日本スタートアップエコシステム激震の足音〜ハゲタカファンド再起動〜旧村上ファンドvsジャフコ
ジャフコといえば、日本のスタートアップ業界では、主にIPO手前のミドルまたはレイターステージで活躍するVCとして知られている。
ジャフコの成績不振は前々から叫ばれていたが、ここにきてまさかの15%の株式をあの旧村上ファンドが取得していると報じられた。
さらに旧村上ファンドはジャフコ発行株式の51%を取得すると宣言している。TBO(敵対的買収)といえばかつての村上ファンドの十八番であったが、ここにきてスタートアップ界きってのVCが事実上の買収の形などになれば日本のスタートアップエコシステムは激震するだろう。
これには良い面も悪い面もある。
日本のスタートアップの多くは上場できたとしても、上場後まもなくで株価が低迷してしまうことが指摘されている。勿論、HENGEやカオナビなど例外もある。
しかし、多くは株価が低迷しているのも事実。
この問題をもろに受けるのがミドル・レイターでリスクを受けるのがジャフコというわけだ。
進んだステージの投資は、シード、アーリーよりクローズや倒産のリスクが少ないとは言え、上場後に低迷するスタートアップが多い上に、株価のバリュエーションがシードやアーリーのような化ける伸びがないため、リターンが少ない。
これは前ZOZOの前澤さんがDAO事業を始める上での現状のマーケットイシューとして語っている。
このミドル・レイターの最大手の一角が崩れると、コーラルやグロービスも投資ポリシーの変更などが行われそうだ。
また今回の騒動で旧村上ファンドに軍配があがった場合、スタートアップにとってIPOを見送るトレンドになった今年のマーケットの中で、さらに至難の業となる選択肢になりかねない。
一方でアンデット化、いわゆるゾンビ企業になる前に大企業にグループインする流れができるのもそれはそれで良いかもしれない。