インカメで 好きな角度で 何度も撮る 映えなければ消す は出来ない。#正論bojw/5
「#正論bojw /5」
写真を続けるか否かに答えを求めるべく私は、セルフポートレートを行った。写真を志すものならば通る道ではあるが、写真に写ることが嫌いな私が、なぜそれに手をだしたのか。
ひとつは自分次第でいつでも撮れる、ということは、今すぐに写真を辞めなくていい安心感をいだくことができた。そして己と向き合うことで自身の良いところを見いだせるかも、という淡い期待もあった。
けれどセルフポートレートは今で言うセルフィ―とは違う。インカメで、好きな角度で、何度も撮る、映えなければ消す、は出来ないし、当時は写真に特化したSNSを私は知らない。
誰かにそれを見せる意識などはなかった。もしそのようなSNSがあったとしても見せる自信なんて微塵もなかった。フィルムで撮り、そのたびに現像しては思いもよらない写真がどんどん手元に増えていく。
そんな行為を一年ほどやっただろうか。やればやるほど楽しさを見いだせず、ただ辛く、自身がひたすら写る写真に、本当に一切の感情を発することが出来なかった。自分に対しての興味がいっそう削がれ静かに傷ついた。(つづく)
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