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みちくさ

夏目漱石の「道草」を聴き終わったのですが、とても良かったです。聴き始めは「今回のお話はそんなに興味を持てそうにないわ」と思っているのに、途中から感情移入をしてしまい、最終的には「どうやって終わるのだろう...?」と興味津々になっているのです。夏目漱石の小説を聴き終わる度に、「人間(日本人)って変わらないんだな...」と思ってしまう内容が多いです。

言い回しについても面白い事が多く、道草では「ちょいちょい」という表現を使っていたのが面白かったです。

他にも、銘仙がどうの、近所のおばさんが着物を仕立ててくれた、この女は仕事(裁縫など仕立て)をする事ができないから...とか、織元さんが直接お客様に反物を売るシーンがあったり、業界的にも面白い描写が多々あり、とても勉強になります。

今ですと「昭和っぽい」というような表現が明治時代ですと「古風な元禄風の考え方の持ち主で...」等の表現になります。そうしますと、「そうか、明治時代の方々にとっては1つ前の時代が江戸時代だし、その時代のご老人は江戸時代の生まれなんだものなぁ...」と当たり前の事を、少し身近な事のように感じられ、とても良い経験になっております。


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