見出し画像

人生で大切なたったひとつのこと(素敵なリーダーになりたい編_v4-83)

昨日のnote(カーネギーメロン大学教授(当時)のRandy Pausch(ランディ・パウシュ)さんの余命宣告された後の世界的に有名な感動スピーチ「最後の授業」から派生し、今日はジョージ・ソーンダーズさん(作家)の母校シラキュース大学での2013年の、こちらも有名な素敵なスピーチ。

3ヶ月後にニューヨークタイムズのWEBサイトに掲載され、100万回超のアクセスとなり、書籍化。そしてベストセラーです。

なお、「卒業式」だけど、「Commencementスピーチ(Address)」と言われますね。卒業生にとってはこれから社会人が始まる(=Commencement)からです。

そして、パウシュ教授の本のタイトルは「最後の授業」。ソーンダーズさんの本のタイトルは「人生で大切なたったひとつのこと」(ジョージ・ソーンダーズ著、外山滋比古・佐藤由紀訳、海竜社)

で、この「人生で大切なたったひとつのこと」とは:
「すでに盛りを過ぎたおっさんが、とんでもない間違いだらけの人生を送ったあげく、いまから人生の最盛期を迎えようという、輝かしく活力にみちた若いひとたちに心からの助言を贈」りますね、という前置きで:

「やさしさ」とのことです。

「ちょっと感傷的で、うまくいえないかもしれませんが、心から伝えたいのはこれです。わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。目の前にだれかがいて、そのひとが苦しんでいる。そのときに、わたしはどんなふうに応えたのか・・・まぁ、ほどほどに?冷たく?それとも控えめに?」。善きサマリア人の話と類似ですね。

「百万ドルの値打ちのある質問です。問題は何か? わたしたちは、どうしてもっとやさしいひとになれないのでしょうか?」

自分勝手を追い求めてしまうから、とのこと。

やさしいひと「そういうひとになりたいと望んでいることを、わたしたちは知っています。なぜかといえば、そういうひとになったことがときたまあり、気持ちがよかったからです。」

でも、自分勝手、自分中心になってしまう。自分のことはわかるが、相手のことはわからない。だから、やさしくして貢献できたのかはわからない。そんな不確かなことに労力を使うなら、自分が喜ぶ、自分のための、自分勝手なことに注力した方が幸せだ。あるいは、自分がやさしくされる受け身で満足し、自分はやさしくされたいだけ、に終始。結局、自分中心。

「やさしいひとになることは、実は、思ったより難しいのです。」

確かに「やさしさ」は人生の、社会の、会社の、家庭の、人間関係の全てに関わり、大切だと分るけど、やさしくあるのは難しい。

やさしくされないとやさしくしたくない。目には目を、歯には歯を、が歴史的に綿々と続いています。善きサマリア人の話のように「やさしくあるべき」を両サイドが謳いながら、互いに争い・殺し合う。

相手にやさしさを期待するのではなくて、自分がやさしくあれるか、それが大切とソーンダーズさんは指摘しています。受動ではなく、能動。心が強くないとできませんね。

やさしくなるという「大きな問題と向き合うようにしてください」。「小さな人間、つまらない人間にするようなことは避けてください。」

「どうすればもっとやさしいひとになれるか。どうすれば心を開いて、もっとも愛情があって、寛容で、何をも恐れない自分を引き出せるのか、答えをみつけ、そういうひとになることにくらべたら、ほかのことなど意味がない、とでもいうように、追い求めてください」。

「なぜなら、実際、それ以外のことは意味がないからです」。

答えはひとそれぞれ。それぞれのやさしさ。出来る範囲でのやさしさ。後悔しないやさしさ。素直なやさしさ。応え方に、答えはないですね。自分らしく相手を思って。

「素敵なリーダー」: 
上記に反して、会社ではそもそもやさしさは不要、やさしさが会社をダメにする、と言われる。やさしさが大切だけど、うまくできないという課題ではなく、やさしさなんて不要、という意見。

リーダーならば自分の取り分、会社の利益だけが正解ですか。それが増えることを目指し、自分の名声が高まることを目指し、それだけでしょうか。不要な、出来の悪い仲間は切り捨てますか。自分の失敗を外部のせいにしてリストラという経営者としたら当たり前さ、という考えで。これこそまさに「小さな人間、つまらない人間」かなと。

人生では、家庭では、子育てでは、高齢者には、社会貢献では、震災などで苦しむ人達には、困ったひとには、やさしさが必要と声だかに皆が謳い、会社にだけはやさしさは不要と言う。

そうは思えないです。リーダーはやさしさに徹するべきで、結果は自ずと付いて来ますね。

ただ、ジョージ・ソーンダーズさんの言葉からも理解できます。心が強くないとやさしくなれません。やさしく・強いリーダー。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?