見出し画像

boi 創刊号 編集後記


boi 創刊号表紙

ミニコミ誌“boi”が本日脱稿しました。発行日は2月末を予定しています。
なるべく多くの自分が信頼しているライブハウスに置いてもらえるようお願いするつもりです。もし「置いても良いよ」という方がいらっしゃいましたboi編集部までご連絡ください。値段はライブハウスでは無料、通販、手渡し等は700円としています。


以下の文章はboi収録「編集後記」より引用


聖蹟桜ヶ丘にある書店に併設されたカフェで作業をする。
いわゆるブックカフェで、書店の棚から本を持ち込んで読書することが出来る。
商業ビル内にあって、喫煙所もあるのでなかなかに混雑しているが、馴染みの喫茶店だと店主や常連さん方と仲良くなりすぎていて、そんな中黙々と作業をするのも気が引けるのでここは重宝している。

ブレンドコーヒーを頼むと、店員さんがサイフォンで淹れてくれる。だけど今日は日曜日で、自分の後ろにも列が出来ているから、店員さんはとても急いでコーヒーを仕上げる。

僕はそれを受け取ってカウンターテーブルにつき、PCを開いて、一口啜る。
なんだか、せわしない味がする。
急いで作ったものは、急いで作った味がするんだなぁ、と僕は思った。


さて、ミニコミ誌“boi”が出来上がった。
紙の本を作ったのは初めてだ。以前詩集を刊行したことはあったが、その時は共作したもう一人の方が印刷に関して色々やってくれたので、完全に手探り。
2022年の1月に企画制作として働いていた調布Crossを辞めて、僕はライブハウスとのある種の繋がりを失った。ところが「ここでスタッフとしては足を洗って後は演者やお客さんで」というのはなんというか「逃げ」みたいな感覚があった。

それで僕は、個人的に信頼できる人、興味がある人たちを集めて“boi”という名前の雑誌を作ろうと思ったのである。ライブハウスに置いてもらうのに迷惑でないよう、サイズはフライヤーなどを差し込むラックに収まるように縦長。現場ではテイクフリー、通販の場合は代わりに自分がライブハウスでお酒を飲む代金として700円。

テーマはいくつかある。
まず「ライブハウスでしか会わない人たち」のセカンドスペースとしての場を作りたい。
相反する考え、思想もなるべくそのまま載せる。
それから、現在例えば大手の音楽雑誌には載らない、せっかく新譜を出したのに・ライブをしたのに、批評の場にすら置かれない人たちに向けた場をきちんと作ること。
創刊号では前者の方の役割はほんの少しだけ出来たけど、後者は出来なかった。
これはひとえに仕事を辞めて全くお金がなかったのが理由であります。
次号は金銭面も立て直してなんとか実現させたいと思っています。

最後に、感謝を申し上げたいのは目次イラストを描いていただいたニイマリコさん。
「カートのように愛される冊子になってネ!」と大変嬉しい言葉を頂きました。
それから寄稿者の方々。得体の知れない雑誌からのオファーに快く依頼を受けてくださったことは今後も続いていくboiの大きな糧となります。
それからまだ見ぬ読者の方々、ライブハウスで会いましょう。

次回boiは4月の発行を目指しています。
今回でなんとなく呼吸をつかめたので、もう少し内容も厚く、読みやすくてデザインも洗練された本になるよう善処していきます…

2022年2月19日 boi 編集長 池田敦也

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?