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名作探訪 その8 静かなる箱庭ゲーム 『ブルゴーニュ』

こんにちは、ボードゲームデザイナーの山田空太です。

このnoteでは、普段ボードゲームの作り方に焦点を当てて書いています。今回は、名作探訪という、皆さまに是非とも遊んでほしい(ちょっぴり昔の)ボードゲーム紹介のシリーズです。

前回の記事はこちらからご覧いただけます⇩


さて、本日のゲームは、シュテファン・フェルト作の『ブルゴーニュ』

aleaの大箱シリーズで、この時期フェルトは『ラムと名誉』『ノートルダム』『ドラゴンイヤー』『マカオ』と連続でaleaと組んできます。その中で最も人気が高いのが、本作の『ブルゴーニュ』です。

ブルゴーニュ  The Castles of Burgundy

Designer: Stefan Feld
Artist: Julien Delval,  Harald Lieske
Publisher:  alea, Ravensburger
(2011)
2-4人
好み:AA 
プレイ時間:90-120分
2人でも:2人でも面白い(むしろベスト2人かな)

シュテファン・フェルトは、要素がもりもり多めの中量級〜重量級の作品が多いデザイナーです。『ノートルダム』『トラヤヌス』『ブルッヘ』『アメリゴ』『倉庫の街』などが有名どころ。最近では、2019年にKDJノミネートの『カルぺ・ディウム』を出していますね。

さて、『ブルゴーニュ』。ざっくり言うと、個人のボードに土地タイルを配置して領土を繁栄させる箱庭ゲーム。ぼくの中では、”機能のある箱庭ゲーム”と分類しています。箱庭ゲームについては、下の記事に詳しいです。

『ブルゴーニュ』では、全体ボードから土地タイルを取得して、個人ボードのタイルと同色の空きヘクスに置きます。タイルには、茶色の建物、水色の船、黄色の知識、黄緑色の動物、緑色のお城、灰色の鉱山の6色6種類があり、それぞれ異なる効果をもちます。

1手番では2つのダイスをふり、1つのダイスにつき1アクション。ダイスと同じ目のタイルを取ったり、同じ目のヘクスに置いたり、同じ目の商品を売却したりします。

つまり1手番で2アクション。それを各ラウンド5回行い、計10アクション。全5ラウンドなので、合計50アクションです。多いですね。慣れたプレイヤー2人で回せば、1時間くらいでなんとか収まりますが、慣れるまでは(人数×1時間)くらいは見た方が良いでしょう。

手番で行うことは結構単純。タイルが隣接するようにボードを埋めていくだけなので、パズルっぽくもあります。

個人ボードには色で分けられたエリアがあって、エリアを全て埋めて完成させると勝利点を得られます。大きなエリアを埋めると高得点。そして、早いラウンドでエリアを完成させると加点があります。

ダイス目に翻弄されるゲームですが、労働者タイルを使用して、ダイス目の上下をすることは比較的簡単。労働者タイルはあればあるほど嬉しいのですが、労働者を補充するアクションは、一手パスなので、なるべく使いたくはないところです。

ダイス目に融通をもたせる代わりに、ダイス目をなんども変更していると勝てないような設計です。

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「タイルの効果はかなり多いけれど、手番でやることは整理されていてシンプル」というのは、フェルトが得意とする構図です。

タイルの効果を覚えるまでは結構大変ですが、一度覚えてしまうと、手番ではサクサクでき、プレイヤーの負担は大きくありません。手札上限3枚も効いています。手なりで進めていっても何とかなります。

ブルゴーニュの美点は、タイル効果の調整が細かくされているところ。どのタイルもそれなりに意味がある。最初のラウンドで取得するとお得な鉱山は、序盤でプレイヤーの行動を誘導します。重要な手番順はで争わせて、お城の+1アクションボーナスはアクセントになっています。オールユニークの黄色の知識タイルはうまくハマれば強いです。最も多い茶色の建物タイルの使い方が鍵になっていて、きちんとゲームの中核を担っているのです。よくまとめ上げたなあと思うのです。

箱庭ゲームらしく、ボードを埋めていくだけで単純に楽しく、どんどん点数が入るので満足感があります。相手の欲しいタイルをカットすることも終盤では有用であり、インタラクションもほどほどにあります。フェルトが好きな厄災イベントもなくて、総じて平和なゲームといえるでしょう。

さて、名作探訪シリーズ、いかがでしたでしょうか?もし面白かったら、ぜひフォローもお願いします。


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