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局所治療からの卒業

フィジカルコーディネーター、けんちゃんがお送りさせて頂きます。自己紹介はこちら


本研究所のネーミングにも関わる重要な概念ですが、

現在、体に対して介入を行う概念の用語は非常に多岐に渡ります。
ケア、キュア、コンディショニング、etc...

ケアとキュアはしばしば対比した概念として捉えられることもあり、
ケアは広義で、『注意、気遣い、世話』
キュアは狭義で、『医学的な処置や治療』
などを指すことが多いようです。

キュアは治るという意味が強いですが、局所に限局しており、
ケアは治すという意味は薄いですが、全体性をみている傾向があり
コンディショニングは、局所的な調整という意味合いが強いです。

今の時代は、地域に目を向けた時にはケアという概念がとても大切になってきており、
体をメンテナンスするする際には、医学的なキュアと、未然に防ぐ、パフォーマンスを向上させるコンディショニングという概念が大切になってきています。

しかしながら、このキュアやコンディショニングの概念だけでは、人の心身を捉えるには不十分なこともあります。局所のキュアやコンディショニングに全体性とを組み合わせていかなければ、適応することが難しいのです。
なぜならば、人間は恒常性のある生き物だからです。局所と全体とは、常に調和し、均衡を保ち続けています。局所のみの介入は、改善へ導くきっかけにはなりますが、あくまでもきっかけであって、それを維持し、適応させるだけの役割は担えないことが多々あるのです。


局所と全体の関係性は未だ解明が難しい部分ではありますが、全ての身体の基盤は運動学、解剖学、生理学になります。どんな治療法や概念においてもその関連性が見受けられる、人間が人間であるが故の本質。原理原則となります。
そこを解明していきつつ、局所的な調整の意味をなす『コンディショニング』から、各部を調整し全体を調和するように組み合わせるという意味をなす『コーディネート』へと昇華していく、これが本研究所、『フィジカルコーディネート研究所』の使命です。

コーディネートというと、ファッションや住居などのイメージがあるかと思います。コーディネーターは、対象者の希望を聴取するだけでなく、見た目、雰囲気、生活スタイルなどから、性格などといった内面までを評価し、ご本人にぴったりと合うように全体のバランスが整うように組み合わせていきます。

我々の仕事も同様であり、非常に似ています。
局所の調整をしただけでは、その身体環境を日常生活に、あるいはパフォーマンスに反映させるのは困難です。心身はもちろんのこと、クライアントの日常生活やパフォーマンス特性も見据えた心身のコーディネーションをして初めて反映されるのだと考えています。


いわば、我々は、身体(Physical)のコーディネーターです。

様々な治療法や治療概念を運動学・解剖学・生理学に落とし込み、人間の原理原則として、システムとして理解していきながら、最善の治療法や健康法を考案して参ります。

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