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部下に期待しない。が、ピグマリオン効果(期待が人を変える)を信じる混乱(素敵なリーダーになりたい編_v4-73)

イイねして下さった方のnoteを読んで、昔から読もう読もうと思っていた本を、これも「きかっけ」か、と読み出した。まだ途中。

誰でも出版できる時代。Amzonのお薦め機能もなかなか巧み。世界の本もすぐに翻訳され日本語で読める。時代が進むと共に本の数は増える。古典は色褪せない。だから、時代とともに常に純増。広告も”うまく心理をくすぐる”から、だいたいが面白そうに見える。何を選択するかが悩ましい。1年で70,000冊以上の新規出版。だから、「きかっけ」を重視してしまう。

で、「ピグマリオン」(バーナード・ショー著、小田島恒志訳、光文社)がその本。戯曲。これはシェークスピアもそうなのでしょうが、書かれた言語で読みたくなります。日本語だと言葉遊びがわからないですものね。

で、昔から読みたかった理由は、心理学の「ピグマリオン効果」という言葉。経済行動学や経営本によく登場する。そして、自分自身としても人間関係では、特に会社でのリーダーとフォロワー関係では、「ピグマリオン効果」を信じたい、と思っていた、から。

ピグマリオン効果とは、簡単に言うと、他者に期待すると期待に沿った成果を出す傾向にあるよ、という話。子供に対する実験でも、証明されていたり、動物(哺乳類)もそうらしい。ピグマリオン自体は、ギリシャ神話の王様の名前。

最近のボクで言う「ピグマリオン効果」はこんな:

1.ランチでよく行くカレー屋さん。
PayPayもICカードもクレジットも使えるけど、手数料取られるから現金の方がありがたい、とのこと。「現金の方がよいよね?手数料とられないし、一定のキャッシュはいるだろうからね?」と仲良くなって、ボクから質問した手前、毎回、現金で払っている。うっかり現金無かったら、本末転倒ながら、そのお店に行かない、なんて副作用もあるけど。ピグマリオン効果では?

2.仲良しの家でご飯を頂くことがちょこちょこある。そこの奥様からの言葉。「なんだか上品にキレイにご飯食べますね。残さないし、汚さないし、こぼさないし、音も立てないですね。」と最初の時に言われて、それから、お招き頂く度にそうあろうとがんばっている。こぼし屋だし、肘付いて食べるし、全然、上品でも無いのだけど。ピグマリオン効果では?

人間は不思議、というのか不完全というべきか。機械のように機械ではない。ビジネスではロジカルであろう!あろう!と繰り返し言われるのは、ロジカルにはひとは自然にはなれないから。その証明。逆に、感情的であろう、直感で考えよう、気分で判断していいよ、なんて推奨されないですものね。それが人間の自然だからあえて言う必要無し。

プラセボ効果も類似ですね。有効成分が無く効果の無い偽薬を飲んでも、あれ、治ってしまう。薬を飲んだから治るよねという期待・安心感が自然治癒を高める。病は気から・治癒も気から、でしょう。

・いつも頑張っているね。
・今日もありがとうございますね。
・たまにミスするぐらいはいいじゃない。みんなするし。大した話じゃないよ。いつもミスなんてしないんだから。気にしない。気にしない。
・いやぁ、これは誰がやっても難しいよ。〇〇さんしかできない?なんて?どう思う?

でも、会社でのリーダーとフォロワーの関係はピグマリオン効果を前提にしつつも、実はリーダーは「期待しない」のが良いと思っているのです。

「仲間ひとりひとりを信じている。だけど、期待しない」。

人間として、誠実でいてくれる、とか、自分なりの努力をしてくれる、とか、ひとは必ず変わる・成長する、対話をしたら理解・納得してくれる、などは信じている。のだけども、都度都度の業務行動やプロジェクトが完璧に成し遂げられるかについては期待しない、という意味。

人間なんだから、ミスするし、固定観念あるし、ロジカルじゃないし、その時の気分にアレコレ左右される。ボクも含めて、誰もがそう。だから、いちいち期待しない。望まない結果になったことで、右往左往しなくていいし、自分のストレスにもならない。重要な課題の場合はバックアップ策も事前に考えられる。

宝くじが当たる!株価が上がる!なんていちいち期待すべきでない、のと同じ。そこには「偶然」が「必然」に絡むのだから。自分が買った株”は”上がる、ってだいたい思うものですが、だいたいミスする。

ま、言葉の妙で、「信じるけど・期待しない」ではなくて、「他人/自分のミスや失敗をイチイチ気にしない・あたふたしない」ってだけ、かもですが。

で、このショーの「ピグマリオン」という本は、貧しい花売り娘を、言語学者がしゃべり方や振る舞い方を6ヶ月で教育し、貴婦人に育てあげ、社交界にデビューさせても、誰も貧しい娘と気づかない「賭け」をする話。

ボクは、この娘が貴婦人になれると「期待をかけられている」ようには感じられず。ただ、成長・変化できることは「信じられている」と感じた。

言語学者と賭けの相手の言葉:
「僕がこれまで取り組んだ一番大変な仕事です。~。新しい話し方を教え込むことで全く別の人間に作り変える、~。これは、階級と階級を、魂と魂を隔てている最も深い溝を埋めることなんです。

「本物の貴婦人ってのは、たいていあそこまではできない。愚かにも、自分のような階級の人間には生まれつき気品が備わってると思って、学ぼうとしないんだ。何事も人よりうまくやるには、何らかの専門的な努力が必要なのにな。」

賭けでもありながら、これも目的であるのであれば、それは壮大な目的。「変えたい側」の言語学者の強い想いに、「変えられる側」の貧しい娘も、腹を括り努力するのだろう、と思った。努力と努力、本気と本気の相乗効果。

「期待する」でもいいし、「信じる」でもいい。大切なことは:
1.「される側」が、「する側」のその気持ち(期待/信じる)が”本気”だ、と心から思えること、
2.ならびに、期待したり、信じて、その先で何を実現しようとしていることが「される側」の心をくすぐれるほどに壮大なこと。
3.そして、「する側」が、期待するだけ、信じるだけ、ではなくて努力する。一生懸命に。

だから、「される側」も本気になって、その実現に向かって「一緒に」歩むのかなと。

期待だけして、ほっぽりだしたらダメですね。この言語学者は教育に一生懸命だったのですね。

まだ、読み終わっていないので、今後も気づきがありそうです。

「素敵なリーダー」: 
リーダーならば部下・仲間を信じる。みなが変わることを信じる。成長することを信じる。期待はしないのだけど、「ピグマリオン効果」は信じる。そして、信じるだけで傍観するのではなく、リーダーも一生懸命に動く。だから、部下・仲間も信じられていることに安心し、自分で自分も信じられ、そして、一生懸命。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。


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