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ボクともぐらと 88_幸福感が自走する組織を生む。やさしいリーダーのお仕事

ボクの夢はやさしいひとになり、そうあり続け、やさしいリーダーになり、強く幸せな組織を作ること。同僚のもぐらさんも偶然同じ夢を持つ。2人が大好きな「ぼくモグラキツネ馬」という絵本の話から気づき、2人で夢の実現を互いに守るべく約束にした。仲間との約束、守らないとね。ということで、日々、一歩一歩、夢・約束に近づく気づき・学びを残すこのnote。

ある病院の整形・リハビリの先生(教授)と仕事をした。とてもやさしい、患者思いの、魅力ある、かわいらしい先生です。あ、男性ですが。

ボクが魅力を感じたのは、高齢者であっても、時に自分の最大の力を発揮する、一瞬でもいいから、筋肉に刺激を与える、そういう筋トレをしないとだめよ、リスクを気にして家に縮こまらず、外に出て、走り、階段を1段飛ばしで駆け上り、ちょっと高い所からジャンプしたり、その場でジャンプしたり、ボクシングのマネごとしたり、こんな運動をしたほうが良い、とお話されていたその姿です。

「歩いた方がよい。ちょっとは運動したほうがいい。でも無理はしないでね」しか言われないことが多数の中、誤解を恐れず踏み込んで、筋肉は何歳になってもつきえるからね、今後の楽しい、自力の、自発的な人生を送るためにも、努力・挑戦をしないと。そういうメッセージと受け取った。

先生がボクのオフィスに来た際に本を持っていた。何を読まれているのですか? ボクが病院にお邪魔した時にも今は何を読まれていますか? で、同じ本を読んだ。本好きの人に会うと尋ねている。自分の好みや情報範囲を越えた出会いがある。

「遺伝子_親密なる人類史(シッダールタ・ムカジー著、ハヤカワ文庫NF)」
「サピエンス全史_文明の構造と人類の幸福(ユヴァル・ノア・ハラリ著、河出書房新社)
「モーセの災い(ジェームズ・ロリンズ著、竹書房文庫)」

を読んだ。バラエティあります。上の2つは世界的にも歴史的にもかなりレベルの高い本かと(全てを理解できていないけど)。とにかくとても学びに。

で、このユヴァル・ノア・ハラリさんの「ホモ・デウス_テクノロジーとサピエンスの未来」(河出書房新社)に至って、まだ読み始めだけど、なるほど、と思う表現がありました。

”幸福”って長続きしない。束の間しか感じられない。そういう風に人間は生物的に、遺伝的にできている。そう進化してきた。もしも幸福感が持続するなら、「あー、お腹いっぱい、幸せー」が続くなら、「彼と一緒で幸せー」が続くなら、危険をおかして食糧にありつこうとしないし、穀物を育てるなんて想像しないし、体が成長しないし、より強い男を探そうとも、子供を(なるべく多く?)残そう、とも思わない。つまり個体は短い一生で終わり、子孫は残されず、種が繁栄しない。

幸福感が短命だから、「あの気持をもう一度!」というモチベーションになって、ご飯を食べるし、子供を残してきたし、生き残ってきたし、技術・文明などが発展してきた

「これはすべて進化のせいだ。私たちの生化学系は、無数の世代を経ながら、幸福ではなく生存と繁殖の機会を増やすように適応してきた。」(「ホモ・デウス」より)

仲間とのランチのコハレ。確かに明日も行きたくなる。仕事やプライベートの悩みや生きがい、目標などのお話聞けて、相手を知れる幸せがある。お昼ご飯も美味しく素敵な場所でのコハレ気分。でも、またすぐに仲間とランチに行きたくなる。ランチの幸福感、ぜんぜん持続しない(って、ちょっと大げさ?)

営業が成功して幸せ。でも、また勝利を味わいたい。売上目標も達成し、給料も上がって、生活水準も上がって幸せ。でも、継続させたいし、もっと良い生活を目指したいし、すぐにその幸福感が当たり前になり、幸福感を忘れる。次の目標を達成し、勝利の幸福感を得たい、となる。

幸福を感じる内容・程度は、個々で千差万別。基本的な本能についても、それ以外の幸せを感じる点についても、持続期間についてもそれぞれ。ただ「長続きはしない」のだ。

これが人類史で良い出来事も、悪い出来事も生んだ。幸福感を求めることから開放され、幸福感無くても幸福、という達観した人間に昇華することの勧めがある。が、ここではちょっと脇に置いておこ。

で、組織で幸福感を味わってもらえる環境、仕組み、仕掛け、条件、状況などが作れれば、組織は”幸福感”を求めて自走する素地がある、ということかと思う。ある業務を通じて幸福感を味わえれば(短命なので)、次の幸福感が欲しくなる、ものだから。

「幸福感はプライベートの中でしか得られない」とも思えない。組織内でも、仕事を通じても、幸福感は得られるもの。

で、これはリーダー次第ですね。リーダーのやるべきこと。1.総じて幸福感を得られる環境づくり、と、2.そこに個々人の個性に合わせた幸福感を作り出せるか。腕の見せ所。

1.組織が生み出す幸福感のベース:
リーダーが、仲間に興味を持ち、個性を認め、力に頼り、将来を信じ、人として大切に思い、好きで、悩みを気に留め、心配し、素直であることを奨励し、受け入れる。こんな安心なリーダーのもとだから安定を感じられる。こういうリーダーが率いる組織。これが幸福感のベース環境。

2.個々人の個性にあった幸福感:
個人の夢・ビジョン、成長の実現をリーダーが本気になって、業務を通じ目指してくれる・サポートしてくれる。一方で、不快は排除/回避に努力してくれる。結果が出ると幸福感を得られるはず。でも忘れる。しばらくして再度、感じられる。幸福感が”断続的”に持続。結果、「今の会社。私、好きです。」となる、かと。

なお、仲間への過保護ではない。言いなりでもない。複雑性の中で適宜判断しながら実施。集まってくれた仲間に素直に感謝しているからであり、大切にしたいからであり、結果、自走する強い組織をつくれる、から。

また、同様に、個人は組織に幸福感を頼り切り、提供するのは組織の仕事だ、組織は個人の幸福に尽くすべきだ、という主張でもない、です。組織ビジョンに共感して、安心できるリーダーの下にいる、とは言え、自発的にがんばり貢献している、のだから、同時に個人の夢の追求を組織がサポートすることを個人が要求してもイイかな、と思う、だけ。

今日はCome Home Happyだ。結果がでた。がんばった。仲間と協力しあって実現できた。助けてもらえたし、自分も助けて役に立てた。リーダーも関心持ってくれていたし助けてくれた、感謝された。幸福感がある。今日はCome Home Happy。

幸福感が毎日!? 数日ごとには!? 1週間に1回は!? 本当の本当の本当の心の底からの幸福感は1年に1回とか、数回あるか、なのでしょう。幸福は難しい。

「人は簡単には幸せにはなれないのだ。私たちは過去数十年間に前例のない成果をあげてきたにもかかわらず、現代の人々が昔の先祖たちよりもはるかに満足しているかどうかは、およそ明白とは言えない。」(「ホモ・デウス」より)。

この仲間個々人が感じられる幸福感の回数を増やせる組織。素敵だ。

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