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23 ぱりっと朝刊めくってクロワッサンの秋

 句集「むずかしい平凡」自解その23。

 これは軽い句。とくに解説も必要ないかもしれませんね。

 朝刊を読みながらの朝食。朝刊をめくる音が「ぱりっと」した。そして食卓にはクロワッサン。なんだか、秋になったなあ。それだけの句。

 それでもとりあえず解説をすると、「ぱりっと」「めくって」「クロワッサン」といった跳ねる音が多用されているというのがこの句の特徴ですかね。あんまり音にこだわりすぎると嫌味になるんですが、これはそれほどでもないから許されるでしょう、と思った次第。とりあえず、跳ねながらも最後は「秋」と締めているからね。

 すーっと涼気が動き始める秋の朝。クロワッサンとコーヒーの食事。いいですねえ。

 実際には、こんなおしゃれな朝食ではなく、ごはんとみそ汁。クロワッサンというのは、そんなおしゃれな朝食だったらいいなあ、というありえない願望。一瞬、夢がクロワッサンを駆け巡ったんですね。(笑)

 そういう妄想が句を呼び起こすこともあります。

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