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映画「ザ・サークル」:秘密は嘘。全てをシェアする世界は到来するのか(ネタバレなし)

SNSであんまりシェアする習慣がない、にんげんです。
皆さんは、SNSでよくシェアします?初めは抵抗あったけど、いいねが来ると嬉しいから、つい更新しすぎちゃうなんて人もいるかもしれません。
僕もたまに更新すると、友達から反応がないか、ソワソワしちゃいます笑

映画「ザ・サークル」を見て、色々面白すぎたので、シェアします😁

▶あらすじ

内向的な派遣社員のエマ・ワトソン。友人の紹介でSNSの大企業「サークル」に入社することに。この会社の人たちはみんなパワフルで、正義感があって、陽キャ。戸惑いながらも、一生懸命仕事をこなしていくエマ・ワトソン。そして、とあることがきっかけで、エマ・ワトソンが新プロジェクトを任されることに。そのプロジェクトのテーマは、”全てをシェアする”。エマ・ワトソンの洋服、家、実家の家にも、隅々まで小型カメラをつけ、ライブ配信する。世界中の人たちが彼女の生活の”全て”を”シェア”できる。この会社において、「Secrets are Lises」(秘密は嘘)。本当に全てがシェアされる世界がより良い世界なのか。SNSが普及したこの現代に疑問符を投げつけた作品。

▶見どころ

◎エマ・ワトソンが美しい
今回演じるのは、内向的で自然を愛する女性。僕の中では、秘密の部屋で止まっていたので、新鮮でした。

◎今も進歩するSNSへの問い
この作品の伝えたいことは、誰が見ても、これ。今、人とのつながりはオンライン上が当たり前となり、コロナにより、なお加速されました。
人の新たな欲求となりつつある、”シェア欲”。この欲求を満たすための進化は本当に人類にとって有益なのか。立ち止まるのは今なのではないか。
そんなことを問いかけているようでした。

▶考察:もし、全てがシェアされたら

本作品では、政治家のメールの送受信、お金の行き先を見える化、つまりシェアすることで、不正がなくなると述べられています。また、有権者の全員にSNSの登録を義務化し、社会保障関係や政治投票なども一括保存することで、国の経費が大幅に削減されるとも述べられています。

全てがシェアされれば、不正を働く人は現れず、平和で平等な、理想家の理想のような世界が誕生します。この世界の条件は、簡単。全世界の人が情報を公開し、シェアすることです。今のハイテク技術なら可能であり、近い将来取り入れる国があってもおかしくありません。

問題は作中でも述べられていますが
技術の問題ではなく、モラルの問題です。
誰だって誰にも見られたくない、”シェアしたくない”ことがあって、プライバシーは守られるべきだ。完璧な人間などいなく、非のある人を見境いなく、避難すべきではない。対立する意見もお互いを尊重すべきだ。
本作品が僕にこう訴えかけているようでした。

おそらく多くの人は、「そうだ。シェアのしすぎはよくない。」「プライバシーは守られるべきだ。」「今のSNSの見直しが必要だ。」と思われたと思います。僕もその一人です。
しかし、シェアが当たり前の世代が誕生したとしたらどうでしょうか。この理想の世界は実現可能、いや、必ず実現するかもしれません。

僕は今25歳で、スマホを持ち始めたのは高校生のころ。高校生のころからSNSをしていますが、日常のことを発信することに抵抗があり、そこまで更新するタイプではありません。同世代で頻繁にSNSを更新する友達もいますが、もちろん全てをシェアしているわけではなく、自分なりにプライバシーを守りながら更新しています。

しかし、今の高校生で流行っているアプリを知って驚きました。自分の位置情報を共有するSNSがあるというのです。↓↓↓

このアプリ内で、友達同士の位置情報がシェアされ、メッセージをやり取りするそうです。ユーザーの満足度は高く、「家に帰った瞬間、友達から『おかえり』とメッセージが来ると嬉しい」ようです。

「このアプリがおかしい。若者の感覚が狂ってる。」
と反射的に思ってしまうのは、おじさんとして、僕を含め当然のことかもしれません。しかし、”イマドキ”の感覚を”狂っている”で一掃するのは、芸がありません。この若者たちが20年30年後、社会で主力として働き、子供を生んでいくのです。つまり、”狂っているイマドキ”の感覚がスタンダードになる日は必ずやってきます。そして、このシェアする感覚は加速していきます。現実世界に「ザ・サークル」が誕生することは、不可避かもしれません。


ですが、安心してください。
「ザ・サークル」が誕生した日には、
あなたのようなシェアを嫌う人はいないはずですので。


そう考えると、怖いな~。
でも、怖いって感覚が怖いのかな。

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