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逢田梨香子さんの「The night before Nostalgic」は私たちの青春の一頁。

2022年5月1日に中野サンプラザホールにて「The night before Nostalgic」が開催されました。ワンマンライブは2021年3月末に開催された1stライブツアー「Curtain raise」の大阪公演ぶり。中野サンプラザホールはその皮切りであった東京公演ぶり。

以下、ネタバレが含まれますので後日の配信でフラットに楽しみたい方はお気をつけください。


セットリストは以下の通り。

01: フィクション
02: for...
03: Lotus
04: 君がくれた光
05: 退屈が大好き
06: 花筵
07: Adolescence(新曲につき表記不明)
08: ORDINARY LOVE
09: FUTURE LINE
10: Dream hopper
11: ブルーアワー
12: ステラノヒカリ

私のライブに向けた想いは一点特化で紅いドレスを身に纏った逢田さんが歌う「フィクション」を生で観られるかどうかでした。これは「フィクション」発売日からの念願ですし、オンライントーク会で逢田さんにもその想いを直接伝えています。

バンド演奏によるオープニングアクトで始まったライブ。よく聴くと「フィクション」のフレーズが混ざっていることに気がつき、もしかしてもしかしたらとワクワクしていると、期待を裏切ることなくそのままの流れできてくれました。早々に願いが成就してしまう……!

ステージ上段に現れたのはドレスではなかったけれどそれでも素敵な紅い衣装に身を包んだ逢田さん。生バンドによる「フィクション」は想像通り想像以上に素晴らしいパフォーマンスでした。あぁ麗しい。私が観たかったものの全てがここに。一発目ということで感情が追いつく前に終わってしまったことだけが心残りで、時間を巻き戻してもう一度じっくり見たいです。Blu-ray化されることを心から希望します。

余韻に浸る間もなく間髪入れずに「for…」に繋がりました。モーションキャンセルからの「for…」は1stライブでも見せた演出で、1stライブのお気に入りシーンのひとつです。防御姿勢をとる隙がないので真正面から殴られることになるんですよね。攻撃力の高い楽曲でもあるので一気にボルテージが上がります。

決してペンライトの色が固定化されているわけではないですが、ファンがイメージとして抱く色として纏まりのある構成だったなと思いました。赤いイメージの強い先の2曲のあとはMCを挟んで青いペンライトが多く掲げられた「Lotus」と「君がくれた光」が披露されました。少し落ち着いた楽曲たちは逢田さんのどこか憂いのある美しさを引き立ててくれます。

その後の「退屈が大好き」はこれまで見たことのない逢田さんをみることができました。綺麗という印象が強い逢田さんが可愛いに全フリするとこうなるのか、と。生バンドだと音が強すぎるのではないかと少し心配する部分もあったのですが絶妙な塩梅でした。ステージをぐるりと歩き回り、アウトロを待たずに退場してしまう自由さがこの曲にマッチしていたように思います。

お着替えタイムを済ませてスタンドマイク1本で歌われたのは「花筵」で、じっくりと聞かせてくれました。個人的にはアンコール前の最後の曲あたりに配置すると思っていたので中盤ブロックの頭で披露されたのは意外でした。全体を振り返れば「楽しい曲で終わりたい」という想いがあったのかもしれません。

ここでサプライズな新曲。タイトルは思春期を意味する「Adolescence」だそうです。逢田さんの「もうみんな終わってると思うけど……」で思わず笑ってしまいました。相変わらず面白い人です。

「ORDINARY LOVE」で原点回帰。逢田さんがソロアーティストとして初めて人前で歌った曲であり、アニサマのステージでソロアーティストとして一皮剥けた(と私は思っている)曲です。ガチガチだったあの頃が懐かしい。今は色鮮やかな白を歌ってくれます。その時々の感情でいろいろな色に変化しそうで、逢田さんを定点観測する役割を果たしてくれる楽曲なんじゃないかと思っています。

ラストスパートは「FUTURE LINE」を挟んでの「Dream hopper」でした。「Dream hopper」は日程が発売後であった1stライブツアーの大阪公演でのみ披露されており、私にとっては「はじめまして」になる楽曲。ライブだとコロコロと変わる曲調が尚クセになります。大盛り上がりの中、一旦閉幕。

アンコールは「ブルーアワー」と「ステラノヒカリ」でした。「ブルーアワー」は観客前で披露するのは初。逢田さん作詞の逢田さんらしい楽曲です。「ステラノヒカリ」はみんなで振りコピするんでしたね。すっかり忘れていましたが、講座が始まったところで思い出しました。初見殺しのヤツ……! 頭ポンポンがあったりなかったり、拳の突き上げで一拍おくところがあったり、ワイパーが1回だったり2回だったり、ひとつひとつの動きは単純な中でトラップが多いのです。斉藤朱夏さんの「ぴぴぴ」よりよっぽど難しいので解説動画が常設されていると逢田さんデビューの人にも優しいんじゃないでしょうか。不思議なもので2度目ともなるとカラダが覚えていました。会場の一体感が心地よかったです。

あっという間に終わってしまいました。結局のところ「The night before Nostalgic」とは何だったのか。メタ的な話をすれば途中で披露された新曲を含む3rd EP「ノスタルジー」発売前のライブということでした。最後の最後に「嬉しいお知らせ」で鮮やかに伏線回収されて少しばかり悔しい思いをしました。そうきたか! まったく気がつけなかった!

さらに逢田さんのMCを聞くことでタイトルに込められた想いを感じ取ることができました。彼女はファンに人生のすべてを捧げてほしいとは思っていないようです。ファンも彼女自身も今後どうなるかわからない中で、ふとノスタルジーを感じたときに、今日という日を、逢田さんと過ごした時間を楽しかったなと思い出してほしい。そんなニュアンスの話をされていました。逢田さんらしいというか何というか、本人曰く「歌詞が暗い」にも繋がる夢を見過ぎない地に足のついた境地だなと思います。

私自身、このスタンスには共感できます。10年前は今のような私になっているとは微塵も思っていませんでしたし、10年後も変わらずこのままとは限りません。ただ、今この瞬間、逢田さんのライブを楽しんだことは、10年後も変わらない現実で。

青春についてのお話もされていましたね。1日限りのこのライブは私にとって、ファンにとって、そして逢田さんにとっての遅すぎる……否、年齢なんて関係ない青春の一頁として心の中に残り続けていくのでしょう。素敵な時間をどうもありがとうございました。

配信もあるよ。お手頃だよ。ご興味とご都合があえば是非。

余談
この日「#ThenightbeforeNostalgic」のタグで寄せられたライブ感想などについて、逢田さん本人が「いいね」をして回っていました。ありがたいことに私もしていただきました。青春の一頁にドッグイヤーをつけられてしまっては振り返って思い出さないわけにはいきません。こういう何気ないところで心掴むの上手いんだよなぁ逢田さん。

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