出来事
起きると昼は疾うに過ぎていた。
カフェ。待ち合わせ。約束事。やってしまった。
スマホの通知を見ると何も来てない。
酔いのお陰で欲望と雑念がクリアに整理整頓された私の無意識により昨夜のうちに予定延期が決定。
今週末は天気が悪い。トントン拍子で延期が決まっていた。向こうも向こうで何かあるみたいだった。
ほっと胸を撫で下ろす。
そして、頭までタオルケットを被り直した。
夕方にはちゃんと起きた。
スマホに美容院予約のリマインド通知が来ていた。
のそのそと布団から起き上がり出掛ける支度。
美容院までは歩いて10分ほどの距離感。シャワーでさっぱりしたばかりの身体にじんわりと汗が滲む。
この不毛な季節にとどめを刺して冬の引導を渡してやりたい。今年の冬はいつもより寒いらしい。
今年のアウターはどうしようか等。
私は柄にもなく浮き足立つ。
美容院までの道中には野球のグラウンドがある。
残暑がしがみ付くこの9月の不快な気候の中でも熱心に練習をする少年球児たちがいる。
それをアウトドアチェアに座り眺める老人2人組。
手には各々好みの酒缶が握られている。
孫を観に来ているという感じでもない。こういういい加減さが良いよね。ちゃらんぽらんな日本の原風景。
老人にもチルはあるんだ。
美容院で髪を切ってもらう間にnoteを触る。
フォローしてる方の日記を読んだり、コメントに返信したり、自分の日記を書いたりなどなど。
今日あるフォロワーさんから、「ぶつ切りの生の言葉が美しい」とお褒めの言葉をいただいたから。
美容院の鏡の前でキモいにやけ面を晒してしまった。
他人と一緒は嫌だからと、私はおかしな崩した文章を書いて個性派を気取っている節がある。それをそういう風に受け取ってもらえているとは。
何だか嬉し恥ずかしい気持ち。
スマホ弄りもひと通り終わり暇になったから持ってきた文庫本を開く。今日は村上春樹のエッセイ本。
私は村上春樹の長編作品は読んだことがないが、短編集やラジオ番組などは見聞きしたことがある。
大変賢くユーモアのあるおじさんだなという印象。
さりげない表現その一つ一つに教養の深さとウィットに富む人格を感じて少しへこんだ。
面白かったのでほとんど読まずに閉じた。
あとでとっておきの時に読むのだ。
おまけ(今日の写真)
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