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「無邪気」を落っことした人間です。 都合よく解釈して生きていこう。 詩を書いたり作詞し…

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「無邪気」を落っことした人間です。 都合よく解釈して生きていこう。 詩を書いたり作詞したり写真撮ったり https://twitter.com/@mio45571045

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  • 春夏秋冬「夏」の詩

最近の記事

うつろい

僕は無邪気だった 毎日、外に出て遊ぶことは当たり前だった。 明るいうちから家の中に居るなんて 勿体なかった気がする。 雪が降り積もっていても楽しいことはすぐに 見つかる。防寒が甘いせいで長靴の中に入った雪が溶け、足が冷たくなる頃に やっと帰りたくなる 僕より三つ上の姉は、丈夫なかまくらを作れました。毎年恒例だったので、ある年も姉とかまくらを作りたかったが断られ、大人っぽくてつまらない姉を皮肉に思い、ネバーランドに行

    • 傍白

      僕は君が見たいものを映せるよ 笑わせることができるよ 泣かせることもある… 昨日、僕が照らした君の顔はどこか暗かった 今日、君は変な顔をしているね 僕を笑わせてくれているの? ありがとう元気がでるよ 暗かったのは僕のほうだったみたい だからもう可笑しな顔しないでいいよ 僕を握りしめる手が解ける   君が砕け散ってゆくのが分かった どうして助けられないのか 分からないまま 僕の意識は途切れたのでした。

      • ツキのない夜

        瞬きの間に見逃さぬよう 大きく見開いた目が乾く 今にも涙は流れそうだった 見上げたままの首が痛む それまで持ち堪えていた閃光が パチリキラリと火花を散らして 燃え尽きた あ、僕は願うのを止めた 一瞬の光に絶望したからじゃない その星はもう誰かの願いを叶えたかもしれない 夜空は白んで表情を変えた

        • 後悔の砂に苛まれる

          悲しみに底は無いようで 篩に掛けて残るのは ざらついた記憶 鮮明に思い出してしまったんだ 知っている音や匂いを 感じた時だけ思い出せたら 後悔は減るだろうか 今を生きれるだろうか 砂時計は逆さまにしたばかり 時間が解決してくれるなんて困難だ この命が終わったら 砂になって 風に吹かれて 跡形もなく 消えてしまいたい 何処かで生きているかもしれない可能性を 捨てきれないまま貴方の心には残りたい

        うつろい

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        • 2本

        記事

          水滴の鎖

          水滴の鎖

          氷砂糖

          甘い氷は対極的な味がする 常温でも平気そうな中からひとつ 宝石をみつけた手のひらで 汗に触れて溶けだした 価値の消えた宝石をアリの巣へ 群がるアリは宝の氷山をみつけた。

          氷砂糖

          適合しない気持ち

          僕のドナーが見つかった 奇跡だ 「彼の分まで生きよう」 移植する以外の選択肢は無い。 何もかもが適合するはずの手術は、 成功した、のに。 僕はそれ以来 死ぬことばかり考えている。

          適合しない気持ち

          水槽

          ある日 金魚を眺めていた。 壁に近づく度にひっくり返ってまた泳ぐ。 「狭いかもしれない」 四角の透明な水槽にピントを合わせると 自分が映り込んだ。 「おやすみ」と空に黒い布を被せれば夜。 その縫い目から零れた光が星だった。 あの山も僕の家も、この世界の外にいる誰かが 置いたオブジェなのかもしれない。 僕らも誰かの金魚で 丸い水槽の中を壁に打つかることなく泳いでいる 金魚はこちらの世界を羨ましそうに眺めていた。

          水槽

          花火

          「もったいないから」と 仕舞われた僕は湿気ていて 「綺麗」の声と夜が 待ち遠しいことはなくなった

          花火