好きだから、がんばる
私は今年の目標に「毎日執筆する」というのを掲げていました。
もともと執筆自体は去年の春頃から始め、最初はパソコンの原稿ソフトで書いていました。
書き始めた頃は、毎日パソコンの原稿画面に向かうのが楽しかった記憶があります。今その頃の原稿を見返すと、手探りで書いている部分はありますが、文章が生き生きとしているというか、書いている私自身が楽しんでいる、という感覚が不思議と伝わってきます。
子供の頃夢見た文筆家というものに一歩近づいていっている、そんな感覚も私を楽しませてくれていました。
そして去年の夏ぐらいからnoteに、自分の書きたいテーマを好きなように書いていました。
この頃は早起きしてパソコンに向かうことを目標にしており、小説を書くということからは少し外れていましたが、相変わらず「書く」という作業は楽しかった記憶があります。
もちろんインターネットで公開される文書なので、読者がいることを想定して書いていました。基本的には自分の好きなように書いていましたが、読者の方が楽しめるように、という気持ちは常に念頭に置いていました。
そして今年の4月に「ポメラ」を買いました。ポメラというのは、小さなノートパソコンのような形をした、文章執筆専用の機器です。一昔前の例えで言ったら「ワープロ」が近いかもしれません。
そこからいろいろな執筆技術について調べました。例えば「一週間で1作、短編を作る」とか、そういったことです。
とにかく「技術向上」という面に意識を置いて、執筆に専念することにしたのです。
しかし、5月くらいから「執筆」という作業が辛くなってきてしまいました。毎日ポメラに向かって、その日のノルマ文字数を何がなんでも絞り出すという作業。正直、書くことが苦痛となってしまっていたのです。
作家には、
・毎日何がなんでもノルマ文字数(時間数)はやる
というタイプと
・アイディアが出てこない時は執筆作業から一旦離れる
という2タイプがいることは知っていました。
私は「執筆作業からは離れたくないけど、ノルマ文字数をやるのは苦痛で仕方がない」という状況に陥っていました。
そんな時たまたま、村上春樹さんの「職業としての小説家」という本に出会いました。
村上さんは、小説のアイディアが浮かばない時は、小説は書かないそうです。でも書くという作業自体はやめない、というスタイルの方でした。
小説を書かないで何をするのかというと、翻訳やエッセイの仕事をするそうです。
私も小説がすっかり書けなくなっていたので(正直、やけになってつまらないものを書いていると自覚しつつ原稿に向かっていました)、しばらく執筆練習用の課題などを、のんびりとした気持ちでやっていました。
自分の頭から絞り出す、ということを一度休んだのです。
そして先日、久しぶりに小説を書きました。
そうしたら「やけになって書いている」という感覚がだいぶ減っていたのです。この日は書くことも苦痛ではなく、楽しめた気がします。
私も、村上さんの執筆スタイルを真似て、
・毎日書く作業は続ける。でも小説のアイディアが出ない時は無理せず、エッセイなど、他のことを書く。
でいってみたいと思います。
今思い返せば、もともと「文章を書く」ことが好きで、ただそれだけの気持ちで始めたことでした。
でもやっていくうちに「これでは賞を取ったり、デビューしてお金を稼ぐことは無理だ」と目的がずれてしまっていました。
原点に戻り「書くことが好きだから、書く」。
そんな気持ちでまた頑張っていきたいと思います。
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