オススメのお店を紹介出来ない難しさ
先日、師匠がnoteにて「良いお店・良い着物とは?」という話を投稿致しました。非常に為になる内容で、参考になります。オススメです。
ところで、師匠の記事では「基本的にお客様にとっての。。。」という内容になっております。作家にとっての良いお店...となりますと、少しまた内容が変わってきます。
これは私が着物を着るようになってから、少し困っているところでございます。業界で11年程…しかも、フォリアで働いている...という経歴ですと「色々知っているんでしょう?」「詳しいのではなくって?」というような思いから「良いお店をご紹介頂けないかしら?」という事や「こちらのお店はどうなの?」というような事を質問される機会が増えました。
しかし、中々、答える事が難しいのです。
私が知っているお店...呉服店というのは、フォリアでお取引のあるお店くらいです。お取引先の事も実際には詳しくは知りません。私が自分で着用しております、自分の着物というのも、祖父母のお下がりや自分で染めたものが多く、お店で接客して頂きつつ購入した...というのアイテムは、ほぼありません。また、私が知っているお店がその方に向くか否かも別な話ですし...変な話、お客様にとっては関係のない、知らなくて良い事は知っている...という事もございます。
なんとかその方に有益な情報を提供したいと思うのですが、答えられない事が多く、最近ではもうハッキリと「お客さまにとっての良いお店と作家にとっての良いお店は違うようなので...良いお店というのは分かりませんが、何が欲しいとかどういうものを探しているか...どういう目的でお店を探しているのかによっては答えられるかもしれません」と答えるようにしております。
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作家にとっての良いお店...というのは、第一に普通にビジネスのルールを守ってくれるところです。そして、作家の作風を好いてくれて別注をするにしても、こちらの個性を活かしてくれるようなお店だと有り難く思います。欲を言えば、作家の制作や作品について理解があり、お客様にしっかり作家の意図や作品について説明して下さると大変嬉しく思います。
お客様にとっての良いお店...というのは、師匠の記事にあるようなお店だと思います。人によっては、自分のセンスと合い、気軽に遊びに行けるようなお店...という方や、要件をしっかりこなしてプライベートには踏み込んでこないお店...という方もいらっしゃるでしょう。イベントが多い方が良いとか、悉皆の方も信頼が出来るとか...小物も充実している方が良いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
本当に、人によって感じ方も考え方も違いますので、中々明快に「良いお店はココです!」と言い切れないのが歯がゆいですが、どうしようもないのが現実です。
作家にとっては良いお店でも、お客様にとってはセンスが微妙、店員さんが苦手...という事もあるでしょう。ですので、中々、難しいなぁ...と思うのでした。
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