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絶対悪

小学生の頃は仲良かった友達も何かのきっかけですれ違い、疎遠になるならまだマシ。
こいつとは合わないんだって思うだけだから。

最悪なのはすれ違って虐められた場合だ。
特に学生時代、「イキる」という事が格好いいと思ったことがある方は少なくないと思う。

私の中学生の頃の話だ。
私は俗に言う「冴えない陰キャ」であった。
しかし、他の人とコミュニケーションを取ることは大好きだったので、Twitterやらをやっていた時期はあった。

その時である。
「お前調子乗ってるらしいな」
突然すぎて仰天した。
そいつは私の小学生からの付き合いの奴である。

「そんな事ないよ」
私はこう答えるも取り合ってくれず。

その日だったからか、奴からの虐めが始まった。

初めのうちは教科書や筆箱を隠されると言ったことをされていた。
また、コカコーラかペプシだったかのEXILEのクリアファイルを使っていたら、
「お前EXILEの曲言ってみろよ」と言われた。

「貰い物だから好きなわけじゃないよ」
当時の私はEXILEを知らなかったので、こうとしか答えられなかった。

その頃はまだギリギリ耐えられた。

次第に奴は私をパシリに使うようになり、事あるごとに「筆箱忘れたから今すぐ取ってこい」などと言われる。

勿論突然だ。
ましてや、「お前〇〇取ってこいって言ったよな?」と話をでっちあげ、私をボコボコにしてきたことがある。

私は当時思春期で多感なのも相まって、TwitterやらLINEの先輩後輩のグループで、後輩の子とLINEしていたこともあった。

その事を奴はよく思わなかったのか、
「お前とLINEしてる後輩の奴ら、全員お前の事ブロックしとけって言っといたから」
何言ってんのこいつ。
それしか思わなかったので、その時は平常心でいられた。

数日後、その言葉は本当になってしまった。
毎日LINEしてくれていた後輩の子からも誰も連絡が来ない。

そこまでならまだ良い方。
とある日の理科の授業。
私は教え方がとても上手だと感心していたが、一方周りから馬鹿にされていた先生であり、私語が飛び交っていた。
「お前今から粉雪歌えよ、お前歌上手いらしいじゃん」

嫌だ。
俺だって真面目に授業受けていたいし、何より他の真面目に授業受けてるクラスメイトに迷惑はかけられない。
強くそう思っていた。

そうしたらこう言われた。
「お前だけ真面目に授業受けてろよ」
「お前だけノリ悪いからな」

それとこれとは別。必死に勉強しようとしている人を蔑む言動がとにかく嫌いで、ブチ切れられるものならブチ切れたかった。
しかし、あまりにも報復を恐れて奴にブチ切れる訳にもいかず、先生にこう言った。

「助けてください」
その瞬間、奴含めて外野から
「クラスを敵に回した」
困っていたから助けを求めたのに、なんでそんなに言われなきゃいけないのか。

その日から私は、クラスの大多数の人間に総スカンされた。
その中には当時私と仲良くしてくれていた男子も、好きだった女子も居た。

その時本気で思った。
「人間って世間体しか見ないんだな、人間なんて信用できるか」
絶望しか感じられず、本当に死んでやろうと思った。
今思えばその程度の関係だったんだなと思う。

夏休み。上記の件もあってか友達が居なくなった私は、楽しい事がしたいと1人で神社のお祭りへ行った。
一番会いたくなかった、奴に会ってしまった。

「お前とっとと金出せよ」
-「嫌だよ、お前に渡す金はないよ」

その言葉と同時に、私の全身に痛みが走る。
「キモいから喋んなよ」
ずっとボコボコにされ続けた。
「もう二度と調子乗らせないようにしてやる」

すぐさま家に帰り、1人で泣いていた。
耐え切れず両親にも全部話した。
両親は何も言わず、感情に身を任せる私の話をただただ黙って聞いてくれた。

その話はすぐに当時の担任の耳に入った。
私は即時担任と面談をした。
兎に角思いの丈を全てぶつけた。

そうしたら当時の担任からこう言われた。
「お前、その日の事は勿論だけど、覚えてる範囲でいいから奴からされた事をノートに書け、そして俺に見せろ」
力になってくれるんだ。嬉しくて仕方なかった。

と思った瞬間、こんな事を言われた。
私が奴を本気で訴えたいと話した時だ。
「そいつにも未来はあるし、お前も絶対後悔すると思う、後悔するの嫌だろ」
私に対して本当に優しい人なんてこの世には存在しない。
本当にそう思った。

一方、奴は担任との面談をバックれていた。

しばらくすると虐めは一旦は落ち着きを見せるが、程なくして虐めが再スタートしてしまう。
今度は奴が笑顔で虐めてくるようになる。

笑いながら羽交締めにされて、「お前次の授業遅らせてやるからな」などと。
酷い時には私が1番下で、上に順々と奴含めて共犯者と言える人間が私の上に乗ってきた。
先生とすれ違い、助けを求めたが見て見ぬふりをされた事もあったっけ。

その経験から、私は人間不信に陥り、異様に人の目を気にするようになった。
今でも虐められることを極度に恐れているからなのか、どうしても人の目を気にしてしまい、仲良くなるまで異様に人に気を遣ってしまう。
今も月に2,3回程夢に出てくるくらいには引きずってしまっている。

その代わりに、できるだけ人に優しくできるようになったと思っている。
私の今の信条である。
それだけでも儲け物かもな。
できることならフォレスト・ガンプのフォレストくらいには優しくなりたい。

因みに、4年前の成人式の後に飲み会があり、奴とも会ってしまった。
兎に角目を合わせない、自分から話に行かないと強く決めていた中、奴に話しかけられてしまった。

私に対して肩を組んできて、こう言われた。
「お前と飲めるなんて思ってもなかったわ!笑」
皆の酒が不味くなるのも嫌だったので言わなかったが、何抜かしてんだ。言う事あんだろ。
その感情が頭に浮かび上がった。本当に覚えてないか、虐めていた実感が無かったのかもな。

さらに奴はとある男子に「ピッチャー一気勝負しようぜ」と抜かし、いつの間にか潰れており、自爆していた。ざまあみろ。

話は逸れたが、物事の解決方法において、虐めや暴力や、それらに当たる事は絶対あってはならない。
いずれ何かしらの形で返ってくるだろうし、負からは負の感情しか生まれないし。
ではまた。

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