食についての一考察

こんにちは.すっかり秋が深まってきて,日も短くなってきましたね.

投稿が少し空いてしまいましたが,おかげさまで,この数週間は非常に濃い時間を過ごさせていただいています.その中でこの記事で書きたいことは食についてです.長い文章なので,結論を先に述べておくと,自炊を心からおすすめしたい(頻度や時間は皆さんにおまかせします)です.

皆さんは,食事についてどのように考えているでしょうか.現代の日本は,(特に都市では)道を歩けばコンビニ,ファストフード,チェーン店と食事をするという行為を成立させられる場所が,常に目に入ってくるんじゃないかなと思います.気軽に入って何の気なくおいしいものが手に入る環境とも言えますよね.毎食コンビニという方ももしかしたらいるかもしれません.

断っておくと,私自身もたくさん利用させていただいていますし,特に精神的な不調の時は,食べることすら気を使いたくない.楽に済ませたいという思いから,食べるものがない→コンビニ行くかというループに陥っていました.助けられたこともたくさんあるんですよね.その体験からコンビニが持つ機能自体は非常に便利なものだと考えています.コンビニというものが成り立っているのもそこで働く人がいてこそですので,一概にコンビニそのものを否定することはできません.

それを踏まえて,食というところに戻ってくると,食べることはすなわち生きることである→食べるためには食事を用意する必要がある→用意する方法は様々あるが,それを自分の手で用意するには,食事を作る必要がある.すなわち料理をする必要があるということですね.

生きるということに密接につながっている食べるというものは,自分で食事を作る(もっと言うと自分で食材を作る→農)>食事を作ってくれる人のところに食べに行く(レストラン,飲食店)>事前に作られた食事を買って食べる(コンビニ弁当など)につれて,徐々に自分という存在から遠ざかっていくように感じます.「食の外部化」ということを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません.それに対して,これで本当にいいのだろうか.なんでこうなってしまっているんだろうかと疑問が湧いてきました.

この話をするきっかけを得たのは,とある方の手伝いで,食材をすべて余すところなく使った料理を作り,100食売ったという経験からです.食材一つ一つは命の塊であり,食材に対するいたわりを持ちながら食材を切り,食材の可能性を最大限発揮させるための実践を繰り返す.それによって作られた料理は,頭が吹っ飛ぶくらい美味しく,悶絶してしまいました.人間は命をいただくことによって生きることができる.それに向き合った一日でした.

終了後,お店でラーメンを食べたのですが,美味しい.しかし,さっきいただいたものと何かが違う…家に帰った後もその違和感がずっと残り続けました.一つの違いとして気づいたことは.ラーメンを食べた後に口に残り続けていたのは油.ぎとーっとまとわりつくような感覚がずっと続いて,あまり気持ちの良いものではありませんでした.

一緒に作らせていただいたものと何が違うのかを考えた時,まず第一に,作るという行為が自分のものであるかどうか.第二に油,糖に偏りすぎているということだと感じました.

作るという行為を自分のものにするには,自炊をするということですが,この体験をきっかけに完全に自炊に目覚めたように感じています.誰かと食事をしに行く以外に,自分一人で食べるときは食事を外部化することにあまり価値を感じていないともいえます.もちろん自分で作り出すことのできない料理や飲み物もありますので,それを体験するという意味では外に食事行くこともあるでしょうが,自分に合った食事を自分で作れるようにするということが,食を自分のものにする第一歩なのではないかと感じます.

自炊に再び火がついて思うようになったことは,自炊をすることによって身につく時間は,「待つ力」なのだと感じています.食事を自分という存在から遠くすればするほど,食事が手に入る即時性というものは上がっていく.すなわち待つ必要がなくなっていく.昨今のタイパというものの正反対を行くようなものであると思いますが,だからこそ今必要なモノなんじゃないかと感じています.

超個人的な意見をつらつらと書いてきましたが,自分というものがここにあることをより確立していくためには,どの程度外部に頼っているのか,それは能動的に頼っているのか,受動的に頼っているのか,それを整理,分析しながら,どのくらいの塩梅にするのかを日々アップデートしていくことが,自分というスタイルを確立していく一歩なのではないかと思います.

すごく長くなってしまいましたが,ここまでお付き合いいただきありがとうございました.一日の残りも最高な時間になりますように.

それでは,また.

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