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2024年2月28日入院

 この日、私は仕事だったので、夫は入院の荷物をまとめ、電車で病院に向かった。人生で2度目の入院だ。実は今から20数年程前にも入院したことがある。その時は友人と飲みに行き、酔っ払って顔から思いっきり転んで顔面強打、前歯がほとんど折れてなくなってしまうという大惨事だった。私も若かったし娘も産まれたばかりで、当時の事はほとんど覚えていない。

話を戻して入院当日から点滴治療が始まった。当然絶食、禁煙だ。夫は腹減った、腹減ったとLINEを送ってくる。頭の中は食べ物の事でいっぱいだ。飴とかガムなら食べても良いとのこと。水分はお茶のみ。同室の患者さんたちは食事が取れるので食事の時間になると、いい匂いが漂うらしく、生き地獄だね、とLINEでやり取りする。

病院の面会は週に一度15分と決まっていた。例の流行り風邪のお陰で、当時と打って変わって面会は厳しいものになっていた。

入院2日目、再度血液検査を行なった。また数値が微妙に悪くなっているとのこと。更に黄疸の症状が出始めたと夫からLINEが来た。加えて、便が白いと言い出した。

ん?便が白い?それはヤバイから、先生に言ったほうがいいよ。とLINEを返す私。
なんか雲行きが怪しくなってきた。

ちょっと待って。膵炎ではないかもしれないってこと?

更に2日後、病状の変化から、新たに違う検査を受けることになった。
ERC(内視鏡的逆行性胆道造影)という何やら初めて聞く名前の検査だった。

胃カメラを入れて、胆管の方まで見るらしく相当に痛くて苦しい検査のようだ。

検査終了後、主治医から連絡が入る。なんか嫌な感じがする。
内容は、膵臓が腫れていて管が入らず日を改めて再度検査を行うという。
先生の見解では、自己免疫性膵炎か、もしくは癌かもしれないという事だった。

いやいや、そんな癌なんて、と。恐らく自己免疫性膵炎だろう。迫りくる不安をねじ伏せ、夫にも自分にも癌じゃないと思うよと言い聞かせた。


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