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2年半以上に声を出したブシロード15周年記念ライブが異常な程に楽しかった。

大きな一歩を踏み出してくれたブシロードに感謝だよという話です。

2022年11月13日にベルーナドームでブシロード15周年記念ライブが開催されました。このライブは私たちにとって特別なライブでした。いやもちろん15周年なのでもう存在自体が特別なのですが、私にとっては2020年2月末に開催された「LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020」を最後に流行病で対面型エンタメが全滅して以降、実に2年半以上ぶりに声出し応援することが許されたライブだったのです。

長かった2年半。有観客ライブすら難しい時期もあったので有観客からだと2年くらい。最初は不慣れで開幕早々うっかり漏れ出しそうになった声出し禁止にもすっかり慣れた今日この頃。もう声の出し方を忘れているんじゃないかと心配していました。「千と千尋の神隠し」に出てくるカオナシのように「アッ、アッ!」となってしまうのではと思っていました。

実際、なりました。早速、オープニングアクトの「MyGO!!!!!」で。

あれ? 私どういうタイミングでどうやって声を出していたっけ。「迷星叫(まよいうた)」を聴きながらまさに迷う私。私より先に声を出せていた周囲に合わせながら「そうだった、こうだった」と徐々に勘を取り戻していく自分が面白かったです。「う、うおぉぉぉぉ」とか「い、いえぇぇぇい」とか。1曲だけではさすがに不完全体だったものの、もうひとつのオープニングアクトであったスタリラ中等部でだいたいの感覚が戻ったところで、本編に臨むことができました。

ありがとうオープニングアクト。どちらも先行きが気になる素敵なパフォーマンスでした。スタリラ中等部の「叫べ Wow!(うぉーーーーってめっちゃ伸ばす)」のところはこのライブにあまりにもふさわしすぎました。

私がメインで追っているコンテンツはラブライブ!シリーズなので、ブシロードコンテンツという括りで見るとあまり詳しくない参加者だったように思います。バンドリは配信初日からガルパをやっているだけですし、スタァライトはアニメと劇場版を観ただけですし、アサルトリリィはCDを押し付けられてライブ映像や舞台配信を見ただけですし、D4DJはアニサマで齧っただけですし、ミルキィホームズは遠い昔にアニメを見ただけですし……あれ、触れてはいるな。浅いだけで触れてはいるな。改めて振り返るとまったくのノータッチはてっぺんくらいだったのかもしれません。私の中にさりげなく浸食してくるブシロード(および侵食させてくる周囲の仲間)おそるべし。

いちばんのお目当てであったラブライブ!シリーズに関していえば、無観客ライブからステージに立つことになった三船栞子役の小泉萌香さんに声援を届けることができたのがとにかく嬉しかったです。そしてフェス映えする「翠いカナリア」をちゃんと引っ提げてきてくれたの偉い! 偉すぎる!

彼女に限らず虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は12人中3人しか参加されていないながらも、フェス映えを意識したセットリストで大いに会場を盛り上げてくれました。「繚! 乱! 虹ヶ咲!」や「Just!! Believe!!!」と合いの手を叫べただけでここに来た甲斐がありました。それと比べてしまうとAqoursの3人は、フェス映えするか判断の難しい(そしてkonozamaしてこの日までに私の手元に届かなかった)ユニット新曲を限られた3曲中の2曲にあててしまったのが少しばかり勿体なかったです。A面はともかくB面まで差し込む必要はあったのか。フェス映えする武器をいくらか持っているだけに「なぜ刀を抜かないのか」みたいな気持ちになりました。ファンのひとりとしてはベタベタなスリワンで構わないので会場を焼け野原にする勇姿を見せてほしかったぜ。フェスの目的のひとつはアウェイな環境に飛び込んで新規ファンを獲得することだと思っていて、そのためには虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のようにわかりやすく盛り上がる楽曲を持ってくるのが常套です。Aqoursはすでに一定数のファンを獲得できていることから、それよりも新曲の宣伝をしたかったのかもしれません。と、何だかんだ言ってはいますが、実際のところ好き放題で踊り放題の「SUKI for you, DREAM for you!」でめちゃくちゃ盛り上がったので細かいことはどうでもよくなりました。楽しかったです。

