見出し画像

リーダーに必須の、そしてリーダーだからこそ発揮できる2つの美徳

「あらゆる時代の若い人々のための物語」との冒頭記述から「王子と乞食」の物語は始まる。昔も今も、小説もアニメも映画も、外見の似た者が入れ替わる物語あるいは人格が入れ替わるファンタジーが多々。マーク・トゥエーンのこの作品は150年程前の1881年の「慈悲」に関するお話

この「慈悲」のお話、若い人々どころか、経営者・リーダーにこそ読んでもらいたいのだ。上に立つ者が、上に立つがために、権力を持つがために、部下が否が応でも従ってしまうがために、そして会社というものを社会に貢献させながら成長させるために、必ずに絶対に、持つべき特性が「慈悲」。

そして、この「王子と乞食」は「慈悲」についての先輩物語であるシェークスピアの「ベニスの商人」(1590年代後半に書かれたとされる)の言葉を引用する。

「慈悲の本質には・・・二重の恩恵がある。慈悲は、これを与える者をお受ける者をも幸福にする。最も力ある人にあっては更に最高の徳である。慈悲は君主にとって、その王冠にも幾倍してふさわしいものである」

岩波書店の「ヴェニスの商人」(中野 好夫訳)そのものではこう訳される:
「慈悲というものはな、強制さるべきものではない。慈雨が天から注いで、この大地を潤すようにだな、まさにそうあるべきもの。祝福は二重にある。慈悲は、まず与える者を祝福し、また受ける者をも祝福する。これこそは最も偉(おお)いなるものにあって、最も偉いなる美徳、人の君たるものには、その王冠よりもさらに相応しいもの」

ボクもそう思うのだ。「慈悲」とは、リーダーが絶対に持たなければならない、リーダーだからこそ発揮できる、最高の、偉大な「美徳」だって。

なぜなら、職場とはその特性として新しいことにスピード感を持って挑戦する場だから、必ずに失敗が多発するから。失敗があちこち。時に大きな失敗。でも、失敗してしも寛容に許容され、鼓舞され、希望を運んでもらえる。だから原因特定・改善に邁進でき、そして次のチャレンジにますます取り組みたくなる。

「慈悲」が無いと挑戦が失われる。挑戦が無いならば会社という存在の意味がそもそも無いのだ。だからリーダーには「慈悲」が必要なのだ。「慈悲」は、部下・仲間に、未来・成長に向けて歩みを止めないチカラをもたらしてくれる。そんな最高のチカラ。

そして、ついでにもう一つ付け加えたい。「慈悲」を与えたとしても、しょうがねーな感や馬鹿にした感じ、偉そう感がリーダーにあれば意味がない。慈悲が雲散霧消。だから同時に笑顔(愛嬌)が必要!。心からの笑顔。

リーダーならば、右手に慈悲・左手に笑顔。
リーダーに必須の良質な美徳2つ


リーダーに、失敗に苦しみ、悔やみ、落込む際に「慈悲」を受けた職場の若者は、自分がリーダーとなった時に「慈悲」を同じようにその時の若者に与えるのだと思います。乞食を経験し王子に戻り、そして王となったエドワード6世は言う:

「そちらが苦痛や迫害について何を知ろうぞ? 余と余の民は知っている」

読んで頂きありがとうございます。
(最近出会った素敵な気づきフレーズv7_5)

「王子と乞食」(マーク・トウェーン著、村岡 花子訳、岩波書店)
「ヴェニスの商人」(シェイクスピア著、中野 好夫訳、岩波書店)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?