補助金申請という怪物
前回までのあらすじ:
俺は社長に就任した。
25年経過した設備は改修しなければならず、セントラル空調を個別エアコンに改修する決断をしたのだが、問題はその費用の捻出だった。
工事費2千万円をまかなうため、俺は補助金をもらうことを考えた。
県の補助金の中でちょうど良い内容のものがあったんだ。
補助金の案内は、定期的に県から届いていた。
補助金を使う会社なんてあるんだろうか?
などと思っていた俺が、補助金を申請しようとしている。
時代は移りゆくということだ。
しかし、補助金申請なんて初めての経験。
まずは、県の担当課に連絡してみる。
実は、俺の前に、仕事を頼んでいる税理士事務所から連絡を入れてもらっていた。
ほどなく、税理士事務所から電話があり
「無理だと言われました」
の一言。
「あ、ああそうですか。ありがとうございました。」
俺はお世話になったお礼を丁寧にして、電話を切った。
が、正直大大大ショックだった。
どういうことだ、絶対使えるはずなのに、、
あまりにもあっさりすぎる。簡単にあきらめないでくれ~。
人に頼むというのはこういうことだ。
そこで、俺は、自分で連絡を取らなければと覚悟を決めた。
本当にビビるよなあ。県庁に電話するなんて。
そして、機械的な言葉に打ちのめされる。
突然電話をして、補助金が使えないか根掘り葉掘り聞く俺。
担当者といっても、他にもたくさん仕事を抱えてるんだろうなあ。
いやいや、引き下がるわけにはいかない。
こちらは生き死にがかかってるんだ。
何度も食い下がった。
というのも、
補助金を紹介するファイルには最低限のことしか書いていない!!!
そこだけを見て、使える!と思っても、更に取り決めがあることがほとんどで、それを県の職員は機械的に説明して使えないと言ってくる。
補助金を申請する場合、まず、担当者とのこのようなやりとりを経なければならない。
なぜなら、軽いノリで補助金は出せないからだ。
それは、人々の税金を使うからに他ならない。
いただく方にとっては本当にありがたい話だ。
俺は、今回の工事に当てはまりそうないくつかについて、1つずつ確認していった。
しつこく細かく聞いていき、ようやく引っかかった。
「それなら使えます」
つづく
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