活用する必要があります。

AIに取って代わられないためには「考えること」、つまり、「抽象概念を操作する」力を鍛えることが大切です。

しかし、この「抽象概念を操作する」大切さを理解している人は限られています。社会の価値観は「知らない人より知っている人が偉い」という、知識量の軸に支配されているからです。

そして、「知っている人が偉い」価値観は、インターネット、SNS、動画の普及で、更に加速されています。抽象的な概念に興味がない人は、本や長文を読まなくなり、ネットや動画などの「簡単な方法」で情報を得るようになっています。

簡単な方法でしか情報を得ることができなくなれば、AIに使われてしまうのです。

具体化と抽象化という「自分の頭で考える方法」を使って、正解がない現実の問題に対する、「自分なりの答え」を出していきましょう。

人の知的能力

本書では人間の知的能力を、抽象化力を縦軸、知識量を横軸とした三角形の図で表しています。そして、知の発展は、正三角形が大きくなることで表しています。

知の発展=考える力の発展は、横軸である知識量と縦軸の「抽象と具体」の上下運動がセットになっているのです。

人間の知的能力と知の発展モデル

抽象化と具体化とはなにか

抽象化とは以下があります。

  • 線引きすること

  • 自由度を上げること

  • 都合のいいように切り取ること

  • Whyを問うこと……など

現実でおきた事象を抽象化するには、例外を切り捨てたり、線引きをしたりして、一般化します。

具体化とは以下があります。

  • 引かれた線の中を詳細化すること

  • 自由度を下げること

  • 数字と固有名詞にすること

  • Howを問うこと……など

抽象的なことを具体化するには、多様な情報や知識の量が重要になります。

不毛な議論の原因

SNSで議論が起きている場面を見たことがあるでしょうか。例えば凶悪事件が起こると「加害者の人権を認めるべきだ」「自分の家族が被害者でも同じことが言えるのか」というような議論が起きます。

このような繰り返し起きる「不毛な議論」の原因は、具体と抽象のレベル自体が認識されていないことです。

「加害者の人権も認めるべき」というのは一般論であり、抽象度が高い話です。これに対する反論である「自分の家族が被害者でも同じことが言えるのか」というのは、個別で具体的な話です。具体と抽象のレベルが異なる空中戦になっているのです。

具体と抽象レベルが異なる状況を少しでも減らすために、前提条件を明確にしていきましょう。

抽象→具体はマジックミラー

抽象の世界は、見える人にしか見えない世界です。逆に、具体の世界は誰にでも見えます。

抽象も抽象も見える人からは、具体しか見えていない人は見えますが、逆は見えません。

「気づいた人」と「気づいていない人」の関係は常に同じです。「気づいた人」は、多くの人に訴えたくてしかたがなくなりますが、「気づきたい人」にしか届かないのです。

このnote記事も「気づきたい人」にしか届きません。大きな独り言なのです。

本『「具体⇄抽象」トレーニング』について

本書は、「人間の知的能力」「抽象化」「具体化」とはなにかを解説しています。そして、ところどころに、具体化と抽象化の回路を鍛えるような問題が散りばめてあります。

目次

  • はじめに

  • 第1章 なぜ具体と抽象が重要なのか?

  • 第2章 具体と抽象とは何か?

  • 第3章 抽象化とは?

  • 第4章 具体化とは?

  • 第5章 「具体⇄抽象ピラミッド」で世界を眺める

  • 第6章 言葉とアナロジーへの応用

  • 第7章 具体と抽象の使用上の注意

  • おわりに

著者

細谷 功(ほそや いさお)
スビジネスコンサルタント、著述家。1964年、神奈川県生まれ。(株)東芝で技術者として勤務の後、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等で欧米系コンサルティング経験を経て2012年より(株)クニエ コンサルティングフェロー。
問題発見・解決や具体⇄抽象等の思考力に関する講演や研修を国内外の大学や企業などに対して実施している。
著書に『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』『問題解決のジレンマ』(いずれも東洋経済新報社)、『「Why型思考」が仕事を変える』『メタ思考トレーニング』(ともにPHPビジネス新書)、『なぜ、あの人と話がかみ合わないのか』(PHP文庫)、『具体と抽象』(dZERO)などがある。

まとめ

本書では、具体と抽象を往復する「考える力」を身につけることが、「AIを使う人」になると説いています。

  • 人の知的能力は、具体抽象力と知識量のセット

  • 抽象化の力を鍛えると見える世界が変わり、無駄な議論が少なくなる

  • 抽象の世界は、抽象化の力がある人にしか見えない

本書を参考に、ぜひ能動的な考える力を身につけて、自分の人生を切り開いてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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「考える力」を鍛えたい方は、最初のステップとしておすすめの本です!気になった方は読んでみてください😊



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