今日も僕らはおはようと言った
大事なものをひとつも失わずに、言葉にするというのはとても難しい。
いくつもの遠回りな言葉を選んでも、思いつく限りイメージに近い言い回しを使っても、輪郭をなぞった--境界線を引いた--ことに変わりはなくて、削いでしまった感情はいつの間にか消えてしまうかもしれない。
けれども声にしなければ決して伝わらない。
言葉にしなければいつか全てを忘れてしまうかもしれない。
そういう渦の中で、今日も僕らは「おはよう」と言った。
最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。