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成長=善が崩せない。給料増のためにも。成長しない会社って有り?(素敵なリーダーになりたい編_v4-46)

なかなかな難題に気がづいた。二律背反。

本を読んでいて気づいた難題:
「~自由主義は、私たちが直面する最大の問題である生態系の崩壊と技術的破壊に対して、何ら明確な答えを持っていない。自由主義は伝統的に経済成長に頼ることで、難しい社会的争いや政治的争いを魔法のように解決してきた。自由主義は、より大きなパイの取り分を全員に約束して、無産階級を有産階級と、信心深い人を無神論者と、地元民を移住者と、ヨーロッパ人をアジア人と和解させた。パイがつねに大きくなっていれば、それも可能だった。ところが、経済成長はグローバルな生態系を救うことはない。むしろその正反対で、生態系の危機の原因なのだ。」(「21 Lessons」ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社)

その通り、なのだろう。

そして、会社も当然ながら同じ状況。

自由主義・民主主義が、ファシズムや全体主義、帝国主義を抑え、でも、もちろん無秩序な自由ではなくて、法律・国際協調を規律に、世界に蔓延したように、独裁的・高圧的・主従的・圧政的にどうしてもなる会社なるものを、その逆の”やさしい”リーダーシップなるもので、規律的で人格的にも言動的にも模範たるリーダーの存在で、より自由・民主的に振ることができる。

なお、やさしいリーダーのやさしさとは、弱さ、八方美人、無関心、無責任、指導無し、とかではない。ある意味、精神的に強くないとやさしくなれない。部下/仲間を、前向きに積極的に挫けず挑戦させ、知的に人格的に成長させ、ビジョンに近づくべき、日々、挑戦・努力・学びを継続してもらうためのやさしさ。

そして、ビジョンに近づきつつ、事業が成長するからこそ、給料が増える。稲盛氏の言葉を借りると物心両方の幸福が高まる。だから、ストレス多き職場で、多様なひとびとの間の折り合いがつく。会社の共通ビジョンへの共感やすばらしいリーダーシップだけでは、立場も、価値観も、キャリアも、性格も、能力も、知識も、趣味も違う多様な人々が、折り合いをつけるのは困難だ。給料があがりえる、ことも必須要素。

なお、先に給料を増やすから、社員が頑張ってくれて、売上・利益が成長する、とも思う。だから、順番はどっちでもいいが、いずれにせよ、会社の成長が必要。

逆に、現状維持でパイが増えなければ、給料据え置き。将来不安で、結婚も子育ても出来ず、老後も不安で、この会社にいる意味が薄れる。ビジョンに共感し、リーダーを支持し、給料以外の安心感は満足とはいえ、給料が一生同じは厳しい。最初から800万円とか1000万円なら問題無いと思いえるが、世の中がインフレするなら、1000万円が充分とは言えない。

例えば、年収と幸福度を調査したら、年収650万円ぐらいで幸福度の上昇率が弱くなり、あとはゆるやかな幸福度の上昇だから、みんな650万円で天井ね。それ以上の給料増は無しね!なんて、誰がOKするのか? 今、1500万円もらっているひとは? 25歳で既に650万円のひとは?

あるいは、社内でゼロサムになるだけ。誰かの給料を増やすなら誰かを減らす。減らしたひとが辞めていって、より安いひとを採用する。「有り」ではあるが、現代の当たり前の「価値観」では、これでは”会社”の意味が無い。そして、これに変わる「成長不要」・「現状維持で素晴らしい」の「価値観」をどうしても持つことが(未だ)できない。。。成長=善が崩せない。。。

しかし、森を見ると、どの事業も会社も成長する場合、環境リソースを食い潰していくのだろう。自分の会社だけ成長し、あとは衰退あるいは現状維持、なんてことはない。会社の成長が効率化だけで達成されるならば環境破壊は止められるかもしれないが、効率化を提供する事業は効率化で成長しているわけではない。

悩ましい。やさしいリーダーを追求するが、成長を目指さず、社員の給料をあげない、なんてありえない。なんらかの価値転換が必要だが、それが今のところ思いつかない。

自分達が成長を目指すならば、世界中で成長を目指すことを否定できず。であれば、環境破壊は止めにくい。エネルギー革命を信じて、当面は木だけを見ることで自身を欺すか。

寄付や環境保全活動に積極的に取り組むとしても、本質的では無い。当然、事業という主活動と比し、量が圧倒的に少ない。それに、世界中で、最上の有産層のレベルに向かって、その下の相対的な無産層の全員が、目指したいのだから。一部の国々は貧乏のままで良いなんて言えないし、当人がそう思うことはあまり期待できない。。。

答えが無い。答えが出る迄は、やさしいリーダーで、社員の知的・人格的成長を実現しながら、事業の成長を実現するしかないのだろうけど。ま、こんなこと気にせずに、どうせ自分ではどうにもできないぐらい大きな課題だから、勝手に自分の事業を中心に考えれば良い、と思いたいようで、そう言いたくもないようで。。。ま、悩みながら、進むしかないのでしょうかしらね。悩むだけでも悩まないよりいいのかな。いや、行動が変わらないなら、悩む意味は無いか。。。

「素敵なリーダー」: 自社の事業的成長(売上・利益)と、社員の給料の成長と、社員の人格的・知性的成長と、でも、生態系の危機も抑えられる、そんな知恵・価値観が、無い。成長無しで良い・給料据え置きで良い、ならば会社を作って運営する意味がわからない、と今の価値観では思ってしまう。これを打破する答えを持てたら素敵なリーダーだ。。。難題だぁ。。。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。

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