バンドリは……D4DJは……と語り始めると止まらないのでここでは「まさかこの日この場所で撲殺天使ドクロちゃんでピピルピルピルすることになるとは思わなかった」にとどめておくことにします。どの沼もハマると深そうです。知っている楽曲でも知らない楽曲でも関係なくて。ライブ会場で声が出せていることがもう嬉しくて嬉しくて。それだけでいつも以上にはしゃいでしまいました。何度となく繰り返された自称過激ではないジャンプにより、あとでスマホの歩数計を振り返ったらライブの間に毎時750歩のペースで5時間歩いていたことになっていました。代償は2022年ベストオブ筋肉痛。翌日以降、階段登るのキツかった。降りるのはもっとキツかった。その痛みも含めて全力でライブを浴びたという実感がありました。ライブってこういうものだったよなと流行病で右往左往する前のあの頃を思い出すことができました。

開催発表当初は11月のベルーナドーム寒そうだしコンテンツあたりの持ち時間短そうだしでスルーを決め込んでいました。誘われなかったら行っていなかったと思います。行っていなかったら後悔していたと思います。行ってよかった。誘われてよかった。誘ってくれてありがとう。因みに6連番に混ぜてもらいまして。割り当てられたアリーナの横が12列だったので1席空けで丸っと1列を仲間内で占拠できる配置だったのも面白かったです。

さて、ありがとうの気持ちはブシロードの代表取締役社長兼CEOである木谷高明さんにも伝えなければなりません。今回のライブで声を出すことができたのは他でもない彼が決断してくれたから。声出し応援をした結果、よくない何かが起きれば誰かが責任を問われることになります。それでも誰かがそのリスクを背負わなければこの手のライブで声を出せる日は訪れなかったわけです。そこに名乗りをあげた木谷高明さんの漢気よ。かつてチケット代を引き上げてでも有観客ライブに踏み切った件のときも感じました。世の中はリスクを背負うことを決めた誰かの覚悟のおかげで前に進んでいます。

今回の経験から、埼玉県とベルーナドームはある条件下(これまでの実績、キャパ半分、マスク着用あたりでしょうか)においてライブの声出し応援の許可を出してくれることがわかりました。現状、観客からクラスター発生などの問題が少なくとも表沙汰になっていないことも今後の声出し応援ライブの背中を押してくれることでしょう。

来年の3月には同じくベルーナドームでLiella! の3rdライブの千秋楽が開催されます。厳しいことを言うと、今のところ私の中で彼女達がベルーナドームの半分以上を埋められている絵は想像できていません。となると無観客ライブから始まった彼女たちに初めて声を届けられる機会が来るかもしれません。来ないかもしれません。そのあたりはそのときの流行病の状況とラブライブ運営にリスクを背負う覚悟があるかどうかで決まりそうです。もちろん前提を覆してキャパ半分以上埋まったので声出しできませんとなればそれはそれで私は嬉しい悲鳴をあげます。

Liella! で声が出せるにしろ出せないにしろ、こういう話ができるところまでやっと来れたのだなと思うと感慨深いです。このブシロード15周年記念ライブは、ただの記念ライブというだけでなく、エンタメ界隈に一石を投じる大きな意味を持つライブになったと思います。

余談
総勢19組のアーティストが勢揃い! だったわけですが、各グループを兼任しているキャストが多くて驚きました。一人二役は当たり前のようにいて、人によっては三役、四役。愛美さんと伊藤彩沙さん働きすぎでしょ。その分、本番に向けて準備しなければならないことはもちろん増えるわけで。この手の業界の給与体系がどうなっているのかは知りませんが、役割に応じてちゃんと貰えるものが貰えているといいなと思います。兼務手当があるわけでもないけど兼務が常態化している私より。

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