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STP分析のセグメンテーションとは?

❇︎2021年2月25日に追記

YouTubeで「マーケティング」と調べるとうまい棒が表示されたら世の中が少しは面白くなるかなと、子ども達の寝顔を見ながら一人で考えています。

先日3C分析の授業作成裏側をnoteにしましたが、今回YouTubeで行ったSTP分析授業の内容をnoteにします。

先日STP分析を小学生のみんなでも楽しんで貰えるように授業をYouTubeで配信しました。

こちらのnoteはSTP分析を勉強する時や、振り返りしたい時などに活用頂ければ嬉しいです。

またYouTubeで行った授業内容で紹介しきれなかった部分なども書きます。

それでは振り返りましょう!

STP分析とは?

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まずはSTP分析って何なのか?という話をします。

マーケティングを行う際に活用されるビジネスフレームワークです。有名な手法となり、知っているだけで仕事に役立ちます。後ほど、どのように仕事で活用できるか?も紹介します。

STP分析はセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。 マーケティング論で有名なフィリップ・コトラー氏が提唱したフレームワークで、様々な場面で活用されています。

STP分析を行うメリット

まず先にSTP分析を行うメリットを先にお伝えします。

少ないリソース(時間、お金、人)で、成果を最大化することができます。

例えば営業活動をする上で、商品をある一定期間で沢山販売しないといけません。そーなると、行き当たりばったりに営業をしても時間がただ過ぎていきます。

その前に一度、「どのお客様に営業をした方が、短い時間で大きな成果を生むか?」を考えないといけません。

この時に役立つのがSTP分析となります。

詳しいやり方については、このあとご紹介しますが、この授業は小学生向けに作っています。

そのため、先ほどご紹介した「STP分析のメリット」を、どう小学生に伝えたら良いものか?と悩みました。

考えること2週間・・

最終的に出したSTP分析を覚えるメリットがこちら

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お嫁さんや旦那さんが見つかります。

つまり婚活に役立つという話です。なぜお嫁さんや旦那さんが見つかるのかをうまい棒を使って解説していきます。

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STP分析のやり方とうまい棒の事例

フィリップ・コトラー氏による一般的なSTP分析のやり方と、YouTube動画ではご紹介しなかった本当のうまい棒のSTP分析事例を紹介します。

まずはSTP分析の雛形がこちらとなります。

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❶ Segmentation 市場の細分化を行う
❷ Targeting 細分化しターゲットを決める
❸ Positioning ターゲットへの立ち位置を決める

このSTP分析は見ると「なんとなくわかる」んですが、実際使おうとすると中々難しく、そして間違って認識してしまいます。

今回の授業はセグメンテーションをメインにした授業にしましたが、一度上記手法をどのように使うかをイメージしやすいように、実際のうまい棒のSTP分析事例を紹介します。

うまい棒が発売開始されたのは1979年です。当時、子ども達に人気と思われていたお菓子は「キャラメル」や「ビスコ」などの甘い系でしたが、1960年代後半から1970年代にかけて、ポテトチップスやカールなどのスナック菓子が人気となっていきました。

そのため当時、うまい棒を作られているやおきんさんが「子ども達が親から渡されたお菓子ではなく、自分で選び、買える物を」という考え(ターゲット)のもと作られました。

ここでセグメンテーションが行われています。

その内容がこちら(個人的にまとめてみました)

お菓子市場のセグメンテーション
・人口動態変数 子ども
・心理的変数  自分で選びたい/買いたい
・行動変数  種類が多い

人口なんちゃらや、心理的/行動なんちゃらは後ほど詳しく紹介します。

その前にお伝えしたいのが、実はこれうまい棒の「ターゲット」を元に「セグメンテーション」のテンプレに私がただ当て込んでいます。

セグメンテーションのテンプレとは何か?というとこんなイメージになります。(例)

