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コメディー映画が好きだ。「いつだってやめられる」三部作

前回の記事でも書いたようにこの時期に気になることと言えばアカデミー賞の行方ですが、感動ものの素晴らしい作品は数あれど、時期的な反動もあってか、常に私が求めいているのか、コメディー映画が大好きです。

特に煮詰まった時とかどうしようもなく落ち込んでいる時に観るコメディーは格別で、とにかく「ほんの少し」ですが癒されます。

今回の私は特に落ち込んでいたわけではないけれど、ずーっと見たかったイタリアのコメディー三部作「いつだってやめられる」がやっと観れたので嬉しさのあまりのアップです。

やっぱりコメディーに必要なのは義理人情と哀愁。笑いと悲哀は表裏一体、お互いを高めあってこその存在です。だからこそヒットするコメディーはリアルに風刺を入れてくるし、庶民にとっての社会問題が必要不可欠。爆笑した後にほろりとくる作品が一番です。

そういえばアカデミー作品賞ノミニーの中に「グリーンブック」という作品がありますが、この監督はあのコメディーの名作「メリーに首ったけの」ピーター・ファレリーです。あの作品はもう20年も前のものだけど、その後だってずーっとコメディー監督としてやってきた彼ら。(兄弟で監督業をやってました)今回は兄のピーターのクレジットの作品だけど、ゴールデングローブ賞ではやはりコメディ部門での受賞でした。日本での公開日はまだ先なので鑑賞はできていませんが、きっとほろりとさせるコメディーの名作なんだと思います。四年前ですがアダム・マッケイの「マネー・ショート 華麗なる逆転」が作品賞にノミネートされたのも記憶に新しいです。彼もまたコメディー畑の監督です。やっぱり機を熟したコメディー監督はすごいみたいです。

さて今回のこの「いつだってやめられる」三部作。一作目のヒットを受けての二、三作目の製作だったみたい。頭脳明晰なのに研究費削減によって虐げられたイタリアの頭脳たち。日本でいうと蓮舫さんの「二番じゃダメなんですか?」みたいな政治的な話になると思いますが、イタリアも大変そうです。大事なポイントは教授だからってお金持ってる人ではないってこと。アメリカで大ヒットしたドラマ「ブレイキング・バッド」もそうですが今や頭がいいからってお金になるわけではありません。つまり宝の持ち腐れってやつで教授だろうがなんだろうが低賃金で、資格や博士号を持っていてもその辺でバイトしないと生きていけないのが現実です。
そんな世間に見捨てられた教授たちがその頭脳を思う存分?活かして考え出した金儲け。この時点ですでに道徳心とかは消え失せてますが、彼らも社会の犠牲者です。生活のためにはそんなこと言ってられません。

一作目の始まりはまさにイタリア版「ブレイキング・バッド」だったけど、だんだんと「ハングオーバー!」三部作みたいにもなって来ます。こっちは同じコメディーだからだろうけど、過去と現実が入り混じった構成だったり、伏線回収に余念がなかったりするところが似ています。
二作目と三作目は同時に撮影していたようで、三作目がちょっと雑になってしまったかなぁという印象はあるけれど、三部作として見れば笑えてハラハラしてほろりとする大満足な作品でした。ちょっとだけ癒されたい人は是非。

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