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都心だからこそ感じた「わびさび」。そうだ、赤坂離宮へ行こう!

ふと、赤坂は行くけど赤坂離宮って見たことないな、中に入れるのかな?と思い、「迎賓館赤坂離宮」に出向いてみた。


とても素敵な一時だったのだが、思わぬ形で「わびさび」を感じることがあった。

わびさび、侘び寂び。
この質素であり未完成ながら、だからこそ強くて儚いと思わされる日本の文化。

この「わびさび」をどう都心で感じたのか、迎賓館の感想を含めて、お話していきたい。

▶和風別館「游心亭」

海外からのお客様を招く場所なのに洋風建築の迎賓館。そのため隣に建築されたのが、この和風別館「游心亭」である。

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エリザベス女王から送られた木などが植えられた素敵な庭園を抜けていくと、都心とは思えない穏やかな空間が広がっている。

今の時期は紅葉が美しく、まさに和風!といった風景だ。写真もご覧の通り、何を撮っても映える。

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別館側から見ても美しい。赤坂という都心のど真ん中に、こんなにも広い空、そして美しい景色があったなんて!!

ここではまだ「わびさび」を体感していなかった。
美しい!と感動するに留まっていたのだ。

ところで、写真にあるこの池、覚えている方もいるかもしれないが、安倍氏とトランプ氏が鯉に餌をやっていた池である。

当時、トランプ氏が餌の入ったマスをひっくり返して餌を大量投入している写真がメディアを賑わせていた。

游心亭の中に入り(撮影禁止なので写真はないです…)、彼らが餌やりをしていた場所に立ち、鯉を眺めた。

すると、衝撃の事実がガイドさんから告げられた。

なんと、この池は元々は水の反射(ゆらぎ)をさせるために作ったものだったのだが、当時の首相だった田中角栄氏が鯉を放ちたいと提案。水深を掘り下げて池に変え、鯉を放ったという。

鯉が泳ぐのは華やかであるが、水が反射した際に生まれる「ゆらぎ」。この自然の輝きは、建物内に入り込み、部屋の天井をも震わす。室内でも波を感じられるよう設計されている。

首相の一声で、建築を変更できるのか……。

そう思った矢先だ。
和風別館の中に小さな坪庭があるのだが、それは青々とした竹林をバックに、白い砂が敷き詰められ、貴船石が三つ佇む空間だ。

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(↑パンフレットの写真です)

一風変わっているのは、枯山水形式の庭であるのに、白い砂に模様が描かれていないということだ。

ガイドさんが言う。元々は貴船石は置かれておらず、竹林と白い砂のコントラストだった。しかし当時の首相だった中曽根氏が、貴船石を置くことを提案。枯山水のように模様を描いた。ところが、建築の仕様上、その模様を保つことが不可能であったため、現在のようになっているとのこと。

口に出してはいけない感想を一言。
あれ、……いろいろ蛇足では?

あくまで個人の感想なので見逃して欲しい。でも、私は首相の一存で変更、否、追加されたものたちが少々うるさく見えた。

シンプルなゆらぎ、シンプルなコントラスト。心を落ち着かせ、でも美しい。何か物足りないと感じる前に、よーく見てみる。時間や天気によって変わる自然のスポットライト、青々と生きる竹と一つ一つ大きさの違う真っ白な石、どれも浮き出てくる。と、目の前には存在しない元々の景色を想像した

まさかこんなところで、日本の「わびさび」を考えさせられるとは。
少し頭を抱えながらも、洗練された和風別館を楽しんだ。

▶ビル群の中にある迎賓館

この迎賓館、赤坂にあるのだから、周りはビル群だ。

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しかし、計算しつくされた建築。まるでビル群は見えない、素晴らしいお出迎えである。

ビルが見えないように、庭の木々も計算されて植えられているとのこと。確か、東京ディズニーリゾートも外が見えないようになっていたような。

だが、広場からちょっと場所を離れると、やはり幾つかの高層ビルが垣間見える。どんどんビルは建築されていく。

ガイドの方がこんなことを漏らした。
木が育つよりもビルが建つ方が早い」と。

そうやって、周りを見てみると、なんだか感慨深いものがあった。

遮るものがない大きな空、生い茂る木々、美しい建築。計算され尽くした迎賓館に、まさに「蛇足」と言わんばかりに突き出た幾つかのビル。

それはとても奇妙で、でもどこか美しかったのだ。

現実離れした場所に現実が見えるからこそ、より現実離れを感じるというか。本当に「赤坂」にいると理解した上で、自然の美しさを感じられたというか。

言葉にするのは難しいが、残念なビルたちを含めた空の景色が、どこか美しいのだ。

曇り空のキャンパスにちょびちょび飛び出るメタリックとそれに追いつこうとする緑が、逆に空の大きさを教えてくれているように思える。

余白の美しさ。
「わびさび」とは程遠い景色に「わびさび」を感じてしまった。


▶オススメです!

そんな迎賓館、大学生の私は1000円で通常入場でき、500円課金するだけで和風別館(ガイド付き)が見られるというコスパの良さ!!

大人も和風別館付きで2000円です!
国宝や一流の建築物や自然などを見ることが出来て、ガイドも付いて2000円。とてもお得だと思う。

大都会のど真ん中のオアシス。どの季節に行っても、四季折々の景色が楽しめるそうだ。

まだ行ったことない方、旅行の方、是非行ってみてほしい。
そして各々の「わびさび」を感じてみてほしい。


🌈最後までお読みいただきありがとうございます

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