子育ての言葉、ちょっとした呪い
先日、娘を連れてとあるお店へ。
「かわいい〜!」と話しかけてくれた店員さんは、元助産師さんとのこと。会話が弾むうち、「もう首すわってますか?」と聞かれました。「ですね〜、もうほぼすわってますかね」と答えると「早いですね!」と彼女は話していました。
娘は予定日より2週間ほど早く生まれたこともあり体が少し小さめ、発達は平均よりややゆっくりめなので、決して首すわりが早いほうではありませんが、おそらくその方は会話を弾ませるために早いですねと言ったのかと思います。
早くても遅くても私はなんでもいいのですが、思い返せば、世の中で広げられる他愛のない子ども関連の会話の中には、
(発達が)早いですね
(身体が)大きいですね
ってよく聞くなあと思いました。
逆に、
(発達が)遅いですね
(身体が)小さいですね
ってなかなか聞かない。
思っていても、言う方はおそらく殆どいない。
けれどそれって、
発達は、遅いより早いほうがいい
身体は、小さいより大きいほうがいい
という固定観念のようなものの表れなのかなぁと感じます。発する本人は何の気無しでの言葉だと思いますが、その言葉を受け取る側は『早いと言われて少しホッとする』『早いほうがいいんだ』という、ちょっとした言葉の呪いのようなものをもらうのではないでしょうか。
赤ちゃんの身体の発達は、本当に人それぞれ。平均的数値はあれど、そこに "遅い早い" の言葉が無意識に生まれてしまうことが、私は子育ての不安や恐れに繋がるのかなあと感じた出来事でした。
どんな子でも、その命をもって日々を生きているだけで尊く素晴らしいものです。心配してしまうことも多いけど、遅い早いなんてどうでもいい、とすべての子育てをする方が思えるような社会になったら嬉しいなあ。
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