地理的変数:○○に住んでいる人
人口動態変数:○○才の人
心理的変数:○○をしたい人
行動的変数:○○を大事にしている人

つまりターゲット選ぶ時には「セグメンテーションのテンプレ」を活用すると見つけやすいよという話です。

そして間違えやすいのが、

お菓子市場で「大人」「若者」「子ども」「高齢者」とセグメンテーションを行なった後に、「子ども」を選びます。そして「子ども」の中で「お菓子を自分で買いたい子」をターゲティングします。

というのは間違っていて、ここまでがセグメンテーションとなります。

(この考え方が合っているのか?と悩みました。ただ様々な本を勉強すると、ここまでが実はセグメンテーションと定義されています)

そうした場合、そもそもターゲティングって何?

という話になってくると思います。これは次回のターゲティングのうまい棒授業で解説をします。

次にポジショニングについて簡単に解説します。

うまい棒はご存知の通り、お菓子の中でも10円という安価なお菓子としてポジションを確立しています。ちなみに当時10円のお菓子というと下記のようなボックスに入っているのが一般的でした。

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しかしうまい棒は1本1本が包装されている。これは10円お菓子の中でも特別感をだし、同時に賞味期限を延ばす効果も含まれている。

更に10円という安さと様々な種類により、1本だけ買う人より、2本、3本と沢山購入される独自のポジションを築いています。

STP分析は婚活にも役立つ

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ここからはSTP分析を更にわかりやすく紹介していきます。

上記の通り、STP分析を理解する上で婚活をイメージすると良いです。

① 切ることにより出会いのチャンスが広がります
② 選ぶことにより素敵な出会いが見つかります
③ 良い場所に座ることにより、相手に興味を持ってもらえます

これは三回にわけてnoteとYouTube授業にしていきます。

対象を絞ることにより出会いのチャンスが広がる

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セグメンテーションは対象を切る、または同じユーザーのニーズごとにまとめると一般的に言われていますが、これは出会いのチャンスを効率的に広げるためだと考えます。

よくSNSでも「発信内容はターゲットをまずは絞った方が良い」「YouTubeではジャンル選びが大事」など言われます。

その理由は「対象を切り取ることにより、相手に興味や関心を持ってもらいやすくなる」からです。

例えば、アイドルだと

① 今日会場に来てくれたみんな、ありがとう!
② 二階席のみんな、ありがとう!
③ 二階席にいる○○色の服の方、来てくれてありがとう!

という、よくあるファンサービス。

これは①→②→③の順番で対象を絞っていますが、③の方が言われたら嬉しいですよね。

つまり、対象を絞った方が相手は嬉しい。ただし絞りすぎると市場が少なすぎるし時間もかかる。このバランスを考慮しないといけないという話です。

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私たちの周りでも、学割、牛丼チェーン店など対象を絞った事例が数多くあります。

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授業でも紹介しましたが、有名企業もスタートは絞って事業をスタートしてます。

Amazonが本の販売をメインにしていたことは有名ですが、ライザップも元々は健康食品販売から事業をスタートさせています。

婚活での活用方法

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ここからうまい棒を活用して、どのように婚活へ活用するかの内容を書きます。

今回は女子大学生のチキカちゃんという設定で進めてみます。

名前:チキカちゃん
職業:女子大学一年生
特技:美味しいチキンカレー作り


「大学では草食なやさいサラダ男子が多く、男らしいめんたい男子と出会いたい」という悩みを持っています。

STP分析のセグメンテーションを活用して、出会いのチャンスを広げてみます。

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簡単な例を紹介します。大学のサークル選びだと、ダンスやらキャンプサークルなど色々あります。

例えばキャンプサークルに入った場合、必ず料理を作る機会が訪れやすいです。その時に、自分の特技である「美味しいチキンカレー」を披露するチャンスが訪れやすくなります。

