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「癌」ってジツは怖くなかったという話Part1

「あなたの癌、私が治してあげる!」

40歳を目前に控えた私Booはある日突然、医師から「余命半年」と告げられる。これぞ晴天の霹靂。頭の整理もつかないまま医者から言われるがままに抗がん剤治療を続けるも効果はなし。ただ辛い思いをしながら死を待つしかない僕に力強い言葉を投げかけたのは最愛のパートナーPeeちゃん。Peeちゃんは普段から底抜けに明るく根拠のない自信に満ち溢れてる、ちょっと天然な彼女の普段と変わらないといえば変わらない”いつもの発言”だけど今回ばかりはあまりに非現実的。僕を元気付けようと必死に明るく取り繕ってくれてるんだろなとその時ばかりは思っていましたが…なにせ僕の1回目の癌ときたら現代医学では根治不可能と評判の、食べログ評価なら4強クラスの「腹膜播種」という超難敵。そして2回目は「膵臓がん」というこれまた厄介な病気。これ絶対ダメだろ!と普通なら思うほどの出来事なんですがしかし!僕のそんな思いとは裏腹にPeeちゃんは本気で僕のお腹の中に巣食うラスボス達に正々堂々の宣戦布告。そしてPeeちゃんの考えたその取り組みで見事2度の大勝利を収めるまでの様子を綴っていこうと思います。


最愛の人との出会いから良くも悪くも変化する自分。


僕Booはざっくりいうといわゆる夜型の不規則な生活を好むタイプ。逆にPeeちゃんは規則正しい生活を好むタイプ。食の好みも合わなければ趣味趣向、考え方もまるっきり違う。共通することといえばお互い血液型がO型ってくらいなもんで、今考えると良くここまでやってこれたなと思うほど全くタイプの違う二人なんですが、そんなPeeちゃんと僕は友人の紹介で出会ってしまいます。彼女は僕の事をなんとも思ってなくて僕が一方的に好意を持つという男女の出会いあるあるからスタートするわけですが、明るく、よく笑い、心から人生を楽しんでいる彼女と一緒に人生を送れたなら幸せだろうなというイメージが彼女にも伝わったようで交際がスタート。お互いバツイチ同士で彼女には当時小学校低学年の女の子と幼稚園生の男の子の二人の子供がいました。


ちょっとだけ僕のバックグラウンドもお話しておきます。
両親は早くに離婚し、その後もヤンチャな母親の度重なる再婚、離婚のおかげで引っ越しと転校を数えきれないほど繰り返し、三兄弟全員種違い(Booは長男)というちょっとおもろ過ぎる家庭環境で育ちました。ちなみに現在、母親はハワイで白人男性と結婚して幸せに暮らしているようです笑。ポジティブに捉えるならそんな母のおかげで「飽きのこない人生序盤」を送ってこれたと思ってますし今の自分の構築する過程においては貴重な時間だったなと思ってはいるんですがその反面、僕のネガティブな部分を創り上げた経験でもあったと思います。例えば、時々友達の家に夕飯お呼ばれする時に見えるTHE家族!って光景。当時の僕にはとっても眩しくて、どこか直視できない劣等感みたいな物を感じていましたし、そういう機会がある度に母親に対していつもいわゆる「普通の安定した家族」という形を作ってほしいと望んでいました。そのせいか家族というものにとても強い憧れを抱いていたのは正直な気持ち。しかしPeeちゃん達と出会い、こんな僕にもやっと家族ができたような、遂に来た俺の時代!と嬉しい気持ちになったのを覚えています。


Booネガティブ要素その2。夜の仕事をやって生計を立ててくれていた母との会話の時間もあまりなかったせいか、自分の気持ちを他人に言葉で伝える事がとても苦手な、ややコミュ障気味なスペックで育ってしまいましたが時間は皆に等しく、いつまでも子供のままではいられずその時はやってくる。不完全な形とはいえ僕も大人になり社会人デビューをすることに。大人になることに物凄く自信がなかったのを鮮明に覚えています。小さい頃から絵を描いたり文字を作るのが好きだったこと、あんまり人と話さないで良さそうな職業というイメージでデザイナーという職業を選択。後に様々なきっかけで大病を患うわけなんですけど、自分を構築してきたバックグラウンドが時に自分の体を蝕んでしまうこともあるっていう「これぞ悪い見本」ということを覚えておいてください。

一度仕事に入ると気が付けば夜中の2時3時ということが当たり前の生活で独身の頃の食生活もまぁ今考えれば酷いもんで、とりあえずお腹が満たされればなんでもいい、とにかく1秒でも早く自分の世界に没頭したい、おまけにタバコもプカプカというかなり偏った生活を送っていました。「健康維持は規則正しく食べることだよ。」「Booは生活習慣が乱れてるから病気にならないか心配。」が口癖で特に食事に関してはうるさかったPeeちゃん。趣味の釣りに出かけるときでさえ毎回お弁当をこさえて持たせてくれる徹底ぶりでしたが、Peeちゃんが懸念していたことが現実に…



幸せから一転、忍び寄る恐怖…



スポーツをすることも大好きだった僕は、長男が少年野球チームに入ってくれた事がとても嬉しくて、長男ももっと上手くなりたい!ということで毎日一緒に練習することになりました。最初は野球なんてやったことなかったので息子に付き合う形でスタートしたんですが、目に見えて上達する息子の姿を間近で見ることが楽しみで、学生時代サッカー人だった僕がいつの間にかコーチとして息子と同じユニフォームを着てベンチに入るほど一緒にのめり込んでいき、2度目の青春を長男と謳歌していたある日…チームの練習を終えて泥だらけの長男と帰宅している途中、胃の異変を感じます。前日に食べ過ぎたせいで胃がもたれてるんだろなとこの時は思ってましたが、その日を境に吐き気、嘔吐を繰り返すようになり、お腹の張り、日に何度も原因不明の腹痛に見舞われるように。スーパー食いしん坊の僕はそれでも食欲はありましたし「ただ単にお腹の調子が悪いんだろう」ぐらいにしか思わず、胃薬や整腸剤などを飲んで様子を見ていましたが一向に良くなる気配がない。Peeちゃんから「一度病院に行って診てもらいなよ」と言われ、渋々総合病院へ行くことに。

そして当日。朝から検査が進んでいく中で明らかに様子がおかしい。医師を始めとする病院スタッフが妙にソワソワしているのがはっきり見て取れる。なんか嫌な予感がするなぁ…と思ってましたが案の定

担当医「後日精密検査をさせていただきたいのですが…」と来た。

僕「何か重大な病気でも見つかったんですか?」と聞くと

担当医「まだ断定はできませんが気になる部分があるので念のために」

僕「めっちゃ気になるじゃないですか、せめて何の疑いがあるか聞かせてもらえませんか?」

担当医「今ははっきりしたことは申し上げられません」

というしばしの押し問答の後、とりあえず精密検査の日程を決めて病院を後にする。帰りの車の中でどうしようもない不安と恐怖に苛まれ、車を停めてPeeちゃんに電話をする。一体僕の中で何が起きてるんだ!?


どうなる!?俺!!


続く。



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