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2月15日校内研修では…(内容)

1,なぜこの教材を取り入れたのか

 勤務校で採用されている「公共」教科書の「経済学(経済思想、経済学説)の歴史」のところを見ると、アダム=スミス、マルクス、ケインズ、そしてフリードマンと四人の経済学者の考えが、この順番で簡単にまとめられて載せられています。そして、そこで終わっています。この四人を学んで、その後で生徒に経済政策についての考えを訊くと、優勝劣敗、格差拡大…是認する考え方が大きくなっているように感じられます。 すなわち、最後に出てくるフリードマンの新自由主義の考えに引っ張られているようです。それは、最後にそこで終わっているので、それが『正しい』結論であるかのように感じられるのでしょう。しかし、経済を学ぶことは個人が裕福になることだけを考えることととらえたままでいいのでしょうか? 「これでいいのかな?」と感じていたところ、外部の先生から同様の指摘もあり、次を考えるようになりました。

2,この授業で目指すこと

 もっと、地域社会や国民全体、世界全体のことを考えた経済の考え方はないのだろうか……多くの経済学者が、さまざまな考えを発しています。その中で、日本に「最もノーベル経済学賞に近い経済学者」とされていた宇沢弘文さんがいらっしゃっいました。その「社会的共通資本」という考え方を提示して、他の考えと比較し考えて、これからの日本や世界を『経済学』の視点から改めて観てみようと試みました。
 公民科においては、民主主義を支える人財を育成することが求められています。また、特に、意識したのは、勤務校の指導方針の根幹である"グローバルリーダーを育てる"という目標です。そのために、高い学力や広く深く学び続ける力を身につけることはもちろんですが、そこには、自分や自分の仲間だけの利益を追いかけるような姿勢を育てることはあってはならないと感じているのです。

3,実際の授業で利用した方法とその目的

 こちらから、複数の資料を事前配付しました。事前に基礎知識を頭に入れてもらいたいからです。ことばの意味だけでもいいので、身近なものとして「ああ、こういう考えもあるのね」という感じ方にして進めたいと考えました。
 当日は、以下の流れのように進めました。グループに分けてグループ毎に異なる新しいプリントを配布し各部門の「専門家」となり、ジグソー法を用いて、共有する形をとりました。その後、ペアワークで知識及び理解の共有を図りました。
 最後には、ホット・シーティングで全体共有です。
 個人作業は、授業内に時間がとれなかったので、授業時間後にロイロ・ノートで提出する形となりました。

4,具体的な授業の流れ

授業時間の最後は、ホット・シーティング(演劇的手法の一つ)で…

5,生徒からの感想

 感想(生徒より)に関しては、後程、別に記載させていただく予定です。

6,授業を行ってみてどう感じたのか、さらにどう発展させたいのか、どう展開したかったのか

 知識の共有、理解の確認ができたところで、各人に関心のある分野に関する「政策」を創ってもらいます(個人作業)。その後、グループになってそれぞれの考えを共有していく…という形をとりたかったところです。
 経済に限ることなく、さまざまなことについて、今までに持っている知識や考えを使うだけではなく、他にもいろいろな見方考え方があることを実感し、多角的に視る習慣をつけてもらいたいと考えています。
 やはり、1時間の授業では、なかなか難しいと感じます。全く新しいことはまず受け入れることに時間がかかります。事前配付ものをしっかり読んできてくれた人はよかったのですが、そうでない人は……受け入れられないとなると、否定的になる可能性が高くなるので、これは大きな課題だと感じているところです。それでも、今までにもっていなかった考えに触れ、刺激になったことは間違いなく、多角的に視ることの大切さを感じたようです。 


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