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ダースベイダーに多くの部下がいる理由に学ぶリーダーシップ論(素敵なリーダーになりたい編_v4-58)

「第二次世界大戦とホロコーストという惨事は(ファシズム、国家崇拝)がどれほど恐ろしい結果につながるかを示している。しかし不幸にも、人々がファシズムの病弊について語るときには、お粗末な内容になることが多い。なぜなら、ファシズムを恐ろしい怪物として描きつつも、なぜファシズムがあれほど人を惹きつけるかを説明しそこなうからだ。

そのため、今日、人はときどきファシズムの考え方を知らず知らずに採用することがある。「ファシズムは醜いものだと教わったが、鏡を見ると、とても美しいものが映っているから、私はファシストのはずがない」と人は考える」(「21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考」(ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社))

うーん、まさに、会社のことだ、と思った。

この本は、さらに、ハリウッド映画での悪者、例えば、スターウォーズの帝国軍、ダースベイダーに言及する。

確かに、自分達側の人間にも無慈悲・非情・冷酷なのに、なぜかダースベイダーに仲間が多く存在。どうしてだろう? 怖いから? 辞められない?

スターウォーズや007、キャラクター映画を見ると、陳腐な敵に仲間が多いことが映画をつまらなくさせる。

でも、よく考えると、敵側のことは2時間ぐらいの映画では描かれないだけ。”実際”には、マインドコントロールされていたり、その組織に属することの素晴らしい条件が多々あったり。理由があるのでしょう。

あるいは生まれた時からそれが普通・一般・日常だと思わされていたら、疑問を呈する余地がない。現実にもそういう国がありますものね。まさに国家崇拝、ファシズム。

そして、日本でも一部の会社・組織がそうなっている。ただ、まさに上述の通りで自分達がファシズム思想で、ファシストとは思っていない。「美しい」ことを実施しているとそんなリーダーは勘違いしている。

勘違いリーダーは以下のような世界を作り、その心地良さに安住する:
1.明確な階層組織。その中で、リーダーである自分はTOP。低階層が一般社員。経営層はちょっと上。で、下層は上層に対しいつでもどこでも、土日も、当然下層。
2.で、排他的。お客も、購買先も、如何に自分達に有利に取引すべきかの欺す相手。社内では、中途入社や年配者は採用しない。なるべく若手を純粋培養で染めていく。
3.そして命令が絶対。社内ではリーダーの命令への絶対服従を求める。規律にもとづく行動を求める。従わないなら恐ろしい罰則。
4.そして無責任。リーダー自身が責任を取る・自分の非を認める、などは無い世界。

そして、こんなでも付いて来る社員がいる。スターウォーズのように。

なぜなら:
・入社するまでわからない。他の条件が許容であれば入社してしまう。
・面接する側も正直ではない。面接する側も誰かに入社してもらってこの辛さを分散したいし、業務もしてもらいたいから正直なことなど伝えない。
・入社してもすぐには気づけない。一旦、入社すると一気にその怖さを知るわけではなく、じわじわだから、一定の期間が経過する。
・すぐ辞めたくても次の転職が不利。仮にすぐ辞めたいと思っても、短すぎると次の転職が不利になるから、一定の期間は我慢するしかない。
・我慢していると慣れる。ファシズムというのか、全体主義というのか、独裁というのか、本来は「美しくない」はずの環境だけど、組織にはそういう面があるもの、とは思っているから、ま、そんなものかなと思い出す。
・仲間も同じ環境。自分独りだけが辛いと虐めだし、病気になるし、辞める決意になるけど、他の仲間も同じ環境で、ぶつぶつ不平不満を言っていて、自分だけ、ではないから、仲間意識も醸成され、だんだん許容しだす。
・時々のプラスがすごいプラスに。そんな中、時々にプラスのことが起きると、日常がマイナスなので(慣れているとはいえ)、プラスが非常なるプラスに思えて、喜んでしまう。と、また、慣れが促進してしまう。

奴隷として使われながらも、我慢すると昇格・昇級し、自分も同じように下層という奴隷を利用できるようになる。結果、その会社に居続ける。

この現象は、リーダーの方から見ると、自分のファシズム・メカニズムで社員は存在するは、長く勤める者もいるは、そして、自分の言うことを常に聞く腹心もいる。つまり、組織が「美しく」回っている、と見える。

しかし、逆に、指示・命令ではなく、独裁・圧制・主従関係ではなく、ビジョン、方針、戦略、議論、依頼、共同的意志決定、自発的行動、約束、仲間の成長課題、そして尊敬、人間性(知性・人格・やさしさ)という方法で、社員の行動をもたらすことも可能だ。

どっちがリーダーとしての自分のスタイルか、フォロワーなる立場のひとは、どっちのリーダーの元で働きたいのか。個人的な嗜好?。ボクは後者が素敵なリーダーだと思う。そして

こんな素敵なリーダーになりたい。

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