結果的に、「わたしは料理はあんまり得意じゃないんだ」と言いながらも、自慢の料理の腕前を披露し、ライバル達との差別化を図ることもできます。

少しポジショニングの話まで行きましたが、チキカちゃんはサークルに入ることにより出会いのチャンスが広がっています。

仮にキャンプサークルに入らなくても、お菓子作りサークルに入れば、また新しい出会いのチャンスが待っている可能性があります。

つまり、同じ状態を維持しているよりも、ある対象を絞りアクションすることにより、出会いのチャンスが広がります。

授業では紹介しませんでしたが、例えば学生時代に異性との出会いのチャンスを広げる一番の方法を今大人になって改めて考えてみましょう。

同じクラスや学年の人達だけと関わるのでなく、上の学年の先輩、下の学年の後輩、または他の学校と関わりを持つと出会いのチャンスが広がった経験をしたり、または周りにそんな人いませんでしたか?

これも【同級生】【先輩】【後輩】【他の学校】というセグメンテーションしアプローチすると、結果的に出会いのチャンスが広がります。

セグメンテーションの方法

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セグメンテーションをする上で4つのポイントを意識すると、切り取りが行いやすくなります。

❶ 地域ごとに切り取る(地理的変数)
❷ 人ごとに切り取る(人口動態変数)
❸ 心理ごとに切り取る(心理的変数)
❹ 行動ごとに切り取る(行動変数)

があります。

(動画で行動的変数と紹介していますが、間違いました笑)

一つ一つ見ていきましょう!

❶ 地域ごとに切り取る(地理的変数)

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まずは地理的変数。上の画像でも紹介しましたが、色々な切り取り方があります。

地域の場所(国内/海外、関東/関西など)
地域の密度(都市/郊外、東北、九州など)
地域の気候(寒い/暑い、季節、雪、湿度など)
地域の文化(車社会、恒例行事など)
駅の場所(駅近、駅から遠い、駅がない)
地域の発展具体(未開発、開発中、過疎化中など)

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事例もいくつかありますが、授業内で紹介した「アザラシ添い寝サービス」はアザラシシーパラダイスで行なっています。

こちらはアザラシしかいない水族館という、弱みを強みに変えるために「アザラシとの添い寝写真が撮れる」というサービスで人気です。

(弱みを強みに変える事例として、大好きです)

このように場所や気候、住む環境ごとに切り口を変えると新しい出会いが生まれます。

❷ 人ごとに切り取る(人口動態変数)

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次に人口動態変数を紹介します。

年齢(大人/若者、子ども/高齢者など)
家族(既婚/未婚、別居/同居など)
性別(男女/女性/LGBT)
所得(収入○円以上、以下)
職業(事務、営業、現場作業、製造など)
学歴(中卒、高卒、大卒、院卒、専門卒)

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人ごとの切り取り方は身近な商品やサービスって多いですよね。

更に人を区切った後に、更にセグメンテーションも行うこともできます。

有名なジャンプも「ヤングジャンプ」「少年ジャンプ」「ジャンプSQ」「Vジャンプ」「グランドジャンプ」「ウルトラジャンプ」などなど、様々なバリエーションを設けてますよね。これも対象となる漫画を読む男性ごとにセグメンテーションを行なっていますよね。

❸ 心理ごとに切り取る(心理的変数)

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ここからが最近活用されている心理的変数。❷の人口動態変数で切り取られることが多かった時代から、同じ20代男性でも様々な価値観や考え方が生まれ、心理的変数が重要とされています。

ライフスタイルやパーソナリティ
アウトドア、インドア、スポーツ好き、きれい好き、社交的、内向的、神経質、野心家、冒険家、安定志向、高級志向、品質重視、健康重視、環境重視、新しいもの好き、レトロ好き、保守的などなど

もう無数に存在します。。

これは普段の仕事でも役にたちます。

例えばある会社へ自分が提案をしに行く際に、窓口となるお客様のタイプとして、「結論急げタイプか?」「雑談大事タイプか?」「新しい物好きタイプか?」によって提案の仕方が変わります。

提案する際にグダグダ前説を話すと、「まず結論から先に言って」というイライラを受けたり

逆に本題から速攻入ると「いきなり仕事の話に入るのは営業として甘いな」という指摘を受けたり

更により良い価値を提供するために最新事例を紹介しても「うちの会社には合わないから、よそに話をして」と言われたりします。

(踏んだり蹴ったり涙)

そのため、相手がどーいったタイプか?をジャブを放ちながら見極めて、お客様が満足頂けるような提案の順番(ストーリー)に組み立てることをいつもしています。

更に次回のターゲティングでも仕事に役立つ心理的変数もありますので、こちらはまた紹介します。

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今回紹介した事例の中でサウナランドに関して、授業では紹介しなかった内容を少し解説します。

サウナランドは「サウナ好き」というセグメンテーションとして紹介しましたが、本当に面白いのは「相対的価値観」と「絶対的価値観」という考え方です。

こちらの動画で紹介されています。

相対的価値観とは「他の人より足が早いとか、お金を沢山持っている」という他者と比較した価値観。

絶対的価値観とは「誰がなんと言おうと、サウナに入った瞬間は気持ちが良い」という自分としての絶対的な価値観。

つまり、相対的な価値観を持つことにより「他の人に負けたくない」という良い部分がある反面、他者の考え方に振り回されて疲れてしまう。

逆に絶対的な価値観を持っている人の方が、他者や今回のようなコロナにも振り回されず、相対的な価値観より強いのではないか?

という考え方もあり「サウナランド」を作られています。

結構、この絶対的価値観の要素ってセグメンテーションの候補として、これから面白いんじゃないかなと個人的に思っています。

(なので堅苦しいビジネス基礎知識YouTube動画を、全てうまい棒で埋め尽くして見たくなりました笑)

❹ 行動ごとに切り取る(行動変数)

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最後に行動変数を紹介します。

一番大事にする/求めるメリット
品質、速さ、使いやすさ、わかりやすさ、かっこ良さ、可愛さ、安心感、品揃え、価格など
利用する頻度(多さや少なさ)
使うタイミングが毎日/朝晩/週末/特定の日など
知識レベルが全く知らない/関心ある/使ったことがある/教えられる
満足度が普通/少し好き/大好き/めっちゃ好き

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行動変数の事例として「ファンクラブ」ってうまい仕組みだなと改めて思います。

例えばアーティストが気になる人はCD買ったり、ネットから有料で音楽をダウンロードしたり。

そして段々好きになるとアーティストのグッズを購入して、ファンになれば月額制のファンクラブに加入する。

しっかりファンの満足度に応じた松竹梅コースを用意している。

(ファンビジネスはしっかり計算されていますね)

セグメンテーションの補足

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セグメンテーションをする上での4つのヒントを用意しましたが、こちらは複数利用しても問題ないですし、まずヒントを元に色々な仮説を作ってみることが大事。

更に授業でも紹介しましたが下記の注意点を抑えて置くと尚いいです。

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ちなみに注意点は一部ターゲティングの要素も入っていますが、こちらは次回詳しく紹介します。

またセグメンテーションをする時に、3C分析やSOWT分析をしてもヒントが見つかります。

私は観光サイトを作る上で3C分析をしながら、結果的にセグメンテーションを行なっていました。

最後に

今回ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。

正直、現在営業MGRしながら、帰宅後は子ども達の宿題見たり、お風呂入れたり、洗濯したりと毎日あまり時間がない中で、面白い授業作りをするのが一つの楽しみになっています。

他のYouTuberの方々のように動画更新が早いわけでは無いですが、お付き合い頂ければ嬉しいです。

来年度から GIGAスクールにより全国各地の小学生にタブレット環境が整います。もしこの授業動画が見てもらえるようになれば、少しは日本や地方が変わるかなと思っています。

そして、いつの日か「国語」「算数」「理科」「社会」「うまい棒」となれるようコツコツ頑張ります。

それでは皆さん素敵な1日を!


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